運動会にもってこいの秋晴れのもと、走り出したのは児童生徒…ではなくて、イシス編集学校51[破]の学衆たち、総勢65名。10代から80代まで、日本各地いや世界のあちこちで[破]を受講するメンバーだ。
正午にスタートの号砲が響くと、12:03に平蔵ひたすら教室、12:32分にカンテ・ギターラ教室、12:39には類児・創児教室に00番の回答が届いた。点呼への応答ではない。師範代が点呼をかけるより早く、開講前に投入されたお題(けっこう手の込んだセルフプロフィールお題)を打ち返す学衆たちが登場した。さあゲームの始まりだ。
問いのボールを受けて、すぐにシュッと答えられないのが編集学校のお題だ。正解がないお題といわれるが、問いに幅があるから、その幅のなかに自分なりのQを立てないと回答の一歩が踏み出せない。1-01番「身近で起こった出来事」、1-02番「いま世の中でおおいに気になっていること」…いっぱいあるはずだけど、何を書いたらいいのだろう。自由だからこそ迷ってしまう。 そんなときは、方法、方法! [守]のお題を思い出してほしい。注意のカーソル、あるものないもの、地と図、編集思考素…。断片的な情報を組み合わせて知にしてゆくことが編集だ。さらに[破]では、文体編集術、クロニクル編集術、物語編集術、プランニング編集術を駆使して、見出した知をメディアに載せて生き生きと伝えるところまでもっていく。
伝わるのか、伝わらないのか? それを見てくれるのが師範代だ。出世魚教室名をもらった感門之盟から1か月、伝習座、師範との錬破(指南リハーサル)などトレーニングを重ねてきた。遠くも近くもよく見えるようになり、動体視力もアップした。
読んだり書いたりをアクティブに行うのが編集稽古だ。インターネット上にぽつんと浮かぶ学校で、テキストのやりとりだけなのに、キャッチボールのような手ごたえ、瞬発的なジャンプ、力を尽くした駆け抜け、仲間への掛け声やコーチの叱咤激励がリアルに感じられる。
そんなモードをお互いにつくっているという編集にも驚きながら、その謎も問いながら、4か月の稽古を愉しんでほしい。
原田淳子
編集的先達:若桑みどり。姿勢が良すぎる、筋が通りすぎている破二代目学匠。優雅な音楽や舞台には恋慕を、高貴な文章や言葉に敬意を。かつて仕事で世にでる新刊すべてに目を通していた言語明晰な編集目利き。
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