自ら編み上げた携帯巣の中で暮らすツマグロフトメイガの幼虫。時おり顔を覗かせてはコナラの葉を齧る。共に学び合う同志もなく、拠り所となる編み図もなく、己の排泄物のみを材料にして小さな虫の一生を紡いでいく。
鯉のぼりと入れ替わるように、51[守]の鯉が跳ね始めた。
[守]に鯉をあしらった上の画像は[守]の新たなアイコンであり、講座記事のプロフィール画像でもある。師範の阿久津健が開講に合わせてデザインした。季節感。そして鯉が滝を登って竜になる「登竜門」伝説を、編集の入口である[守]に重ねたものだ。
5月8日正午、19教室に校長の松岡正剛から「いざ、いまこそのインタースコアを!」が届けられ、51[守]が開講した。コロナ禍、長引くウクライナ戦争を受け、「そんな時、いや、こんな時だからこそ、ようこそイシス編集学校へ」と言葉は続く。
「なんでも編集という見方に興味」
「編集稽古、非常に楽しみです!」
「うわあ、緊張しますね」
添えられたひと言に、編集稽古への期待が感じられる。師範代もすぐに応える。
出題から1時間も経たないうちに、回答1号が届いた。
劇的な変化と出会いの15週間。鯉の旅が始まった。
(文:景山和浩)
イシス編集学校 [守]チーム
編集学校の原風景であり稽古の原郷となる[守]。初めてイシス編集学校と出会う学衆と歩みつづける学匠、番匠、師範、ときどき師範代のチーム。鯉は竜になるか。
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コメント
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2025-11-18
自ら編み上げた携帯巣の中で暮らすツマグロフトメイガの幼虫。時おり顔を覗かせてはコナラの葉を齧る。共に学び合う同志もなく、拠り所となる編み図もなく、己の排泄物のみを材料にして小さな虫の一生を紡いでいく。
2025-11-13
夜行列車に乗り込んだ一人のハードボイルド風の男。この男は、今しがた買い込んだ400円の幕の内弁当をどのような順序で食べるべきかで悩んでいる。失敗は許されない!これは持てる知力の全てをかけた総力戦なのだ!!
泉昌之のデビュー短篇「夜行」(初出1981年「ガロ」)は、ふだん私たちが経験している些末なこだわりを拡大して見せて笑いを取った。のちにこれが「グルメマンガ」の一変種である「食通マンガ」という巨大ジャンルを形成することになるとは誰も知らない。
(※大ヒットした「孤独のグルメ」の原作者は「泉昌之」コンビの一人、久住昌之)
2025-11-11
木々が色づきを増すこの季節、日当たりがよくて展望の利く場所で、いつまでも日光浴するバッタをたまに見かける。日々の生き残り競争からしばし解放された彼らのことをこれからは「楽康バッタ」と呼ぶことにしよう。