「このエディションフェアがすごい!」シリーズ、第35弾は山梨県の朗月堂書店。山梨県のエディションフェア全店舗を取材するイシス編集学校師範代の内田文子さんです。フェア開催は8月末まで。
◇◇◇
朗月堂は明治35年(1902年)創業。昭和初期に甲府市中心街に200余坪の大きな店舗を構え、県下一円の卸問屋を経営していたが、昭和54年(1979年)に甲府市貢川に初の郊外型店舗である貢川店をオープン。現在は、この貢川店を本店と定め、営業を続けている。
住宅街と商店、企業が入り混じり、人口の多い地域に建つ朗月堂だが、昭和54年の開店当初、まわりは田んぼだらけだったそう
創業の頃からの朗月堂の歴史を語る写真
「当店は朗月堂ではじめての郊外店で、開店当初から集客力のあるお店でした。やはり車で寄りやすかったのでしょうか。」と、今回フェアをご担当くださった駒井さんは語る。
今回のフェアをきっかけに読み始めたら面白くて、と『日本問答』を手にされた駒井さん
駒井さんが中学生のころにオープンしたこのお店。拡張と収束を重ね、今のかたちになったのは2016年のこと。児童書からコミック、一般書まで幅広く取り揃えているが、とくに力を入れているのは参考書。たいていのものは手に入るという。
子どもの読み聞かせ会を定期的に行っていたが、いまは中止しているとのこと。再開が待ちどおしい
エディションフェアを展開するのはC館の入り口。天井から吊り下げられたPOPが目印だ。
エディションフェアは文芸中心のC館で展開
天井から吊り下げられたセイゴウPOPが睨みを効かせる
エディション本はもともと1冊ずつ揃えていたが、文庫コーナーに並んでいるだけでちょっと難しそうに感じられていたそうだ。今回のフェアで広範囲にわたる関連本を知り、ぐっと親しみが増したという。エディションの中にも、文芸担当ならいつか読まなきゃと思う本が数多く紹介されていたのだそう。「松岡正剛というジャンルなんですよね」と駒井さんは唸る。
フェア効果でエディションは順調に動いている。関連本はもともと取り扱っていたとのお話
朗月堂は読書好きのお客様が多く、ほかのお店に比べて新刊を求める傾向が強いのだそう。文庫化を待たずに新しい本を探すお客様に応えたいと日々新刊の目利きに勤しむ中、フェアになると偏ってしまい、なかなか「一歩出られない」のだという。
取材をさせていただく間にも多くのお客様がお見えになり、広い店内のあちこちでじっくりと本を選んでおられた。たくさん本を買って読むことを続けてこられたお客様と千夜千冊エディションが出会ったらどんな化学反応が起こるだろうか。
文・写真:内田文子
Back Number
【このエディションフェアがすごい!35】朗月堂書店(山梨県甲府市)
【このエディションフェアがすごい!34】ジュンク堂書店柏モディ店(千葉県柏市)
【このエディションフェアがすごい!番外編】ジュンク堂書店難波店(大阪市)
【このエディションフェアがすごい!31】田村書店千里中央店(大阪府豊中市)
【このエディションフェアがすごい!30】紀伊國屋書店新宿本店
【このエディションフェアがすごい!29】ジュンク堂書店郡山店
【このエディションフェアがすごい!28】ジュンク堂書店三宮店(神戸市)②
【このエディションフェアがすごい!26】敷島書房(山梨県甲斐市)
【このエディションフェアがすごい!25】ジュンク堂書店大阪本店
【このエディションフェアがすごい!24】ch.books(長野市)
【このエディションフェアがすごい!22】ジュンク堂書店吉祥寺店(武蔵野市)
【このエディションフェアがすごい!19】丸善津田沼店(千葉県習志野市)
【このエディションフェアがすごい!18】ジュンク堂書店三宮店(神戸市)
【このエディションフェアがすごい!17】ジュンク堂書店大分店
【このエディションフェアがすごい!16】ジュンク堂書店難波店(大阪市)
【このエディションフェアがすごい!15】ジュンク堂書店三宮駅前店(神戸市)
【このエディションフェアがすごい!14】長崎次郎書店(熊本市)
【このエディションフェアがすごい!13】スワロー亭(長野県小布施町)
【このエディションフェアがすごい!10】ジュンク堂書店名古屋店
【このエディションフェアがすごい!09】ジュンク堂書店鹿児島店
【このエディションフェアがすごい!07】ブックセンタークエスト小倉本店
【このエディションフェアがすごい!05】りーぶる金海堂クロスモール店(宮崎市)
【このエディションフェアがすごい!03】ジュンク堂書店池袋本店
【このエディションフェアがすごい!02】ジュンク堂書店福岡店
千夜千冊エディション20冊突破記念フェア開催中!
最新開催店舗情報はこちらへ▼
エディスト編集部
編集的先達:松岡正剛
「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。
多読アレゴリアTV YouTube配信スタート! 新時代の知識探求オンラインクラブってなに?
新しい情報発信の拠点、その名も『多読アレゴリアTV』! 多読アレゴリアの魅力や最新情報をニュース&レポート。キャスターは松岡正剛から「支度天」の名を戴いたダンドリ仕掛け人武田英裕師範と54守の新米師範、アシスタントの一倉 […]
【多読アレゴリア:身体多面体茶論①】「身体」を斬る(導入編)
多読アレゴリアWEEK開催中!!!!! 12月2日のオープンに向けて、全12クラブが遊刊エディストを舞台に告知合戦を繰り広げます。どのクラブも定員に届き次第、募集終了です。すでに締切間近のクラブもいくつかあるので、希望の […]
イシス編集学校のアドバイザリー・ボード「ISIS co-mission」(イシス・コミッション)に名を連ねる9名のコミッション・メンバーたちが、いつどこで何をするのか、編集的活動、耳寄りニュースなど、予定されている動静を […]
【多読アレゴリア:多読ジムClassic】読書術をアップデート!自分だけのヴァージョン探し
多読アレゴリアWEEKスタート!!!!! 12月2日のオープンに向けて、全12クラブが遊刊エディストを舞台に告知合戦を繰り広げます。どのクラブも定員に届き次第、募集終了です。すでに締切間近のクラブもいくつかあるので、希望 […]
安藤昭子コラム「連編記」 vol.9「世」:世間と世界のあいだで
「編集工学研究所 Newsletter」でお届けしている、代表・安藤昭子のコラム「連編記」をご紹介します。一文字の漢字から連想される風景を、編集工学研究所と時々刻々の話題を重ねて編んでいくコラムです。 IN […]