51[破]で物語を書いた学衆からこんなつぶやきが聞こえてきた。
「今回初めて物語を書きましたが、日々の雑務や仕事のイライラを忘れさせてくれる意外な副産物がありました。ストレス解消にいいですね、物語…。」
物語をクリエイトしている最中の没入感は格別だったようだ。面白い小説やドラマに熱中することでストレス解消している人は多いと思うが、それを自分で作る側になってみたら、もっと夢中になっちゃうのだ。音楽鑑賞ではなく演奏、スポーツ観戦でなくプレイ。聞くだけ見るだけより自分でしたほうがそりゃ愉しいだろうけれど、愉しむまでには技術を磨かないといけない、道は遠い。でも物語は、そこまでハードルが高くない。文章を書くことは誰でもできる、している。他人のつくった世界にお邪魔する読書から、自分が世界をこしらえる側に立ってみようではないか。
そうはいっても難しいのでは、やっぱり技術もいるのでは…という方もご安心を。イシス編集学校では、物語は「お題」であり、「型」にのっとって書く。むしろ、好き勝手に書いてはいけないのだ。それで面白いのかといえば、自分の書きたいことを書くよりも面白いものができる。編集学校の[破]では、英雄伝説の型を使い、メジャーな映画をもとにしながら、あらたな物語をつくる。その過程で、人類がどのように情報伝達の方法を磨いてきたかを追体験し、世の中にあふれる物語の効能や功罪を読み解けるようにもなる。
52[破]をめざす方々にむけて、恒例のエディットツアーを開催する。[破]でもいちばん美味しい物語編集術を味見してもらう。ナビは[破]番匠:野嶋真帆。4期で入門して以来、物語編集術を磨き続け、師範代たちにその秘訣を伝授している。物語講座の開発メンバーでもある。相方のOB師範は当日のおたのしみ。
今回のツアーは、バレンタインデーの開催にあわせて「イコンから始まる物語」というテーマにした。バレンタインデーの由来をひも解けば、古代ローマのルペルカーリア祭、キリスト教の聖人バレンタイン、花やカードの交換、チョコレートメーカーの販売戦略、いまや高級チョコレートの祭典だ。ハート形のチョコというアイコンが連れてくるいくつもの意味から、何通りもの物語を始めることができるだろう。ぜひ、物語をつくる側の熱中を体験しにきてほしい。
[守]学衆はもちろん、未入門の方も歓迎!
■日時:2024年2月14日(水)19:30-21:00
■費用:1,100円(税込)
■会場:オンライン(zoom)
■定員:先着20名
■対象:どなたでも参加できます
■お申込み:<破>エディットツアー2024年2月14日
原田淳子
編集的先達:若桑みどり。姿勢が良すぎる、筋が通りすぎている破二代目学匠。優雅な音楽や舞台には恋慕を、高貴な文章や言葉に敬意を。かつて仕事で世にでる新刊すべてに目を通していた言語明晰な編集目利き。
【破 物語編集術体験ツアー 8/18開催】行きて帰りし物語…の最初の一歩
イシス人にも人気のNHK「100分de名著」、今月はキャンベルの『千の顔をもつ英雄』だ。講師をつとめる佐宗邦威氏のお仕事は、戦略デザイナー。大手メーカーでマーケティングや広告の仕事をするなかで、物語という方法論に出会った […]
バレエの苗代大国日本◢◤[遊姿綴箋] リレーコラム:原田淳子
▼日本のバレエ人口は、2021年の調査で25万6000人だという。2011年は40万人だったそうで、大幅に減ったのは少子化やコロナ禍の影響もあるだろうし、ヒップホップダンスやストリートダンス教室に生徒が流れているからとい […]
響き合う読書【52[破]第1回アリスとテレス賞エントリー終了】
52[破]は開講から1か月で、最初の山場を迎えた。本日5月19日(日)18:00、第1回アリスとテレス賞「セイゴオ知文術」のエントリーが締め切られた。千夜千冊をもどいて一冊の本について書くお題で競う。 10教室・学衆 […]
桜吹雪のなかで果てるバレエ◢◤[遊姿綴箋] リレーコラム:原田淳子
▼桜の花は枯れない。枯れずに散ってしまう。花盛りになったと思ったら、翌日には散り始め、3日後には花吹雪だ。散りゆく桜は、短い命、いさぎよい死、哀しい別離を連想させ、そのイメージを美しくいろどってくれる。けれど、西行の歌「 […]
感門之盟DAY3から4週間、門を出たら、あっという間に次の門の前に立っているのが編集学校である。 学衆さんは、壁とか崖とかいう言葉にちょっとビビりつつ、でも、文章の型っていろいろあるの? 物語を書くなんて夢があるなあ、エ […]