道ばた咲く小さな花に歩み寄り、顔を近づけてじっくり観察すると、そこにはたいてい、もっと小さな命がきらめいている。この真っ赤な小粒ちゃんたちは、カベアナタカラダニ。花粉を食べて暮らす平和なヴィランです。
夏の旅は、イシスコミッションの今福龍太さんとゆるやかな島めぐりの航海へ漕ぎ出しましょう。
小さな小さな島、短い短い言葉に注意をはらって!
2024年冬の初航海は、大西洋のうるわしい群島、カーボ・ヴェルデの吟遊詩人マリオ・ルシオの歌う小さな島々、魅惑的な短い言葉たちが連なった、今福船長の船出のメッセージからはじまりました。
この言葉は、今でも航海のお守りとなって、大切にされています。
群島ククムイでは、今福さんから手渡される言葉を鍵に、書物の世界を旅したり、言葉とイメージのあいだを往還し、新しい表現方法を探したり、オンラインやリアルでの共読会を開催しています。
春の航海の共読会で取り上げたのは、千夜千冊1639夜『戸井田道三の本 こころ・かたち・みぶり・まなざし』。本書は、今福さんが監修したものです。みなさんのなかで、交わしあいが深まったのが、以下の部分でした。
ーー最近はデジタル時計が出回っていて時刻を数字で
示してるけれど、それでは時刻はわかっても時間
は見えてはこない。初心を忘れないためには、い
つも時間がくりかえし見えていなければならない。ーー
(千夜千冊1639夜)
考えたこともなかったのですが、私たちは時計にもアフォーダンスされているんですね。時間とはなにか、デジタルとアナログの感覚違いなど、日々の暮らしの中では通りすぎてしまうところを立ち止まって深めることができるのが共読会の醍醐味です。また、この千夜千冊では、戸井田氏が記憶をヒキダシ型とマリモ型に分けて考察したことを松岡校長が面白がっています。それにあやかり、ヒキダシとマリモの絵を描いてみました。
航海の途中には、今福船長からメッセージや絵はがき、小さな寓話が届きます。台湾の別名はフォルモーサということ、台湾原住民ブヌン族の詩人、サリランのこと。台湾の東海岸、花蓮の町はずれには北緯23.5 度線が通り、それをたどるとメキシコ湾へつながる話、その航海の途中に出会ったマカジキとの格闘の物語。ひとつひとつの点がつながり、ひろがり、あるときふとわかる種明かしに心が躍ります。
(海をこえて届くポストカード)
島と本と仲間に出会う、小さな多島海の旅。
群島ククムイで、あなたの言葉の航海をはじめましょう。
“では、次の航海で!”
El Capitão
(文:風守Ψ西村慧)
多読アレゴリア2025夏 群島ククムイ
【定員】20名
【申込】https://shop.eel.co.jp/products/tadoku_allegoria_2025summer
【開講期間】2025年6月2日(月)~8月24日(日)
【申込締切】2025年5月26日(月)
【受講資格】どなたでも受講できます
【受講費】月額11,000円(税込)
※ クレジット払いのみ
※ 初月度分のみ購入時決済
以後毎月26日に翌月受講料を自動課金
例)2025夏申し込みの場合
購入時に2025年6月分を決済
2025年6月26日に2025年7月分、以後継続
募集開始★多読アレゴリア 2025・夏スタート!!!!!!!
▼倶楽部撮家
写真仲間求む!編集術でカメラと戯れる【倶楽部撮家】が多読アレゴリアにやってきた
▼カオス的編Rec
津田一郎監修クラブ【カオス的編Rec】誕生!科学的読書法に学び、「Qの地図」を描く
▼勝手にアカデミア
▼軽井沢別想フロンティア
▼大河ばっか!
▼EDO風狂連
▼よみかき探Qクラブ
▼終活読書★四門堂
群島ククムイ
ククムイは奄美・沖縄のことばでぷっくり膨らんだ小さな
蕾のこと。船長の今福龍太さんから届くことばに導かれ想
像力の花を育む群島コミューン。その島影で航海模様を綴
るのが、遊びごころいっぱいの多彩なククムイストです。
【群島ククムイ】霧の中からの生成ーーー今福龍太船長との台湾旅(2)
生成とは、たんに一つの存在が別の存在を因果論的に生み出すことではまったくない。それは操作的な情報になることを拒否するような、不定形の共鳴体・共振体のことである。 今福龍太船長の『霧のコミューン』を共読したとき、 […]
【群島ククムイ】霧の中のフォルモーザーーー今福龍太船長との台湾旅(1)
島は島は言葉を求め、言葉は島を呼び寄せます 2024年秋、今福龍太船長のひと言で、多読アレゴリア・群島ククムイの航海がはじまった。 フォルモーザ、フォルモーサ、エルモーサ、美麗島…、今は「台湾」と呼ば […]
世界とわたしのあいだ、半影の海へ。【群島ククムイ:25秋の募集】
群島ククムイは、ISIS co-missionの今福龍太さんとコラボレーションしているクラブです。クラブの創設以来、今福さんは船長として、新しい土地への旅はもちろんのこと、常に新しい言葉や書物への旅…、さまざまな旅へと […]
コメント
1~3件/3件
2025-11-25
道ばた咲く小さな花に歩み寄り、顔を近づけてじっくり観察すると、そこにはたいてい、もっと小さな命がきらめいている。この真っ赤な小粒ちゃんたちは、カベアナタカラダニ。花粉を食べて暮らす平和なヴィランです。
2025-11-18
自ら編み上げた携帯巣の中で暮らすツマグロフトメイガの幼虫。時おり顔を覗かせてはコナラの葉を齧る。共に学び合う同志もなく、拠り所となる編み図もなく、己の排泄物のみを材料にして小さな虫の一生を紡いでいく。
2025-11-13
夜行列車に乗り込んだ一人のハードボイルド風の男。この男は、今しがた買い込んだ400円の幕の内弁当をどのような順序で食べるべきかで悩んでいる。失敗は許されない!これは持てる知力の全てをかけた総力戦なのだ!!
泉昌之のデビュー短篇「夜行」(初出1981年「ガロ」)は、ふだん私たちが経験している些末なこだわりを拡大して見せて笑いを取った。のちにこれが「グルメマンガ」の一変種である「食通マンガ」という巨大ジャンルを形成することになるとは誰も知らない。
(※大ヒットした「孤独のグルメ」の原作者は「泉昌之」コンビの一人、久住昌之)