着物のまにまに〜時空センスの編集術 #6 情報収集で「おそろい」をつくる

2021/10/19(火)09:10
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黒エナメル草履

こんにちわ。森山です。

このごろは一雨ごとに気温が下がって、かさねのおしゃれが楽しみになってきましたね。


昨日と今日は、あちこちから小物を引っ張り出して「こんなのがあった!」と、持っているアイテムを自分に再インプットしつつ、アイロンがけをしたりしています。

今年の秋冬はマフラーとモコモコのカバンの出番が多くなりそう。

 

こんな風に、洋服の小物や着物の小物を、並べて眺める時間が大好きです。そして、こんな時はいつも頭の中で、「おそろい(お揃)」づくりをしているのですが、きっとこれは「守」の情報収集のための編集術「レパートリー・カウンター・パレット」とおんなじで、自分の持っているものでデパートごっこを節目ごとにしちゃうんですね。

 

どうして急にそんなことをしているかというと、実は昨日見つけたネパール製の白いフエルトの丸いバッグが、とてもとても気になっていて、紺か白かカーキーのどの色にするかを迷っているからなのです。


なので、レパートリーを眺めながら「あー、やっぱりここにあの白いバッグがあったら、これとこれにも合わせられるし、やっぱり白が紺よりもインパクト大!」と、「おそろい」が作れる小物の数を数えたりしています。

 

着物の編集は「あわせ」と「そろえ」が基本ですが、かといって「あわせ」も「そろえ」も着物と帯や帯揚げだけの話ではなくて、着物以外のストールや手袋やバッグでできちゃうし、そこに「洋服」と「着物」の間(あわい)で遊べる場所があるんです。

 

黒エナメル草履

 

アイロンがけですっかり蘇ったコムデギャルソンのウールのストール。

 

これにフエルトの白のバッグを持って、黒のエナメルの草履(底裏が赤!)を履いて、黒の手袋をして、黒の色無地の着物に、黒の水玉の帯に、赤の帯揚げに、帯締めは、・・・もうちょっと考えましょう。

 

 

因みに、着物は袖口の位置が大きく動きますので、手袋は長めが断然いいですよ。

 

  • 森山智子

    編集的先達:和泉式部。SE時代にシステムと着物は似ていることに気づき開眼。迷彩柄の帯にブーツを合わせる、洋服生地を帯に仕立てる等、大胆な着こなしをはんなり決める。イシスにも森山ファンは数多い。
    2025年春の多読アレゴリアのクラブ開講に向けて準備中。

コメント

1~3件/3件

若林牧子

2025-07-02

 連想をひろげて、こちらのキャビアはどうだろう?その名も『フィンガーライム』という柑橘。別名『キャ
ビアライム』ともいう。詰まっているのは見立てだけじゃない。キャビアのようなさじょう(果肉のつぶつぶ)もだ。外皮を指でぐっと押すと、にょろにょろと面白いように出てくる。
山椒と見紛うほどの芳香に驚く。スパークリングに浮かべると、まるで宇宙に散った綺羅星のよう。

川邊透

2025-07-01

発声の先達、赤ん坊や虫や鳥に憑依してボイトレしたくなりました。
写真は、お尻フリフリしながら演奏する全身楽器のミンミンゼミ。思いがけず季節に先を越されたセミの幼虫たちも、そろそろ地表に出てくる頃ですね。

川邊透

2025-06-30

エディストの検索窓に「イモムシ」と打ってみたら、サムネイルにイモムシが登場しているこちらの記事に行き当たりました。
家庭菜園の野菜に引き寄せられてやって来る「マレビト」害虫たちとの攻防を、確かな観察眼で描いておられます。
せっかくなので登場しているイモムシたちの素性をご紹介しますと、アイキャッチ画像のサトイモにとまる「夜行列車」はセスジスズメ(スズメガ科)中齢幼虫、「少し枯れたナガイモの葉にそっくり」なのは、きっと、キイロスズメ(同科)の褐色型終齢幼虫です。
 
添付写真は、文中で目の敵にされているヨトウムシ(種名ヨトウガ(ヤガ科)の幼虫の俗称)ですが、エンドウ、ネギどころか、有毒のクンシラン(キョウチクトウ科)の分厚い葉をもりもり食べていて驚きました。なんと逞しいことでしょう。そして・・・ 何と可愛らしいことでしょう!
イモムシでもゴキブリでもヌスビトハギでもパンにはえた青カビでも何でもいいのですが、ヴィランなものたちのどれかに、一度、スマホレンズを向けてみてください。「この癪に触る生き物をなるべく魅力的に撮ってやろう」と企みながら。すると、不思議なことに、たちまち心の軸が傾き始めて、スキもキライも混沌としてしまいますよ。
 
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