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【冊師が聞く04】多読と千夜と守が重なる(福澤美穂子)
- 2021/06/26(土)08:00
多読ジムの名物冊師が”気になる読衆”にずばりインタビューする新企画「冊師が聞く」。
第四回のインタビュアーは福澤美穂子冊師(スタジオ彡ふらここ)。そろそろ多読ジムSeason07の申し込みが締切寸前。でも多読ジムっていったいどんな講座?
◆スタジオ茶々々 猪貝克浩さん◆
読衆プロフィール:新潟県長岡出身・在住。31守、30破、[遊]物語講座7綴、[遊]風韻講座第十三座、24花を受講、その後、37守とりわけブラウザー教室学衆。感門之盟では水筒に日本酒を入れて持参し、皆に新潟の名酒を振る舞うほど、郷土愛と教室愛いっぱいのお人柄。多読ジムはSeason01から継続受講し、並行して守を再々受講、めでたく卒門を果たす。
2016年9月で終了した37守を受講後日々は過ぎ、もう編集学校との縁はないものと思っていました。
学林局からのメールの中で「多読ジム」開講を知ったのは、還暦も過ぎて人生1サイクルが終わり、余生は書棚で幅をきかせている積読本と好みの作家の再読にあてようかなんて、気持ちが内向きになっていた頃でした。
案内を一読して、「数シーズン継続して“読筋”をトレーニングすることによって、読書力が劇的に変わっていくことを体感できる」という惹句に萎みかけていた読書欲が刺激され、即申し込みをした次第です。
「自分の力に合わせて負荷をかけていくこともできるよう」に設計されたプログラムにも興味をそそられました。
Season01からずっと継続受講されている理由は?
お題とともに読書を進めて行くことがとても面白いのです。これまでのわたしの読書傾向を振り返ると、自分の関心領域の本ばかりで広がりがありませんでした。
1シーズンを終えて、どの本を読むかは大切ですが、どのように読むかを工夫することのほうにもっと注力すべきだと思い至りました。本棚を編集し、エディションを共読し、要約筋を鍛えて創文するという本の読みの方法が面白いのです。
また、読みっぱなしでモヤモヤ感を残したまま、なんとなく次の本を読んでいることも気がかりでした。ジムでは読むことと書くことは1セットになっています。書くことで、読んでいるときには気づかなかったところに降りていくことでできるようになり、モヤモヤが晴れていきます。
毎回、クラス替えも楽しい。「初めましてのかた、お久しぶりのかた」との共読を楽しんでいます。
クラス替えならぬスタジオ替え、楽しいですよね。書院(別院のような場所)でそれとなく他のスタジオの様子がうかがえ、今期もあの人ががんばっている、と嬉しくなります。
いのさんのSeason04でのブッククエスト本棚
Season05で、多読ジムを受講しながらどうもピンと来ないところがあり、守を再受講された、とおっしゃっていました。具体的には、多読ジムのどのあたりでそう感じたのでしょうか。
Season03で景山卓也冊師のスタジオ凹凸にお世話になりました。稽古でご一緒するみなさんの、とりわけSさんの回答を見るにつけ、自分が「意識的に」編集術を使うことができていないことが気になりました。
Sさんの回答
・字紋が”地”となり器具や子供の遊びが”図”となり……
・凹と凸の一種合成となるエッセイにはほど遠い……
・読前で想定した三冊はホップ・ステップ・ジャンプの三間連結
「地と図」「一種合成」「三間連結」など編集用語のオンパレードですね。
そこで方法についての理解不足を解消するために、守へ再入門しました。
その熱心さに頭が下がります。そしてSeason05を受講しながら、めでたく46守を卒門! 天晴れです。
編集術を使った読みができていないのは、編集術についての理解が不足しているという思いがありました。
守を再受講してどうでしたか? その思いは晴れましたか?
当たり前と言えば当たり前のことなのですが、要約筋をつけるというのは編集術を鍛えることと同義であると納得しました。
多読ジムに生かせそうと思った編集術やお題はありましたか?
景山和浩番匠が別院に登場されて稽古のヒントとして「2+1」(ツープラスワン)の編集について説明してくださいました。
「ここで肝心なのは3つ目の情報をどんなふうに選び、
そこにどんな関係を見いだすか、が大切なのですね。」
「情報の対比をとらえること
対比に+1を点火すること
そこから創発が生まれます」
景山番匠は、今シーズンから多読ジムを受講されていますね。もしかしたら、いのさんの編集稽古っぷりを見て、多読ジムに興味を持たれたのかもしれません。
そしてとりわけ地と図の関係、BPTのお稽古は多読ジムのお稽古で生かしたいと思いました。
では反対に、多読ジムでの学びが守に生かせた場面はありましたか?
46守のお稽古は、ちょうどエディション読みが『情報生命』から『面影日本』にかけての時期に重なります。エディションと守のお稽古はそれぞれが関連しあっているのだと感じました。たとえば創発のこと、「ある」から「なる」など。
千夜千冊エディションと多読ジム、そして守のお題まで重ねると、読書の視界も編集術への理解も、広く深く、どんどん進んでいきそうです。多読ジムの受講で、ご自身にどんな変化を感じておられますか?
コロナウイルスの感染拡大によって生活は一変しました。対面での人との付き合いが激減しました。それまで週に2日は夜の会合等をこなしていましたが、それがまったくなくなり、多読ジムがスタートした時期が重なったため、読書時間が拡大し、規則正しい毎日となりました。
読書も相手があるとモードが変わるのが分かりました。エディションの共読もあれば、読衆のみなさんが読まれる多くの本が目に入ってくる共読もあり、それぞれ楽しみです。
本との交際の仕方、付き合い方、読む速度と何を拾っていこうとするか、意識して読むようになりました。
目次読書とマーキング読書を一緒に行う自主トレ(特訓★目次&マーキング読書)です。時速を意識するようになり、読み方によって時速をいくらか調整できるようになりました。平均時速は30ページから40ページですが、時速20ページから200ページくらいまでギヤチェンジできることを体験しました。
それはすごい! 最後にこれからの抱負、野望をぜひ。
アウトプットは思うようにいきません。アウトプットにこそ編集術が大切なのだと、改めて思いました。ああ、そのためにもやっぱり3Aなんですね。とりたてて野望というほどのものはありませんが、書く速度を上げていけるようになりたいです。
熱い意気込みを聞かせていただきました。これからもともに読み書きする多読仲間として、お互い元気に読書に邁進していきましょう。いのさん、ありがとうございました!
Info
◉多読ジム season07・夏◉ 締切間近!!
∈START
2021年7月12日(月)
∈MENU
<1>ブッククエスト(BQ):ノンフィクションの名著
<2>エディション読み :『文明の奥と底』
<3>三冊筋プレス :笑う3冊
∈URL
https://es.isis.ne.jp/gym