多読ジムの名物冊師が”気になる読衆”にずばりインタビューする新企画「冊師が聞く」。
第5回のインタビュアーは増岡麻子冊師(スタジオこんれん)。Season06は無事に閉幕。最後の1か月はエディストでもおなじみの「三冊筋プレス」に取り組みました。「三冊筋プレス」の魅力とは? 多読ジムとはどんな講座なのか?
◆小路千広さん(スタジオこんれん)◆
読衆プロフィール:香川県出身、兵庫県神戸市在住。職業はフリーランスのライター。28守破、[遊]物語6綴、22花、11離、[遊]風韻16座を受講。35守破師範代、42~44破師範、10・11綴物語師範代・13綴師範、46破評匠など途切れず編集学校のロールを受け持つなかで、多読ジムはSeason02から継続受講し、「三冊筋プレス」を毎期書き上げる。詞と編集術への探求心に満ち満ちたライター&エディター。
それに、木村久美子月匠が「冊師からコメントをもらえるのがうれしい」と学衆さんのような顔で楽しそうに話していたのを目の当たりにして、私もやってみたいなと。
他の編集学校のコースとは異なり、自主稽古で全部のお題回答が必要ではないと聞いて「それなら自分にもできそう」と思ったのもきっかけになりました。もともと本は好きなのですが、読むのが遅いし、読みが浅くて、読みっぱなし。
校長の読書の方法を学びという気持ちもありました。
取材した内容をどう要約して紹介するか、取材相手のどの言葉を取り出すか、見出しのキーワードを何にするかなど、「要約、選択」「引用」といった編集術を駆使することは「エディション読み」のリコメンド文や、「三冊筋プレス」の知文と共通すると思っています。
たとえば「エディション読み」をすることで、千夜千冊をどう読むかとか、方法的にどう書かれているかに注意のカーソルが動くようになりました。
個人的には、師範ロールと読衆ロールのあいだを行ったり来たりすることで、お題に向かう立場や気分の違いを楽しめるのも良かったです。
工夫したのは、三冊をつなぐ関係線を見直して、新たな関係線を探すことです。
本の中からキーワードやホットワードを見つけたり、著者の思想や行動に共通点を見つけたり、と方法はいろいろです。
冊師にヒントをもらうこともしばしばあります。見つけたワードや共通点を言い換えてニューワードが決まれば、あとは構成を考えてせっせと執筆に勤しみます。
「三冊筋プレス」を仕上げたら、遊刊エディストに掲載してもらうチャンスもあり、お楽しみ企画も盛りだくさんあります。
多読の自由と共読の愉快を味わいながら、いっしょに読書筋を鍛えましょう。
※写真 season05【三冊筋プレス】「数寄も見立てもなかりけり」で組み立てた三冊
https://edist.isis.ne.jp/post/sansatsukin05_shoji/
千夜千冊
0017夜『定家明月記私抄』堀田善衞
1624夜『南方熊楠全集』南方熊楠
1736夜『献灯使』多和田葉子
Info
◉多読ジム season07・夏◉ 締切間近!!
∈START
2021年7月12日(月)
∈MENU
<1>ブッククエスト(BQ):ノンフィクションの名著
<2>エディション読み :『文明の奥と底』
<3>三冊筋プレス :笑う3冊
∈URL
増岡麻子
編集的先達:野沢尚。リビングデザインセンターOZONEでは展示に、情報工場では書評に編集力を活かす。趣味はぬか漬け。野望は菊地成孔を本楼DJに呼ぶ。惚れっぽく意固地なサーチスト。
SUMMARY 私たちが食べてきたものとは何か。思い返すとそこには過ごしてきた日々の記憶がつき纏う。例えばおやつには家族や友人とのエピソードが潜んでいて、おやつを前にすると誰もが子どもの表情に戻る。小川糸が紡ぐ生死が混 […]
【三冊筋プレス】ブルーとイエローのプロジェクション(増岡麻子)
それは「うつ」だろうか ロシアのウクライナ侵攻、安倍晋三元首相銃撃事件、2022年は悲惨な事件や事故、戦争の映像を多く目にした一年だった。否応なしに目に入ってくる悲惨な場面に心が疲弊した人も多く、私 […]
本から本へ、未知へ誘う「物語講座」&「多読ジム」【79感門】
感門之盟の終盤、P1グランプリの熱も冷めやらない中、木村久美子月匠が、秋に始まる【物語講座】と【多読ジム】を紹介した。 このふたつのコースは守・破の集大成ともいえる。「師範、師範代経験者にこそ受講して、共に […]
<多読ジム>Season10・春の三冊筋のテーマは「男と女の三冊」。今季のCASTは中原洋子、小路千広、松井路代、若林信克、増岡麻子、細田陽子の面々だ。男と女といえば、やはり物語。ギリシア神話、シェイクスピア、メリメ、ド […]
【三冊筋プレス】植物と人が触れ合う、現代のユートピア(増岡麻子)
白洲正子もチャペックもウィリアム・モリスもメーテルリンクもみんなボタニストの編集的先達だ。<多読ジム>Season08・秋、三冊筋エッセイのテーマは「ボタニカルな三冊」。今季のライターチームはほぼほぼオール冊師の布陣をし […]