本から本へ、未知へ誘う「物語講座」&「多読ジム」【79感門】

2022/09/10(土)22:30
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感門之盟の終盤、P1グランプリの熱も冷めやらない中、木村久美子月匠が、秋に始まる【物語講座】と【多読ジム】を紹介した。

 

このふたつのコースは守・破の集大成ともいえる。「師範、師範代経験者にこそ受講して、共に読み書きを感じてほしい」と木村月匠は力説する。編集術は日々使っていないとすっと抜け落ちてしまうもの。でも【多読ジム】は継続してトレーニングができる。少しでも毎日の読書で編集術に触れなおすことが叶うのだ。
そして願わくば【物語講座】の師範や師範代、そして【多読ジム】の冊師を目指してほしい。

【多読ジム】で自身もひとりの読衆として邁進する木村月匠の言葉が本楼を照らした。

 

つづいて、可憐なブラウス姿の福澤美穂子師範が登場。「イシス歴はA4の紙ではとても収まらない」というベテラン師範福澤からは、【物語講座】3つのおすすめポイントが伝授された。

 


1.文叢名の秘密

【物語講座】では教室を「文叢」と名付けている。この文叢は、2つの物語がかけあわせられているのだ。例えば”ノンちゃん初恋文叢”、“ナウシカ黒蜥蜴文叢”など、物語同士が混ざり合って、どんな彩りに変化していくのか、覗き見したくなる。


2.自分だけのお題が出題される!
受講者それぞれに特化したお題が出されるのは、他の講座にはない特色だ。
「窯変三譚」では落語・ミステリー・幼な心を使い、「編伝1910」は時代のクロニクルを物語にしていく大きなお題である。そして、新しく改編された「トリガークエスト」では、受講生の稽古ぶりやその人のらしさなどを踏まえて、師範が受講者一人ひとりに合わせた「偶然」をセレクト。受講生はおとずれた「偶然」を「必然」へと変えていく。

自分が書きたいものをこえて、「書かされていく」感覚で物語をつくっていくことができる。

 

3.「綴墾巻」という名の文集を手にすることができる

福澤師範は「卒業アルバムよりも全然豪華で嬉しい」と笑顔で語る。【物語講座】にしかない特別な贈り物だ。

受講生の渾身の一作が束ねられた作品集「綴懇巻」

 

続いては多読ジムの紹介へ。

冊師のニューフェイス、「スタジオみみっく」の畑本浩伸冊師は″フラジャイル”と書かれたブルーのTシャツ姿で登場。

 

 

多読ジムのおすすめポイントは…?

1.指導陣も一緒にトレーニングできる

月匠、学匠、師範、師範代など各コースの指導陣と共に課題本を読みすすめ、彼らの方法をあやかることで編集力を高めることができる。

2.魅力的なお題が詰まっている
多読ジムでは「千夜千冊エディション読み」をはじめ、三冊の課題本から本棚をつくっていく「ブッククエスト」、三冊で知文する「三冊筋プレス」をひと月ごとに行う。

千夜千冊をどう読んでいいかわからない人は、エディション読みで「読前・読中・読後」の変化を感じてみるとよい。本はパンドラの箱。伏せられたものが自分の前に躍り出てくる快感がたまらない。
1冊読んだだけでは、発見を得ることができないという人も、ブッククエストや三冊筋プレスを通して、3冊で著者たち・本たちを越えるような自分入りの発見ができる。


3.充実したシステムにある
「三冊筋プレス」には版元とのコラボレーション企画も生まれた。
自分で読んで書いたものが多読ジムを超え、出版社や著者にも届けられるという贅沢なお題だ。

さらに、season10からはオンラインで対面稽古の「共読online」が始まった。今期のseason11では多読ジム受講者以外の人も参加可能である。


そして最後に今年秋開催の【多読スペシャル】では、芥川賞作家「村田紗耶香」を読むというプログラムが行われる。

ISISは突破の先にこそ興奮すべき、未知の冒険が続くのだ。

3人の多読に遊ぶ先達が笑顔で待っている。

 

【申込受付中】
物語講座 第十五綴 2022年10月10日スタート

https://es.isis.ne.jp/course/yu-narrative

 

多読ジムSeason 12秋 2022年10月10日スタート

https://es.isis.ne.jp/gym


  • 増岡麻子

    編集的先達:野沢尚。リビングデザインセンターOZONEでは展示に、情報工場では書評に編集力を活かす。趣味はぬか漬け。野望は菊地成孔を本楼DJに呼ぶ。惚れっぽく意固地なサーチスト。

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