きっかけはコロナだった。
外出自粛によって旅行にいけない、飲み会も参加できない。思わぬ時間がぽっかり空き、彼女は入門を決めた。
怒涛の如く降りてくるお題に怯み、焦り粛々と自宅学習する日々。リモートワークの寂しさを師範代からの指南とエールに癒され、励みにした日々。
少しずつ外の空気を吸う時間が増え、街を歩いてみると注意のカーソルがあちこちに動く。視点の変化に驚き、別様の可能性を察知する自分によろこびを得る。
【守】の稽古は後半の用法3の後半からボリュームが増す。「たくさんのわたし」や「ミメロギア」に苦戦した言葉たちは「犬と女とカッティング」や「レシピを真似る」で徐々に自他への興味を集め、アウトプットを自然に楽しんでいた。それでも【破】は高嶺の花、いやハードな登山。出来るはずがない。
次のきっかけはお題だった。
用法4の「バナナと魯山人」の回答に対して師範代からは「物語講座も薦めたいです!」と太鼓判を打たれ、‶わたし、もしかしていけちゃうかな?”と挑戦心が芽生えた。
″もしかして、いけちゃうかな” その火種が学衆そして師範代の編集魂を焚きつける。20年間、そうやって編集学校は歩んできた。
感門之盟で、彼女はzoom越しに師範代へメッセージを送った。
「師範代が熱心に指南してくださったお陰で破に進むことにしました!」
進破に迷うみなさん、やらずに後悔より、やって後悔をお薦めします。
ISISの庭で再会を願っています。
増岡麻子
編集的先達:野沢尚。リビングデザインセンターOZONEでは展示に、情報工場では書評に編集力を活かす。趣味はぬか漬け。野望は菊地成孔を本楼DJに呼ぶ。惚れっぽく意固地なサーチスト。
SUMMARY 私たちが食べてきたものとは何か。思い返すとそこには過ごしてきた日々の記憶がつき纏う。例えばおやつには家族や友人とのエピソードが潜んでいて、おやつを前にすると誰もが子どもの表情に戻る。小川糸が紡ぐ生死が混 […]
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白洲正子もチャペックもウィリアム・モリスもメーテルリンクもみんなボタニストの編集的先達だ。<多読ジム>Season08・秋、三冊筋エッセイのテーマは「ボタニカルな三冊」。今季のライターチームはほぼほぼオール冊師の布陣をし […]