【このエディションフェアがすごい!10】ジュンク堂書店 名古屋店

2021/06/19(土)09:28
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 名古屋駅は愛知・岐阜・三重のハブとなる東海地方最大の駅です。近隣には名だたる企業のオフィスビルやデパートが立ち並ぶ一方、一本裏の道に入れば下町の情緒を残したお店が現れる、名駅地区はそんなデュアルな魅力のある街です。

 ジュンク堂書店名古屋店は、名古屋駅から徒歩6分。お店はコンパクトながら、ベストセラーから専門書、実用書から芸術書、コミック・雑誌・文庫・文芸、学習参考書や絵本、洋書や楽譜まで豊富にぎゅっと集められ、まさに「知のキオスク」のような書店です。イシス編集学校の山口イズミ師範代とともに、名古屋店のエディションフェア(7月14日(水)まで開催中)を訪れました。

 

 

東海地区の玄関口、名古屋駅。リニア中央新幹線の開通を前に再開発が進められ、街が新しく生まれ変わろうとしています。

 

高層ビル群のすぐ裏手には下町の雰囲気が残る通りが。

 

ジュンク堂書店名古屋店へは地下街「ユニモール」からがおすすめ!雨の日も、「ととのわないサウナ」と言われるほど蒸し暑い名古屋の夏にも快適にたどり着けます。

 

お店はユニモールの6番出口を出てすぐです。

 

名古屋駅のすぐそば、オフィス街のど真ん中にあります。

 

ビジネスや理工系の専門書を中心に、文庫や新書、そして漫画や絵本、学習参考書までオールラウンドな品揃え。

 

『情報の歴史21』は店頭の新刊コーナーに平積み。「資本主義に天皇制、ギリシャ・ローマに哲学、土偶なんて、まさに『情報の歴史』の棚!」と大興奮する山口師範代。

 

ポップを吊るし、棚にあふれる立体感を創り出したのは曼名伽組の小島伸吾組長。「限られたスペースをこんなにカッコよくしてくれて驚きました」と鈴木店長も絶賛。

 

裏表紙に挙げられている本を見比べながらオススメのエディションを選ぶ鈴木朋彦店長。

 

長考の末チョイスした『文明の奥と底』と『心とトラウマ』を持つ鈴木店長。

 

山口イズミ師範代が「夏休みの宿題におすすめ」という三冊は『理科の教室』『少年の憂鬱』そして『サブカルズ』。

 

『文明の奥と底』は山口師範代にとっても「自分の原点を思い起こさせる本」とのこと。校長とツーショットで。

 

 

 自動車や機械など、中部と日本の産業を支える企業が本社を構える地区とあってか、お客様の7割が男性で、30~60代のビジネスマンが中心というジュンク堂書店名古屋店。「仕事の即戦力となる専門書やビジネス書と一緒に、歴史の本もよく売れています。『情報の歴史21』が好評なので、フェアにも期待しています」とお話しいただいたのは鈴木朋彦店長です。

 おすすめのエディションをうかがうと「自分にとっては、松岡正剛さんといえば日本文化のイメージ」とのことで、一度は『面影日本』を手に取られます。が、「いや、こちらも捨てがたい…」と、裏表紙に紹介されている本を手がかりにしばし熟考。選ばれたのは『文明の奥と底』『心とトラウマ』の2冊。マクロな文明の始原を追う一冊と、心と脳から「私」の深淵に迫る一冊という、これまたデュアルなエディションをピックアップされました。

 せっかくなので山口イズミ師範代にもおすすめのエディションを教えていただきました。「夏休みに読みたい本」とチョイスしたのは『理科の教室』『少年の憂鬱』『サブカルズ』の三冊。大人の皆さんも、シダ植物とフィギュアに萌えつつ、不意に路地裏に足を踏み入れるように、少年時代の面影に出会ってみませんか。

 

 

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  • 石黒好美

    編集的先達:電気グルーヴ。教室名「くちびるディスコ」を体現するラディカルなフリーライター。もうひとつの顔は夢見る社会福祉士。物語講座ではサラエボ事件を起こしたセルビア青年を主人公に仕立て、編伝賞を受賞。

コメント

1~3件/3件

川邊透

2025-07-01

発声の先達、赤ん坊や虫や鳥に憑依してボイトレしたくなりました。
写真は、お尻フリフリしながら演奏する全身楽器のミンミンゼミ。思いがけず季節に先を越されたセミの幼虫たちも、そろそろ地表に出てくる頃ですね。

川邊透

2025-06-30

エディストの検索窓に「イモムシ」と打ってみたら、サムネイルにイモムシが登場しているこちらの記事に行き当たりました。
家庭菜園の野菜に引き寄せられてやって来る「マレビト」害虫たちとの攻防を、確かな観察眼で描いておられます。
せっかくなので登場しているイモムシたちの素性をご紹介しますと、アイキャッチ画像のサトイモにとまる「夜行列車」はセスジスズメ(スズメガ科)中齢幼虫、「少し枯れたナガイモの葉にそっくり」なのは、きっと、キイロスズメ(同科)の褐色型終齢幼虫です。
 
添付写真は、文中で目の敵にされているヨトウムシ(種名ヨトウガ(ヤガ科)の幼虫の俗称)ですが、エンドウ、ネギどころか、有毒のクンシラン(キョウチクトウ科)の分厚い葉をもりもり食べていて驚きました。なんと逞しいことでしょう。そして・・・ 何と可愛らしいことでしょう!
イモムシでもゴキブリでもヌスビトハギでもパンにはえた青カビでも何でもいいのですが、ヴィランなものたちのどれかに、一度、スマホレンズを向けてみてください。「この癪に触る生き物をなるべく魅力的に撮ってやろう」と企みながら。すると、不思議なことに、たちまち心の軸が傾き始めて、スキもキライも混沌としてしまいますよ。
 
エディスト・アーカイブは、未知のお宝が無限に眠る別銀河。ワードさばきひとつでお宝候補をプレゼンしてくれる検索窓は、エディスト界の「どこでもドア」的存在ですね。

堀江純一

2025-06-28

ものづくりにからめて、最近刊行されたマンガ作品を一つご紹介。
山本棗『透鏡の先、きみが笑った』(秋田書店)
この作品の中で語られるのは眼鏡職人と音楽家。ともに制作(ボイエーシス)にかかわる人々だ。制作には技術(テクネ―)が伴う。それは自分との対話であると同時に、外部との対話でもある。
お客様はわがままだ。どんな矢が飛んでくるかわからない。ほんの小さな一言が大きな打撃になることもある。
深く傷ついた人の心を結果的に救ったのは、同じく技術に裏打ちされた信念を持つ者のみが発せられる言葉だった。たとえ分野は違えども、テクネ―に信を置く者だけが通じ合える世界があるのだ。