発声の先達、赤ん坊や虫や鳥に憑依してボイトレしたくなりました。
写真は、お尻フリフリしながら演奏する全身楽器のミンミンゼミ。思いがけず季節に先を越されたセミの幼虫たちも、そろそろ地表に出てくる頃ですね。

毎月公開されるEdist記事は30本以上! Edist 編集部メンバーたちから、見逃せない ”今月のイチオシ1本” をお届けします。今月はゲストに、48[守]で初の師範をつとめるジャイアンこと角山祥道師範、そして現在47[破]受講中の学衆 加藤陽康さんをお迎えして、ワイワイお届けいたします。学衆さんにゲストSelectしていただくのは初となります。
では、遊刊エディストをさらに楽しむ「エディスト・セレクション」、どうぞ。
◎遊刊エディスト編集部◎ 吉村堅樹 林頭, 金宗代 代将, 川野貴志 師範, 後藤由加里 師範, 上杉公志 師範代, 梅澤奈央 師範、松原朋子 師範代、47[破] 加藤陽康、角山祥道 師範
⦿【AIDA Season2 第1講 速報!】七巨頭、豪徳寺に会しておおいに問題提起する
[AIDA] のSeason2が始まった。テーマは「メディアと市場のAIDA」。「シーズン」とつくと海外ドラマのようだが、[AIDA]は面白い海外ドラマのように面白い(どうせなら、もっと海外ドラマに寄せて、各シーズンの主題歌もつくってもらいたいし、ゾクゾクするトレイラーも見てみたい)。
この記事のように、エディストも連動して、ニュース記事を出していく予定なので、ぜひフォローしてみてほしい。近々、公式サイトもオープンされる。ちなみにボードメンバーの大澤真幸は多読ジムSPコースの第一弾のゲストでもある。多読SPの盛り上がりっぷりもすごい。いま、イシスで”知”殻変動が起こりつつある…。── 金 宗代
いきなりマツコ’s Plus 4 !
AIDA Season1のレクチャー録!執筆はもちろん金副編集長。
イシスの”知”殻変動の兆しがこちらでも。花伝所が”編集的振動”に波立っています。
ここ数期、花伝所が始まるたびに密かに心待ちにしている連載です。ライターは深谷もと花さん。34[花]で花目付ロールに抜擢された2020年秋以来、講座の動向を深谷さんならではの注意のカーソルで描出しています。
花伝所の日々が綴られる中、時折滲み出る、以下のような深谷さんの花伝生へ期待や譲れない編集工学へのおもいに、読み手も思わずゾクゾク・ワクワクと振動せずにいられません。
36[花]20名は、自己言及の倍近い言語量を費やして他者交流を志向している。
「速さと深さを両立するのは難しい」と多くの人が口にする。けれど私はそれに共感しない。(中略)そもそも「速度」と「深度」は、「感度」を親とする二点分岐なのだと思う。
第1回([週刊花目付#001] 解釈の冒険、あるいは表象の発見)から通読いただきたい連載です! ──上杉 公志
「遊刊エディスト」はちっぽけな一学衆の僕をして秋祭りの景色に見えます。弱ったフィラメントの白熱電球に照らされて綿菓子や仮面が変形する、露店のひしめきというあの薄い膜でできた鳥居を抜けて、拝殿にて氏子が神事を仕る場の感が、この記事に乗ってやってきたと思いました。世界との嵌まり込みに際して私の脆さを受け容れる表情がうつります。一人一人が別々の切実を消化不良しているという眼横鼻直さがあります。まなざしの奥に祭り囃子が聞こえます。──加藤 陽康
マツコ’s Plus 🐶 加藤さん、Edistデビューの巻。
バンキシャは見た!イシスDANZEN 五人衆【77感門】
4 後藤’s イチオシ!
「本と同じくらい映画が好きな」太田香保総匠によるOTASIS最新号。映画の予告篇を新たな分類でわけ、その”詐欺師”っぷりを堪能するという。新しい価値観を提案してくれています。本篇を見たらその存在を忘れがちな予告篇。これからは本篇鑑賞後に予告篇に一旦戻り、そこに込められた編集にも目を凝らして、自分がいかに素敵に騙されたのか、じっくり考えてみるのも編集稽古になりそうです。予告篇のみならず、本の帯についても分類して欲しいとリクエストしたいです。
ちなみに最近、レディ・ガガ主演「ハウス・オブ・グッチ」(リドリー・スコット監督)の予告篇を事あるごとに見て胸を高鳴らせています。さて、吉と出るか凶と出るか。── 後藤 由加里
伏せられたら開けてみたい。隠されたものは暴きたい。女湯に忍び込みたいという禁じられた欲望、それがこの記事で満たせるかもしれません。
エディスト初の覆面記者が潜入したのは、ゴートクジのトイレ。男子閑所には『うんこの博物学』がふんぷんと臭い、女子化粧室では田中優子先生に絶対的自由を秘伝されているらしい。なぜMは、あの薄暗い個室でサントリー学芸賞に輝く重厚な映画論を読ませるのか。遊刊エディスト読者が決して知り得ないネタが、今月スクープされました。
この記事の仕掛け人は、ISIS館の住人だという「赤堤憚読組」。書き手も語り手も匿名であるからこそ、トイレ本の実態とその謎だけが余計妖しくネオンに照らされるようです。予想外の本がそこにあるだけで、我々は出すものもそこそこに、小さな個室で考える人になってしまう。あたかもバンクシーの企みに翻弄されるような愉悦をおぼえました。やはり、BOOK BOBMER SEIGOWです。── 梅澤 奈央
⦿【47[破]師範代エディション】稽古にはエロティックなパサージュを? 学衆が読みたい千夜10選
オレサマに1本に絞れだと? 生意気な。イシスのジャイアンさまが選ぶのはこの2本だ! という前フリは冗談ですので念のため。
「注意のカーソル」の当て方次第で何でも事件になる、とは遊刊エディストで学んだことですが、中でもハッとしてグーなのがこの2本。
ウメコ番記者がカーソルを当てたのは「47[破]師範代が開講に際して、教室や勧学会にどんな千夜を持ち込んだのか」。
この切り口ひとつで、教室の日常を事件化しています。「編集かあさん」のテーマは長男くんの「なんでもスコア化」。
彼の手にかかればオセロゲームの推移もスコアに! 守の「わける」稽古に繋がる視点です。どちらも、注意(attention)の力に目を見張りました。── 角山 祥道
─ イシスの今をPick!
永久保存版のお宝記事だ。多読ジムスペシャル「大澤真幸を読む」のオープニングセッションでは著者・大澤真幸自らが1時間以上に渡って、『世界史の哲学』をいかに読むかという視座とライフワークともいえる大著を手がけるに至った二つの動機が明かされた。動機の一つは日本の人文知の土壌の目を覆わんばかりの衰退への憂い、もう一つは登校拒否だった高校時代の恩師である世界史の先生への40年越しの応答。受講者である読衆の熱意が大澤にここまで語らせた。歴史的一日の記録でもある。── 吉村 堅樹
みなさんのオシは、見つかりましたか?
以上、2021年10月の記事から、編集部イチオシ記事を厳選してお届けしました。
また次回もどうぞお楽しみに~
エディスト編集部
編集的先達:松岡正剛
「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。
イシス編集学校で予定されている毎月の活動をご案内する短信「イシスDO-SAY(ドウ-セイ)」。 梅雨があけた地域も出てきました、いよいよ日本列島に夏到来ですね!イシス編集学校でも熱い夏が始まります。7月のス […]
編集部が選ぶ2025年5月に公開した注目のイチオシ記事9選+α
公開されるエディスト記事は、毎月30本以上!エディスト編集部メンバー&ゲスト選者たちが厳選した、注目の”推しキジ” をお届けしています。見逃した方はぜひこちらの記事でキャッチアップを。 今回は、2025年5月に公開さ […]
田中優子の酒上夕書斎|第二夕『S/Z バルザック『サラジーヌ』の構造分析』ロラン・バルト(2025年6月24日)
学長 田中優子が一冊の本をナビゲートするYouTube LIVE番組「酒上夕書斎(さけのうえのゆうしょさい」。書物に囲まれた空間で、毎月月末火曜日の夕方に、大好きなワインを片手に自身の読書遍歴を交えながら語 […]
イシス編集学校のアドバイザリー・ボード「ISIS co-mission」(イシス・コミッション)に名を連ねる9名のコミッション・メンバーたちが、いつどこで何をするのか、編集的活動、耳寄りニュースなど、予定されている動静を […]
田中優子の酒上夕書斎|第一夕『普賢』石川淳(2025年5月27日)
学長 田中優子が一冊の本をナビゲートするYouTube LIVE番組「酒上夕書斎(さけのうえのゆうしょさい」。書物に囲まれた空間で、毎月月末火曜日の夕方に、大好きなワインを片手に自身の読書遍歴を交えながら語 […]
コメント
1~3件/3件
2025-07-01
発声の先達、赤ん坊や虫や鳥に憑依してボイトレしたくなりました。
写真は、お尻フリフリしながら演奏する全身楽器のミンミンゼミ。思いがけず季節に先を越されたセミの幼虫たちも、そろそろ地表に出てくる頃ですね。
2025-06-30
エディストの検索窓に「イモムシ」と打ってみたら、サムネイルにイモムシが登場しているこちらの記事に行き当たりました。
家庭菜園の野菜に引き寄せられてやって来る「マレビト」害虫たちとの攻防を、確かな観察眼で描いておられます。
せっかくなので登場しているイモムシたちの素性をご紹介しますと、アイキャッチ画像のサトイモにとまる「夜行列車」はセスジスズメ(スズメガ科)中齢幼虫、「少し枯れたナガイモの葉にそっくり」なのは、きっと、キイロスズメ(同科)の褐色型終齢幼虫です。
添付写真は、文中で目の敵にされているヨトウムシ(種名ヨトウガ(ヤガ科)の幼虫の俗称)ですが、エンドウ、ネギどころか、有毒のクンシラン(キョウチクトウ科)の分厚い葉をもりもり食べていて驚きました。なんと逞しいことでしょう。そして・・・ 何と可愛らしいことでしょう!
イモムシでもゴキブリでもヌスビトハギでもパンにはえた青カビでも何でもいいのですが、ヴィランなものたちのどれかに、一度、スマホレンズを向けてみてください。「この癪に触る生き物をなるべく魅力的に撮ってやろう」と企みながら。すると、不思議なことに、たちまち心の軸が傾き始めて、スキもキライも混沌としてしまいますよ。
エディスト・アーカイブは、未知のお宝が無限に眠る別銀河。ワードさばきひとつでお宝候補をプレゼンしてくれる検索窓は、エディスト界の「どこでもドア」的存在ですね。
2025-06-28
ものづくりにからめて、最近刊行されたマンガ作品を一つご紹介。
山本棗『透鏡の先、きみが笑った』(秋田書店)
この作品の中で語られるのは眼鏡職人と音楽家。ともに制作(ボイエーシス)にかかわる人々だ。制作には技術(テクネ―)が伴う。それは自分との対話であると同時に、外部との対話でもある。
お客様はわがままだ。どんな矢が飛んでくるかわからない。ほんの小さな一言が大きな打撃になることもある。
深く傷ついた人の心を結果的に救ったのは、同じく技術に裏打ちされた信念を持つ者のみが発せられる言葉だった。たとえ分野は違えども、テクネ―に信を置く者だけが通じ合える世界があるのだ。