歴史はいつも編集され続ける。
日本史では、鎌倉幕府の樹立は、1192年から、1185年に、日本最古の貨幣は和同開珎から、富本銭に改められた。
猿と人と間の猿人はピテカントロプスと名付けられたが、最近では、ホモ・エレクトゥスと分類された。
イシス編集学校は、2000年、編集の実験サイト〈編集の国ISIS〉から始まった。今では、当たり前のようにある編集稽古のお題は、創世記の先達が練り上げてきたもの。編集の国と編集学校を跨いだ先達は、自らピテカントロプスを自称する。
今期、イシス編集学校の始まりを担った師範代たち<ピテカン>が、初めて[守]に入門した。自分で作ったお題に自分で回答する。そんな23年目の縫い返しに八田律師が迫った。
宮之原立久さん(51[守]カタルトシメス教室)
[守]開講時のロール名は教頭。22時に校長のディレクションがあり、それから夜明けまで編集稽古のお題を自転車操業で作っていた。
「お題を見た時に、懐かしいが新鮮な気持ちになった。自分で作ったお題に自分で回答するのだから、クオリティの高いものを提出しなければとプレッシャーが常にあった(笑)。回答の後は、師範代の指南が待ち遠しい、何が返ってくるかワクワクしていた。」
川崎隆章さん(51[守]光合成センタイ派教室)
2期[守・破]直立猿人教室 師範代。[破]の発想飛び道具を考案。
「イシス編集学校のお題には、はじめから「遊び」が含まれていた。真面目にお題を作ることだけを考えていたわけではない。師範代になった当時は、お題のCD-ROMが配布されていたが、自分には届かず、守破の全てのお題を写経するように手打ちをしていた。しかし、そのおかげで、当時と今のお題の違いがわかり進化を感じた。大収穫だった。」
山田 仁さん(51[守]森のシナプス教室)
1期[守・破]メソッド・ファンド教室 師範代。
千夜千冊の原著を1夜~1000夜のうち95%まで読破。
「イシス編集学校ができた時に双子が産まれて、10歳、15歳、20歳の時にお祝いで駆けつけ、写真付きで『インタースコア』に掲載されています。師範代のときに作った得番録が今でも受け継がれていて嬉しい。汁講を初めて企画したが、開催は他の教室が先となった。企画は自分の教室が先です。」
仁科玲子さん(51[守]シビルきびる教室)
1期[守・破]白いバイエル教室 師範代
「自分が師範代のときには、大きなmacの前に座って行ったが、今や、スマホでできる手のひらの学校になった。通勤の中でスマホで回答を書いたり、PCを使ったり。でも、鉛筆で描くこともやっぱり大事だと思う。こんなお題あったけ?と思いながらも取り組み、師範代の励ましがありがたかった。指南はまるで恋文のようでした。」
瞳を輝かせ、回答、指南の応答問感返の醍醐味を語る、ピテカントロプスたち。
先人の活躍は、『インタースコア』に詳しい。
イシス編集学校のクロニクルに、また新しい一行が加えられた。
北條玲子
編集的先達:池澤祐子師範。没頭こそが生きがい。没入こそが本懐。書道、ヨガを経て、タンゴを愛する情熱の師範代。柔らかくて動じない受容力の編集ファンタジスタでもある。レコードプレイヤーを購入し、SP盤沼にダイブ中。
散る花を 惜しむ心や とどまりてまた来ん春の 種になるべき(西行) 春にもかかわらず、夏日や冬並みの寒さが交互にやってきたり、四季の感覚がすっかりおかしくなってしまったが、散る桜を惜しむように […]
柳田國男は『海上の道』で、海から来たものについて論じた。遠い昔、海流に乗って日本へとたどり着いたものたちがいたのだ。 第83回感門之盟のテーマは「エディット・タイド」EDIT・TIDE(海流)は回文になって […]
ショートショートの動画が流行り、「いいね」一つで関係が完了する時代。しかし、一方的に受け取るだけでは物足りない。イシス編集学校は、発信者も受信者も互いを編集する。 講座の節目となる、83回目の感門之盟は、初 […]
本との偶然の出会いから、意識すらしていなかった思考が形になることがある。 言語化できなかったもどかしさがページの中に現れる事もあり、予期せぬアケとフセに未知への扉が開くこともある。出版をめぐる状況は相変わらず厳しいが、人 […]
『言葉の本質』(今井 むつみ 、 秋田 喜美 中公新書)がベストセラーになっている。オノマトペを手がかりに、アブダクションにより、言葉と身体の関係、本質に迫っている。chatGPTが予想を超えた勢いで広がる世の中で、言葉 […]