『性別が、ない!』新井祥
LGBTQなどという言葉が世間を席巻するはるか以前、このマンガによって蒙を啓かれた人も多いのでは?第一巻が刊行されたのが2005年のことで、この種のテーマを扱った作品としてはかなり早かった。基本的に権利主張などのトーンはほぼなく、セクシャルマイノリティーの日常を面白おかしく綴っている。それでいて深く考えさせられる名著。
師範代開始が迫っている私に、「2日に1題、8-10名の学衆さんに指南!」という檄(げき=ふれぶみ)が入ってきました。決して脅しでも励ましでもなく、これは「守」の師範代の「現実」です。
イシス編集学校はこの極めて高い集中を要する指南を中心にまわっていますが、それだけではありません。たとえば「感門之盟」は昨年までとは異なる方法で実施することになっています。その準備も活気を帯びています。さらにイシスのことを外に知らせていくための、さまざまな方法が実施されていて、「遊刊エディスト」はその筆頭です。連載、各種賞の発表、新しく始まった「多読アレゴリア」の紹介、そして『情報の歴史21』を遊ぶ方法など、盛りだくさんです。
アドヴァイザリー・ボードである、イシス・コミッションメンバーのディスカッションもすでに予定されています。座談会や対談や本の執筆など、学長である私のお仕事も、山盛りです。
そして何より、今年度の「守」の開始が迫っています。その緊迫感を嫌が上でも高めてくれているのが、師範代予定メンバーたちの自主的トレーニングです。毎日、模擬回答と模擬指南の大量メールが飛び交っています。中学や高校の教育実習は、これほど活気を帯びてはいませんよ。
ちなみに皆さんそれぞれ、お仕事を持っておられます。それがイシス編集学校の特徴で、師範も師範代もコミッション・メンバーも、編工研のAIDAボードも、多読アレゴリアの主催者たちも、収入を得るための仕事ではないのです。ではなぜ、そういう場に活気が生まれるのでしょう?
たとえて言えば、江戸の火消しは「仕事」ではありませんでしたが、歌舞伎に取り入れられるぐらい知られていて、人気があり、自ら望んでなるものでした。その理由は恐らく「活気」です。時間との競争による緊張感、他者のために尽力する心意気、活動によって生まれる連帯感です。寺子屋の教師も、生活のための仕事ではありませんでした。ほとんどの人は生活基盤となる仕事をもっていて、それ以外の時間を使って、子供達に読み書きと算術と、時には礼儀作法まで教えていました。寺子屋は子供達が学ぶ場であると同時にともだちと遊ぶ場でした。寺子屋の絵を見ていると、こちらまで楽しくなります。教師(師範)たちも同様だったと思います。
なぜこのような活動が活気を帯びるのか? これは今後の社会を考えるにあたって、研究に値します。
イシス編集学校
学長 田中優子
田中優子の学長通信
No.03 イシス編集学校の活気(2025/03/01)
No.02 花伝敢談儀と新たな出発(2025/02/01)
No.01 新年のご挨拶(2025/01/01)
アイキャッチデザイン:穂積晴明
写真:後藤由加里
田中優子
イシス編集学校学長
法政大学社会学部教授、学部長、法政大学総長を歴任。『江戸の想像力』(ちくま文庫)、『江戸百夢』(朝日新聞社、ちくま文庫)、松岡正剛との共著『日本問答』『江戸問答』など著書多数。2024年秋『昭和問答』が刊行予定。松岡正剛と35年来の交流があり、自らイシス編集学校の[守][破][離][ISIS花伝所]を修了。 [AIDA]ボードメンバー。2024年からISIS co-missionに就任。
2026年が明けました。そして、学長通信が2年目に入りました。この新年はおめでたいのか、どうなのか、という微妙に戦雲が垂れ込める新年です。 12月に鈴木健さんと対談して、本当に良かった、と思います。この、エディテ […]
先月は『不確かな時代の「編集稽古」入門』の刊行予告をしました。無事刊行されました。刊行後にもっと詳しく書く、と約束したのですが、その前にぜひ書いておきたい出来事が起こってしまったので、今月はそちらです。 […]
【田中優子の学長通信】No.12 『不確かな時代の「編集稽古」入門』予告
この表題は、もうじき刊行される本の題名です。この本には、25名もの「もと学衆さん」や師範代経験者たちが登場します。それだけの人たちに協力していただいてできた本です。もちろん、イシス編集学校のスタッフたちにも読んでもらい […]
今年の8月2日、調布の桐朋小学校の校舎で「全国作文教育研究大会」のための講演をおこないました。イシス編集学校のパンフレットも配布し、当日はスタッフも来てくれました。 演題は「書くこと読むことの自由を妨げ […]
[守][破][離][花伝所]を終え、その間に[風韻講座]や[多読ジム]や[物語講座]を経験しながら、この春夏はついに、師範代になりました。 指南とは何か、指導や教育や添削とどこが違うかは、[花伝所]で身 […]
コメント
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2026-01-22
『性別が、ない!』新井祥
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2026-01-20
蛹の胸部にせっかくしつらえられた翅の「抜き型」を邪険にして、リボンのような小さな翅で生まれてくるクロスジフユエダシャクのメス。飛べない翅の内側には、きっと、思いもよらない「無用の用」が伏せられている。
2026-01-13
自らの体内から這い出したコマユバチの幼虫たちが作った繭の塊を抱きしめるシャクトリムシ。科学者は「ゾンビ化されて繭を守るよう操作されている」と解釈するけれど、これこそ「稜威」の極北の姿ではないだろうか。