シリーズ化が決定しました!
倶楽部撮家でもおなじみの写真家・後藤由加里がイシス編集学校に関わる人たちをモデルにして撮影をしていく企画です。後藤はライフワークとして、松岡正剛を撮影し続けていますが、並行して昨年より新しいモデルを発掘していくことをスタートさせました。第一弾では、遊刊エディスト副編集長の金宗代の瞬発力ある身体表現を撮りましたが、第二弾は花伝所の錬成師範を務め、ドローン系の会社にも勤務する、高本沙耶をモデルに起用しました。感門之盟で登壇する高本のスラリとした立ち姿に見惚れて、次はこの人と密かにあたためていたようです。
撮影は2024年3月某日、代々木のフォトスタジオで行われた。撮影で大事なのは、互いの呼吸を合わせること、信頼関係を結ぶこと。スタジオに入る前、近くのカフェでざっくばらんに編集学校のこと、家族のこと、互いのバックグラウンドについて交わし合い距離を縮めていった。それでも、いざスタジオに入ると高本は「モデルなんて、ほんまに初めてなんですよ。どうしよう、めっちゃ恥ずかしい」と漏らした。高本の緊張をよそに後藤は淡々と準備を進めていった。スタジオは撮影のモードだけが充満していく。
ここからは、高本のポートレートショットを記録と合わせてご覧いただきたい。
白ホリの前の椅子に腰かけるドレスを纏った高本。後藤のオーダーはあえて笑顔を封印すること。高本の表情から笑顔が消え、緊張感と共にクールさが際立っていく。ポーズを変えることも、すんなりとやってのける高本、得意を封印することが新しい編集を起動させることもあるのだ。
シーンごとに写真をチェックしながら、感想を交わし合う二人。お気に入りのTシャツ「虚実の皮膜」を着た写真を見て思わず笑顔がこぼれる高本。虚実皮膜は花伝所時代に学んだ方法日本のキーワードであり、松尾芭蕉の「虚に居て実を行ふべし」に通じている。撮影もまた虚に遊ぶようなものである。
▼後藤による、この日のベストショット。
あっという間に撮影は終了。高本は高揚しながら、「後藤さんが集中して撮影している姿を見ていたら、もう恥ずかしいなんて言ってられないと思って、集中できました」と語った。
その日のうちに後藤から写真が送られ、「いやあ、別人ですね」と高本は驚いた。どんな「わたし」が潜んでいるのか、本人も知らなかった「たくさんの私」が開いていく、マジカルな体験が撮影には起きるのだ。
写真 後藤由加里
文・記録写真 林朝恵
【関連記事】
金宗代モデルデビューという狂風
後藤由加里と巡るAPAアワード初日レポート
後藤由加里が撮った松岡正剛ポートレートが入選!
取扱注意!松岡正剛×Yohji Yamamoto フォトセッション 10shot
林朝恵
編集的先達:ウディ・アレン。「あいだ」と「らしさ」の相互編集の達人、くすぐりポイントを見つけるとニヤリと笑う。NYへ映画留学後、千人の外国人講師の人事に。花伝所の運営、倶楽部撮家で撮影・編集とマルチロールで進行中。
本楼にある黒いソファを移動して、その脇に求龍堂の『千夜千冊』と角川の『千夜千冊エディション』を並べて松岡さんを迎えた。2度目の肺癌で入院する直前の2021年4月初旬、急遽、オンランイベント「千夜千冊の秘密」で語り切れなか […]
ミームとは一体なんだろうか。 編集学校でよく登場するこの言葉を松岡正剛校長は「意伝子」と訳しているが、何がどう伝承されているのかは漠然としている。 「お題ー回答ー指南」というテキストベースの編集稽古をしている中で一体なに […]
【花伝所プレゼンツ・エディットツアー】8/31(土)師範代の編集術でコミュニケーションがかわる
言葉は通じるためにありますが、必ずしも通じるとは限りません。 コミュニケーションは「通じる」「通じない」の覚束なさの中で生まれます。両面性があるからこそ、言葉を選ぶ力、たくみに連ねる方法を学ぶことが求められ […]
きたきたー!波さわぐ、ゴジラも驚く「第83回感門之盟」Day-1がスタートしました。 松岡正剛校長は「編集学校は船に乗ること、誰かを船に乗せること」と冒頭の挨拶で語ってましたが、それって、この大海原を我々が共に渡る方法が […]
【花伝所スペシャルEdit Tourレポート】師範代モデルで「カワル」を体験!
花伝所の秘伝で何がカワル? 3/3(日)雛祭りの日、日差しが降り注ぐ午後、18名の参加者がオンライン・エディットツアーに集った。入門前の初心者から[守・破]を修了した学衆(受講生)まで相互に混ざりながら、編集ワークやレク […]