遊刊エディストの新春放談2024、其の伍をお届けします。最終日の今日は、エディスト編集部メンバーたちが、登り龍な2024年にするべく予定・予兆・予測を交わしあいます。
◎遊刊エディスト編集部◎
吉村堅樹 林頭, 金宗代 代将, 川野貴志 師範, 後藤由加里 師範, 梅澤奈央 師範、上杉公志 師範代,穂積晴明 方源, 松原朋子 師範代,
上杉 編集部たっての希望により、今年はゲストとして学林局の中納明子さんにも参加していただいています。
吉村 編集会議を朝に実施するようになったので、“Edist Night” ではなく “Edist Morning” になったのが2023年。学林局デスクチームの中納さんに加わってもらえるようになりました。
マツコ 2023年の功労者ですね。
金 2023年、見ていてどうでしたか?
中納 2023年は、エディスト編集部のみなさんとお仕事をご一緒させていただいて、刺激的で学びの多い 1 年でした。みなさんのエディストに対する熱い思いも伝わってきましたね。
私の普段の業務は事務作業的なやりとりがほとんどなんですね。それがエディスト周りでは、推しメンの方々とのスケジュール調整から始まり、記事の感想をおうかがいしたり、アイキャッチの写真を相談しながら一緒に選定させていただいたりだとか。そのようなやりとりをしているうちに、これまでお名前しか知らなかったはずの方と、近況報告をするようになったりもして。本楼にいらした際には、実際お会いするのは初めてなのに、すごくお話が盛り上がったりもしました。なかなかできない経験ですよね。
マツコ そういう楽しみは、すごく編集学校的ですよね。
吉村 ちなみにエディストは、かなりアクセス数があがっているんですよね。
中納 とても嬉しいニュースですよね。ウメ子さんのメルマガも人気ですよ。私も一読者としてひそかに毎週楽しみにしているんですが(笑)
ウメ子 えーうれしい〜!
中納 メルマガ配信後ウメ子さんが紹介くださったイベントに、すぐお申し込みがに入ったりすると、とてもうれしいですし、そういった読者の方の反応がダイレクトに見えるので、毎回配信するのがとても楽しみです。ウメ子さんが『罪と罰を読まない』を紹介されていて、それを見て思わず本をポチったり、見聞も広がっています。
ウメ子 ありがたいですねえ。そうそう「ウメ子のメルマガ、どこで読めるんですか」とよく聞かれるのですが、登録方法はこちらの記事で。私は中納さんとメールのやりとりすることもありますが、いつも受容に満ちた対応してくださってほっこりします。
吉村 2024年は後藤さんとコンビを組んで、情報の歴史を展開する活動をしたり、マネジメント・サポートをしてくださる予定です。2024年こんなことをやってみたいということはありますか?
中納 後藤さんは熱いパッションとリーダーシップをお持ちの方なので、どんなことを一緒にしていけるかなあと、楽しみに考えています。それとこれからは、もうちょっと自分を出していきたいなと。金さんや高本沙耶さんの「E.D.」記事を見て、私も、ウンコの話ぐらいできないとこのチームにいれないな、と(笑)
吉村 お、いいですねぇ。中納さんの新しい一面が見えるかもしれませんね。エディストの記事では、DUSTももっと増やしていきたいですよね。
中納 新しく始まった遊姿綴箋のコラムもおもしろいですよね。未入門の方でも楽しく読んでいただける気がします。こういう新しい企画を通して、また今までとは違った層の方にも編集学校に興味を持ってもらえるといいですよね。個人的な希望は、ウメ子さんのメルマガのファンなので、ウメ子の日常を綴るエッセイだったりが、いつか読めると嬉しいですね。あ、もちろん「E.D.」も引き続き楽しみにしています(笑)
金 頑張ります。広報チームから「E.D.」の感想が一切聞こえてこなかったので誰も読んでいないんだろうなと思っていました。でも考えてみると、千夜千冊を書いている松岡校長も同じような気持ちでいるんだろうな。なんでもいいから、やっぱり伝えないといけないですね。
後藤 いつも的確なお仕事っぷりの中納さんがいてくださってすごく安心しています。情歴で一緒に動けるのが楽しみです。楽しみといえば、オツ千のアイキャッチデザインもいつも楽しみにしてます。穂積さんをお呼びしましょうか。
吉村 今日は、穂積は色眼鏡だね。しばらく色付きの男になるわけ?
穂積 どうも、色眼鏡穂積です(笑)
吉村 若き日の松岡校長みたいですけれども。知の編集工学ポーズして、写真を撮っておいてほしいな。
マツコ 眼鏡といえば、吉村さんの眼鏡が新春リニューアルですか?
吉村 はい。サングラスにもなる眼鏡です。
穂積 じゃあ、2024年、二人で色眼鏡コンビになりましょう。
吉村 今年は、いよいよ方源堂が立ち上がるだろうか。
穂積 松岡校長に方源という名前をいただいてから、明確に方源としてロールを動かせていなかったんですが、それには場所がいるなと。なら「方源堂」という店を作ってしまえというのが方源堂の発端でした。
吉村 方源堂はモノをデザインしたり作ったりして、オンライン・ショップを皆さんとつくっていく構想です。 方法の源なグッズを取り扱っていきたい。出先機関ではないけど、外との接点の場にしたいと考えています。
穂積 とりあえずは、日用品をISIS化していくことが目標ではありますが、方源堂を媒介にして、他のところとおつきあいしたり、コラボしたりできていったら広がるでしょうね。いずれISISに入門していないアーティストやメーカーとのプラットフォームになっていくといいな。
吉村 方源堂は見立てると何だろう。お店でもいいけれども、どういうものだといいだろうね。江戸時代でいえば、蔦屋重三郎の耕書堂かな。それと、方源堂は、お題を出したいと考えています。
穂積 他の人と一緒にやるときには、この人だから、というものをぜひお題にしていきたいですね。
後藤 穂積さんからアウトプットされる新しいものは興味があってみてみたいです。形をもつものをどうデザインするのかが見てみたい。後は、モノを媒介にして、どういう人が関わってくださるのかは、今までなかった試みなので、どういう方たちとつながれるのでしょうね!
吉村 松岡校長は田中泯さんに以前、イシス編集学校や編集工学研究所は編集的なものを売ったほうがいいと言われたらしく、この方源堂がそのイメージに近いと思うんですよね。私は、エディストの立ち上げ時からウェブ上にいくつも店をパサージュのように出したいと思っていたんですが。いよいよですね。
後藤 穂積さんにひとつリクエストは、オツ千のジャケットがいつも楽しみでインスタのストーリーズにもアップしているんですが、デザインについて語られていないので、ステートメントをまとめて読んでみたいです。
穂積 ちょうど個人的にはリテラルを鍛えたいと思っていたんです。オツ千ジャケットをつくったら短くても書く、ということに挑戦しようかな。方法的にとらえなおす機会が、言葉にしないとなくなってしまうので、そこはどこかで保存したかった。
💡方源・穂積がリテラルに挑戦したこの記事をPick!!
【オツ千vol.55 外伝】ムナーリでペアーノなデザイン探訪
吉村 2024年のオツ千は、最後に少しだけでも『情報の歴史21』について語るコーナーを入れていこうと考えています。はるにゃこと山本春奈や仁禮、尾島さんたちがやっている「ほんのれんラジオ」のほうにも、情歴で語るコーナーをつくるリクエストをしているんです。情歴YouTubeチャンネルをつくる予定なので、もうちょっと充実させていきたいね。
後藤 オツ千がらみでリクエストですが、大河ドラマで紫式部が始まるので、源氏物語特集のオツ千をしたらいいんじゃないかな。お願いします!
上杉 2024年、編集学校で何かビッグ・ニュースは?
吉村 2024年、「ISIS co-mission」(イシス・コミッション)を立ち上げます。イシス編集学校を支えてくれるすごいメンバーに声をかけました。これは1月か2月にはニュースとしてお伝えできると思うので、楽しみにしておいていただきたい。それと、「情歴を読む」のイベントは、もっとコンスタントに活動を進める予定です。
吉村 ところで、みんなはイシス編集学校を見立てると、何だと思う? 今後、どんな編集学校にしていきたいかを見立てると?
一同 うーん(考え込む)
吉村 例えば、イシス編集学校はNSC吉本のようなものだとすると、M1グランプリがあればもっと爆発するんじゃないかとか、考えられますよね。派生して、キングオブコントとか、バラエティ番組とかが生まれるかもしれない。進撃の巨人を見立てにすると、9つの巨人のようにスターがいるかもしれない。象徴的なスターが出てくると感染力があがるとか。こんなふうに、どういう見立てを駆動すると、活動がどうなるのかを、最近考えているんです。皆さんにも考えてみてほしいですね。
先日は落合陽一さんがAIDAのゲスト講師でいらっしゃいましたが、生成AIにプロンプトを打ち込みながら講義されてましたね。生成AIをどう編集工学と接続していくのか、というテーマについても、2024年が重要な年になると思います。
金 じゃあ、この辺で、恒例、編集部の2024年の野望にいきますか?
後藤 では私から。情歴プロジェクトに新しく関わっていくので、もっと企画から携わってみたいと思っています。情歴を読むイベント、広報、システム構築なども含まれますね。情歴は毎年更新ができますので、生ものという感じがしています。エディストと情歴をどう重ねられるかも考えたいです。
吉村 「情歴を読む」の書籍化も動いていきたい。情歴ひとつとっても、やることがいっぱいありますね。
後藤 あとは、インスタ。リール動画(ショートクリップ)機能を活かして、編集や本に関する動画は引き続き展開していきたいです。インスタからいろいろな方にイシスの顔として、スターとして出演してもらいたいと思っています。
イシス編集学校インスタグラム フォローはこちらから
吉村 後藤さんは自発的にプロデュース力やマネジメント力を発揮してくれているので大活躍ですね。もっと編集学校の内外から、自律的な活動が生まれてくるといいですね、そのほうが、自分自身も面白くなるはずです。
後藤 あのう、、、まだあって。後は個人的には写真のほうがスランプになっていて…。去年いろんな写真展をみてきて、やっぱりポートレートを撮りたい。2024年はイベントの写真だけではなく、ISISの人たちをポートレートとして撮っていけたら面白いものができるんじゃないかなと。そういえば、去年は金さんを撮影した写真に対する反響をいろんな方からいただいて。今年はもっとシンプルに撮りながら、その人の人となりを映し出せるような写真に挑んでみたいと思っています。
吉村 編集学校の写真といえば、やっぱり感門などのイベント写真になっちゃう。それ以外のことも見たいし、映像やドキュメントの可能性もありますよね。後藤さんには写真でどういうことが映せるのか、ぜひ実験してもらいたいと思います。
後藤 上杉さんはインスタにも動画で登場してもらいましたが、撮りやすい。撮られ慣れていると思いました。エディスティックSAYAバンドも撮りたいです。
上杉 2024年は、2023年に生まれたJUSTライターの動きを、もっと多様にしたい。この可能性を広げたいと思います。JUSTライター立ち上げにあたり、個人的な最初の目標が、自分が不在になってもJUST記事がつづくことでした。こそはクリアできたかと思っています。吉村さんが、「Edistは糠床だ」とおっしゃいましたが、JUSTライターのラウンジもそうなってきていると思います。記事を書いていない、書けない時期にいる方も、フラッとラウンジに来てコメントを残してくださるこうしたコメントは明示的にはでませんが、色々な関わり方ができる場ということがとても大切で。それは参加の頻度が高いほうが嬉しいですが、JUSTライターの参加の仕方が多様になっていることが大切だとかんがえています。いろんな形でいろんな方が関わりつづけらける場として、ゆっくりと深まっていくといいと感じています。JUSTライターはであいの場でもあります。イベント取材だけでなく、JUSTライターというロールをきっかけに、一人ひとりがもつエディティング・キャラクターを発揮できる機会をもっと形にしていきたいですね。
ウメ子 JUSTライターさんが集うラウンジってすごく居心地がよいのですよね。上杉さんがていねいに糠床をかき混ぜているのはもちろん、JUSTライターさん一人ひとりが師範代然としているといいますか。やっぱりイシスに集う人たちはすごいなってラウンジ見てても思います。
吉村 昨年は12月3日に、編工研とコラボしてみたいという方々と集う会EDEXをやりました。EDEXから直接声がけスカウトというようなことや、ネットワークを広げることもあるといい。
金 ISISの強みは人の力ですね。
吉村 それと場と、あとはお題があれば、動いていく。 そのあたりを、次は上杉くんが考えていくといいね。JUSTチームやヤドカリ軍団など、うまく苗代からチームを作ってくれているので。
上杉 関わる方がワクワクするようなユニークなお題を、今年は形にしていけたらいいなと思います。
マツコ お題型ということでは、2023年12月から、「遊姿綴箋」というリレーコラムが始まりました。お題といっても、毎月のテーマだけが決まっていて、あとはコラムニストの皆さんの特徴を生かして自由に書き下ろしていただいています。こんなふうに、イシスに集まる人々のらしさが突出して、魅力が抑えてもにじみ出るメディアに、さらに育っていくといいですね。
マツコ マツコは、編集工学研究所関連メディアの中で、エディストがかなり可能性の高いメディアだとみています。カジュアルにもDUSTにも真面目にも書ける。情報の内容を選ばずにも載せられる。誰でもいろいろな形で参加できる。ただ1点、編集的であることさえ満たせば、なにをも誰をも載せて飛びたてるメディアです。今年は林頭がおっしゃった、有識者の方々が編集学校のサポーターとして参加する「ISIS co-mission 」のスキームができるとのこと。こうした外側にいてくださる応援団の皆さんの活動も含めて、拡張したエディストになって、社会にしみだしていくことを目指したい2024年ですねー。
金 2024年は年始早々から多読ジムスペシャルの鴻巣友季子篇がスタートしますね。多読スペシャルはいまやテッパンコースとなりつつあり、今後もいろいろなゲストとコラボしながらどんどん面白くなっていくことを期待しています。
実はおおもとの多読ジム自体も今後、大きくアップグレードすることを目指しています。そのカギとなるのが、キャラクターだと思っています。エディティング・キャラクターですね。
エディストでも、これまでシーザーやマンガのスコア、編集かあさん、おしゃべり病理医、角山ジャイアン、ウメちゃん、福井さんというふうに、令和ロマンやヤーレンズのようにして、次々と編集スターが現れてきましたよね。こうやってどんどんニュースターが出てくることは大変歓迎したいし、スターに輝いた後も皆さんにはガンガン活躍してほしいです。そのためには、個性的なキャラクターたちが活躍できる場を用意する必要がありますよね。それが僕の一つの役割なのかなとなんとなく思っています。勘違いされている方も多いと思うので一応言っておきますが、「E.D.」も高本沙耶をスターにしたいと思ってやっているわけです(笑)。その時に大事なことは、大澤真幸さんが新版の『知の編集工学』の解説にも書いている通り、「閉じながらにして開く」という状態をいかに作れるか、この矛盾を怖れずに立ち向かえるか、そういうことなのかなと思っています。
ウメ子 金さんもマツコさんもおっしゃるようにいろんなキャラクターにスポットライトをあてたいですよね。編集学校の教室って、いろんな人に出会えるわけじゃないですか。教室を出たところにあるエディストでは、もっともっともっとたくさんの人が集っているわけです。ふつうのメディアだったら、「あの書き手、すごいなー会いたいなー」と思っても直接コンタクトとるのはハードルが高い。でもエディストなら。たぶん「会いたいです」って口に出せば、すぐ誰かが引き合わせてくれるはず。私もエディストがきっかけで、おしゃべり病理医が勤める順天堂大学まで行きましたもん(笑)。書き手としてエディストに関わるのもいいし、読み手として「この人の方法を盗みたい!」と憧れの先達を見つけるのも稽古になると思います。イシスでの編集稽古をお休みしている人でも、日常的に編集稽古を意識してもらえるようなメディアになるといいな。
吉村 2024年はイシスにとっても勝負の年、天下分け目の一年、大きな画期になりそうです。「ISIS co-mission」 の立ち上げを始め、「情報の歴史プロジェクト」の本格再始動、縁側プラットフォームとしての「方源堂」、書籍計画の連打、さらに講座もよくよく練られた逸脱とユニークネスに舵を切るでしょう。遊刊エディストも過激に過剰に攻めていきます。
エディストも 5周年ということで、夏にはこれまでのエディストを集大成して、「エディスト取れ高祭り」を開きたいですね。大漁旗の旗なんか掲げちゃったりして。
2024年、一気呵成の流れで怒涛の龍年にしていきましょう。編集の時代へ、ぜひご一緒ください。よろしくお願いします!!!!!
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🎍2024年 新春放談🎍
其の壱 – 登り龍のごとく「E」が時代を翻す(1月1日 0時公開)(現在の記事)
其の弐 – 方法の意識で良記事を次々と生み出すヒト (1月2日 公開)
其の参 – ISISな祭りを復活させるレジェンドなラジオ男(1月3日 公開)
其の肆 – 町に、子どもに、大人に、編集の小さくて大きい種をまくヒト(1月4日公開)
其の伍 – 2024年龍の如く、野望に満ちたエディストであれ(1月5日公開)(現在の記事)
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エディスト編集部
編集的先達:松岡正剛
「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。
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