マンガに限った話ではないが、「バカ」をめでる文化というものがある。
猪突猛進型の「バカ」が暴走するマンガといえば、この作品。市川マサ「バカビリーバー」。とにかく、あまりにもバカすぎて爽快。
https://yanmaga.jp/comics/
台風と梅雨前線の猛襲で幕をあけた6月。ようやく雨脚が弱まったころ、世田谷豪徳寺ではイシス編集学校の前線ともいえる伝習座がはじまった。応用コース[破]の指導陣がイシスの本拠地・本楼に集い、方法の学びと継承の嵐が巻き起こる。
午後1時、第170回伝習座は校長松岡正剛の映像からスタートした。語りのテーマはずばり、「破」とはなにか。カジュアルなTシャツ姿でチョークを持つ校長は、黒板の中央に「破/break」という文字を置いた。
なにかがあってbreakが起こるのではない。そもそも宇宙は「自発的な対称性の破れ」から入っている。「ゆらぎ」そのものが秩序をつくり、地球をつくり、生命をつくり、社会をつくり、国家をつくり、コンプライアンスをつくり、家庭をつくってきたわけで、はじめにbreakがあった。まずはこれを重視してほしい。
宇宙137、8億年の歴史を溯れば、そもそもが破/breakだった。破こそが秩序や意味をつくってきたのである。では編集学校の応用コース[破]でなにが起こるのか。黒板には3つの「破」が書き加えられた。
喝破/find out ―型を使ってなにかを見出さねばならない。
打破/strike out ―壁を打ち破らねばならない。自分で壁をつくってでも打破することが必要。
走破/running out ―走り抜けなければならない。
喝破で見出し、打破で壁を破り、走破で走り抜ける。[破]のお題に取り組みながら、何度も喝破、打破、走破していくことが必要だ。ハイチャージの状態によって割れ目や裂け目ができ、ネットワークが生まれ、ネットワークこそが意味をなす。その網み目を「世界」と見なして要素・機能・属性を入れこみながら、途中のどこかで「モンスターを出してほしい」と校長はいう。
ひとことも聞き漏らすまいといった表情で画面を見つめる師範代たちに、さらに校長の言葉が突き刺さる。
つまり[破]はデモンストレーション、化けもの(monster)を外に(de)出してほしい。きみたちを見ていると、まだ化けものから遠い。やさしすぎる、簡単すぎる、いじり倒していない、見立てが足りない。これからの[破]では、もっと化けものを出してもらうことを期待している。
長年、松岡校長と仕事をしてきた月匠・木村久美子は「モンスター」のシソーラスに触れた。「変を恐れるな」「瀬戸を越えよ」「とことんやりなさい」「よくよく練られた逸脱へ向かえ」。いずれも校長によるモンスターの言いかえである。
モンスターという言葉だけにとらわれず、その奥にある意図をそれぞれが言いかえ、持ち出していってほしい。
つい先日、カンヌには是枝裕和監督の『怪物』があらわれ拍手喝采を浴びた。方法の豪雨を浴びたイシスの50[破]に、怪物はいつあらわれるのだろうか。
福井千裕
編集的先達:石牟礼道子。遠投クラス一で女子にも告白されたボーイッシュな少女は、ハーレーに跨り野鍛冶に熱中する一途で涙もろくアツい師範代に成長した。日夜、泥にまみれながら未就学児の発達支援とオーガニックカフェ調理のダブルワークと子育てに奔走中。モットーは、仕事ではなくて志事をする。
本楼に中3男子が現れた。テーブルにつくとかぶっていた黒いキャップを脇へ置き、きりっとした表情を見せる。隣に母親が座った。母は数年前にイシス編集学校の存在を知り、興味を持ちながらもイベント参加にはなかなか勇気が出なかった。 […]
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11/23(日)14~15時:ファン待望の「ほんのれんラジオ」公開生トークイベント開催!【別典祭】
本の市場、本の劇場、本の祭典、開幕! 豪徳寺・ISIS館本楼にて11月23日、24日、本の風が起こる<別典祭>(べってんさい)。 松岡正剛、曰く「本は歴史であって盗賊だ。本は友人で、宿敵で、恋人である。本は逆上にも共感に […]
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イシス唯一のリアル読書講座「輪読座」。「みんなで読めば怖くない」の精神でこれまで数々の難読古典に挑戦してきました。10月26日からの新コースは、江戸後期の町人にして驚くべき大著を残した異才・山片蟠桃(やまがた・ばんとう) […]
コメント
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2025-11-27
マンガに限った話ではないが、「バカ」をめでる文化というものがある。
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2025-11-25
道ばた咲く小さな花に歩み寄り、顔を近づけてじっくり観察すると、そこにはたいてい、もっと小さな命がきらめいている。この真っ赤な小粒ちゃんたちは、カベアナタカラダニ。花粉を食べて暮らす平和なヴィランです。
2025-11-18
自ら編み上げた携帯巣の中で暮らすツマグロフトメイガの幼虫。時おり顔を覗かせてはコナラの葉を齧る。共に学び合う同志もなく、拠り所となる編み図もなく、己の排泄物のみを材料にして小さな虫の一生を紡いでいく。