宮谷一彦といえば、超絶技巧の旗手として名を馳せた人だが、物語作家としては今ひとつ見くびられていたのではないか。
『とうきょう屠民エレジー』は、都会の片隅でひっそり生きている中年の悲哀を描き切り、とにかくシブイ。劇画の一つの到達点と言えるだろう。一読をおススメしたい(…ところだが、入手困難なのがちょっと残念)。

借り物禁止というルールが教室名フライヤーにはあります。フリー素材でも使用しない。だから自ら絵を描き、街に出て写真を撮り、中には家族を巻き込む師範代も。まさに編集稽古ビジュアル版。身につけた型をフル稼働させた結晶ともいえるのがフライヤーです。
53期[守]師範代の教室名フライヤー紹介は最終回の3回目。こん身のフライヤーとメッセージをご覧ください。
53期[守]開講は5月13日です。ビビっときたら画面下のリンクへ!
弱さって良くないこと? 強くなきゃいけないって本当かな? わからない、間違い、ちぐはぐ、恥ずしい、人に言えない好き、数え上げたらキリがない「弱さ」たち、歴史の深みには、こうしたフラジャイルの積み重ねがありました。この世の強いものは、実は借り物、肖りもの、弱さの編集の賜物なんです。ならば、思い切って「肖って」しまいましょう! 「あこがれる」は「あやかれる」。その「方法」がここにはあります。(石黒弘晃)
自分の弱さが聞こえたことはありませんか? それは雨の日の景色の様に一瞬の儚さかもしれません。でも、その自分の中の弱さや脆さに気づいた時、それが編集の始まりです。イシス編集学校では弱さを個性と考え、38個の型は、個性を輝かせます。教室でのやり取りはあなたの世界を変える“ラブレター”。ぜひ、たくさんのあなたの可能性を見つけにきてください。(山口奈那)
か弱い光でも、キューブを通せば彩が生まれる。誰もいない夜更けの街のどこかで声がする。伝習座での語りが印象的な二人でした。石黒師範代は仲間から贈られたCMYキューブを握りしめ、山口師範代の手には白紙のラブレターが。弱さは決して弱いままじゃない。始まりなのだ。
軽トラの荷台の高さは約60センチ。身長150センチの人でも荷台に立つと210センチの巨人。たった60センチでも見える景色はずいぶん変わる。イシス編集学校ではセカイの見方をかえる38の方法を学ぶ。「かわると、わかる」「わかると、かわる」。最初の「かわる」を「なんでも軽トラ教室」の荷台からはじめてみませんか。ゴトゴトゴトと荷台に乗って編集の道へ。(菅原誠一)
編集って何だろう? 本を作ること? イシス編集学校の「編集」って思ってたんと違うかも。と思っている方、本棚の写真があるとつい拡大して見てしまう方、どなたもどうぞ。自分という本に表紙をつけて、帯をまいて、そのまま置いておくのはもったいない! まだまだ増補・改訂できるはず。[守]で学ぶ38の型を使って自分も世界も見直してみよう。さぁ、世界に散らばる新しい1ページを探しに、のれんをくぐってみませんか。(織田遼子)
幼い頃は、出会う言葉の1つ1つが驚きだった。いつからでしょう。お決まりのフレーズばかりを迂闊に使い回すようになったのは。あの頃に戻ったように、言葉と遊んでみませんか。あっちこっちと見方を変えれば、見慣れた言葉にだって、違った意味が見えてきます。言葉と言葉の関係を動かし、私という辞書を生き生きとさせるのが、編集です。さあ、編集学校で言葉といっしょに斜めに遊び、世界をワクワクと沸らせましょう。(青井隼人)
トラックの荷台に乗ってみたり、のれんをくぐってみたりすると見晴らしが変わります。ちょっとのことなのにうんとね。ページを繰るたび、“わたし”という辞書がどきどきします。だって、その先にある世界がひらくからね。言葉と戯れて世界の見方がかわるイシス編集学校。みなさんは、どのフライヤーに、メッセージのどこにビビっときましたか? あなたと旅する15週間の編集稽古、53期[守]師範代一同ご一緒できることを心待ちしています。
合いの手:若林牧子(53[守]師範)
景山和浩(53[守]番匠)
アイキャッチ:阿久津健(53[守]師範)
★第53期[守]基本コース
稽古期間:2024年5月13日(月)~2024年8月25日(日)
申込はこちら
編集力チェックでもお待ちしてます
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コメント
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豊かさをもたらす贈りものの母型は、私欲を満たすための釣り餌に少し似ている。