この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

2024年に始まった多読アレゴリアは怒濤の冬シーズンを終え、芽吹きの春シーズンへ。
『多読アレゴリアTV』は松岡正剛から「支度天」の名を戴いたダンドリ仕掛け人武田英裕キャスターと共に、守師範の一倉広美がアシスタントをつとめます。
アレゴリアTV 2025春シーズン第3回目の放送は、イチオシクラブを紹介する「イチクラ!」
ここまでの放送を見逃した方はコチラ
第1回の放送 「怒濤の2024冬から芽吹きの2025春へ」
第2回の放送 「“たくさんのわたし”は“本”からできている!?」
こちらのコーナーでは、ご贔屓のクラブをアシスタントの一倉が、独断と偏見で紹介します!
▼第3回の放送「イチクラ・勝手にアカデミア」
武田 いよいよ、恒例の…コーナーですね。
一倉 【イチ】クラがオススメする【クラ】ブ、略して【イチクラ】のコーナーです。
武田 それ、ダジャレじゃないですか!今回はどのクラブが推しなんですか?
一倉 「勝手にアカデミア」です。
武田 勝手にシンドバットみたいですね。これはなんですか。
一倉 昭和21年に開校した「鎌倉アカデミア」から、その名を冠したクラブです。鎌倉アカデミアは、知る人ぞ知るすごい学び舎で、『読む力 – 現代の羅針盤となる150冊 著:松岡正剛・佐藤優』という書籍の中で、佐藤優さんが「重要な知的遺産」と評価されているんですよ。残念ながら資金難などの理由で、わずか44年半で閉じられてしまったんですがここから作家・山口瞳をはじめ、作曲家・いずみたく、放送作家・前田武彦、映画監督・鈴木清順など、数多の才能が世に打って出た、まさに「少数なれど熟したり」の密度の濃い学び舎だったんです。
武田 でも、それをなぜ、この多読アレゴリアで???
一倉 「鎌倉アカデミア」はイシス編集学校のアーキタイプとも言われてるんですって。多読アレゴリアってそもそも逆イシスとも言われ、イシスバロックとして、イシス編集学校とはまた別様の目的や運営担っているじゃないですか。だからこそ、鎌倉アカデミアをアーキタイプに持つイシス編集学校の別様として、勝手にアカデミアを多読アレゴリアで勝手に実現したい!ということなのです。
武田 なるほどね~思想的だったり文化的な香りがするのはそういうことなのね。ところで、多読アレゴリアと言うからには本読んだりするの?
一倉 そこなんです。私が面白いと思ったのは。「本を作る」ことがメインターゲットにありそうなのです。
武田 へぇ~、どんな本?
一倉 「2030年の鎌倉ガイドブック」です。
武田 5年後…ということは多読アレゴリアでの活動を通じて、それが本になるということかな。
一倉 そうなんです。先日は、どこからでも参加できる「ZOOM俳句ing」を実施しましたし、今後は、見終わったあとが勝負の「勝手にZOOM映画会」なんてのも計画されているそうです。これらの体験を勝手に編集しながら、鎌倉というトポスのガイドブックになっていくようなんですよ~
武田 どんな映画みるんだろうね。
一倉 なんと「鎌倉アカデミア」の卒業生である、鈴木清順さんの映画を「編集工学の目」で見ようという試みがあるようです♪
【多読アレゴリア:勝手にアカデミア】勝手に映画だ! 清順だ!
武田 清順監督といえば、松岡正剛校長が選考委員を務めた織部賞で、第4回グランプリを獲得しているもんね。
一倉 そうなんです。これは、2025春注目のクラブだと思いませんか。ちなみに、勝手にアカデミアで楽しむみなさんのことを「はとさぶ連衆」というんです。武田さんもどうですか?
と…鎌倉の味 鳩サブレーを食べる。
勝手にアカデミアは、鎌倉というトポスをおきながら、鎌倉から遠いところでも楽しんでいる「はとさぶ連衆」が多くいる。場所があるのに、場所は関係ない。2025春シーズンは、映画チラシなども作るそう。目が離せません♪
好きなことを好きなように。多彩に遊べるトポスへ!
世界を席巻する人類総アレゴリアン時代の幕開けと共にアレゴリアTVでは、江戸を感じ・身体に遊ぶ、武田と一倉がYouTube配信でお届けしていきます。
●「勝手にアカデミア」をもっと知るには●
○吟行レポ
【多読アレゴリア:勝手にアカデミア】はとさぶ連衆、鎌倉に集い俳句を詠みつつアカデミア構想に巻き込まれるの巻
○クラブ紹介
【多読アレゴリア:勝手にアカデミア①】勝手にトポスで遊び尽くす
【多読アレゴリア:勝手にアカデミア②】文化を遊ぶ、トポスに遊ぶ
【多読アレゴリア:勝手にアカデミア③】2030年の鎌倉ガイドブックを創るのだ!
文:一倉広美
アイキャッチ画像:山内貴暉
多読アレゴリア2025春
【申込】https://shop.eel.co.jp/products/tadoku_allegoria_2025haru
【開講期間】2025年3月3日(月)〜2025年5月25日(日)
【申込締切】2025年3月7日(金)
【定員】300名(各クラブごとに定員が異なります。定員になり次第、締め切
ります)
【受講資格】どなたでも受講できます
【受講費】月額11,000円(税込)
※ クレジット払いのみ
※ 初月度分のみ購入時決済
以後毎月26日に翌月受講料を自動課金
例)2025春申し込みの場合
購入時に2025年3月分を決済
2025年3月26日に2025年4月分、以後継続
・2クラブ目以降は、半額でお申し込みいただけます。
・1クラブ申し込みされた方にはクーポンが発行されますので、そちらをご
利用の上、2クラブ目以降をお申し込みください
【2025春 多読アレゴリアWEEK】
▼着物コンパ倶楽部
▼MEditLab for ISIS
▼勝手にアカデミア
はとさぶ連衆は鎌倉に集い俳句を詠みつつアカデミア構想に巻き込まれるの巻
▼軽井沢別想フロンティア倶楽部
▼大河ばっか!
▼よみかき探Qクラブ
▼身体多面体茶論
▼終活読書★四門堂
▼OUTLYING CLUB
▼千夜千冊パラダイス
◎3/3(月)スタート◎シーズン2は《編集術の奥義》につながる千夜が登場!
▼群島ククムイ
▼音づれスコア
▼多読ジムClassic
▼アレゴリアTV
多読アレゴリアのテ・リーグ、ト・リーグ?冊匠が語る多読の魅力
一倉広美の「イチクラ!」今回の一押しクラブには、噂のサブレが…?
エディスト編集部
編集的先達:松岡正剛
「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。
イシス編集学校のアドバイザリー・ボード「ISIS co-mission」(イシス・コミッション)に名を連ねる9名のコミッション・メンバーたちが、いつどこで何をするのか、編集的活動、耳寄りニュースなど、予定されている動静を […]
田中優子の酒上夕書斎|第一夕『普賢』石川淳(2025年5月27日)
学長 田中優子が一冊の本をナビゲートするYouTube LIVE番組「酒上夕書斎(さけのうえのゆうしょさい」。書物に囲まれた空間で、毎月月末火曜日の夕方に、大好きなワインを片手に自身の読書遍歴を交えながら語ります。 &n […]
【多読アレゴリアTV】一倉広美の「イチクラ!」着物をアートでコーデする
芽吹きの春から滴りの夏へ。いよいよ熱を帯びてきた多読アレゴリアの旬をお届けします。松岡正剛より「支度天」の名を受けたダンドリ仕掛け人・武田英裕キャスターと共に、守師範の一倉広美がアシスタントをつとめる『多読アレゴリアTV […]
この春オープンした「多読ジムClassic(25春)」も、数日のアディショナルタイムを経て、5月28日に今シーズンを無事に終了しました。3つのトレーニングお題を一挙出題! という初の試みのなか、好きなお題から、自由に行っ […]
イシス編集学校で予定されている毎月の活動をご案内する短信「イシスDO-SAY(ドウ-セイ)」。 6月のDo-Sayをお届けします。今月はイベントを多数予定していますよ!そして、イシス編集学校初のクラブ活動 […]
コメント
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2025-06-10
この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。