鳥は美味しいリンゴを知っている。リンゴに鳥が突っついた穴がある。よってこのリンゴは美味しい。
──「これは美味しいから」といただいた農家さんからのオマケ。切れば甘味成分ソルビトールが沁みていた。覗いてみたくなる世界は尽きない。
本楼に中3男子が現れた。テーブルにつくとかぶっていた黒いキャップを脇へ置き、きりっとした表情を見せる。隣に母親が座った。母は数年前にイシス編集学校の存在を知り、興味を持ちながらもイベント参加にはなかなか勇気が出なかった。その背中を押したのが、11月16日の「本楼共茶会 ジンジャーティー篇」だ。仕事以外の生活にちょっとしたスパイスがほしいと思っていた母に、“スパイシーな読書・スペシャルなお茶”というコピーが魅力的に映った。「せっかくだから一緒に行ってみない?」と息子に声をかけると、「いいよ」と軽い返事が返ってきた。
本楼でジンジャーティ―をすすりながら、松岡正剛の読書術や編集術のエッセンスをたっぷりと聞く。そして親子で初めての“マーキング読書”にトライした。母は「本に書き込むなんて初めて」と興奮気味にペンを走らせた。学生時代から何度も読んできた本に線を引き、本を汚していく。「せっかちなのでふだんはパッと読むんです。でも線を引いてみると、自分がいままでどこに意識を向けて、どんなフレーズに注意を向けていたのかが分かった。次に読むときにも視覚的に捉えることができて面白そう」。松岡正剛が愛用した赤いVコーンのインクに乗って、今まで見えなかったものが浮かび上がってきたようだ。
息子も一度読んだことのある本にマーキングした。「前に読んだとき、意味をあまり理解しないまま読み飛ばしていた言葉に目がいった」と新鮮な感覚を味わったらしい。動画で情報を得ることに長けた世代だが「やっぱり活字にも触れてほしくて」と母がつぶやくと「ふだんは電車の中で本を読むことが多いけど、オシャンティーな環境で読めてよかった」と満足げだ。
ジンジャーティーにオシャンティー。“ティー”揃いのうまい返しで〆てくれた息子の名前には「知」の字が入っていた。帰り際、ナビゲータの八田英子が松岡校長の著書『知の編集術』『知の編集工学』を見せると、嬉しそうに手に持って記念撮影。エディトリアリティという極上のティータイムを味わう日も近いかもしれない。
本楼共茶会、次回は2026年1月11日に開催予定だ。1揃いの日にい~いティータイムをご一緒に。(お申込はこちらから)
福井千裕
編集的先達:石牟礼道子。遠投クラス一で女子にも告白されたボーイッシュな少女は、ハーレーに跨り野鍛冶に熱中する一途で涙もろくアツい師範代に成長した。日夜、泥にまみれながら未就学児の発達支援とオーガニックカフェ調理のダブルワークと子育てに奔走中。モットーは、仕事ではなくて志事をする。
先月、目の前に1冊の本が落ちてきた。部屋に積まれた本の小山から飛び出したのは、松岡正剛校長の著書『17歳のための世界と日本の見方』(春秋社)だ。それからというもの、SNSでイシス編集学校の宣伝を見かけることが急に増え、勢 […]
11/23(日)14~15時:ファン待望の「ほんのれんラジオ」公開生トークイベント開催!【別典祭】
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アタマが固い、鈍い、動かない。もうAIには敵わない…と諦める前に、「編集術」を試してみませんか。 10/12(日)14時からの「本楼エディットツアー」では、松岡正剛の編集術を使ったいくつかの編集ワークを体験いただきます。 […]
コメント
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2025-12-31
鳥は美味しいリンゴを知っている。リンゴに鳥が突っついた穴がある。よってこのリンゴは美味しい。
──「これは美味しいから」といただいた農家さんからのオマケ。切れば甘味成分ソルビトールが沁みていた。覗いてみたくなる世界は尽きない。
2025-12-31
鳥は美味しいリンゴを知っている。リンゴに鳥が突っついた穴がある。よってこのリンゴは美味しい。
──「これは美味しいから」といただいた農家さんからのオマケ。切れば甘味成分ソルビトールが沁みていた。覗いてみたくなる世界は尽きない。
2025-12-30
ほんとうは二つにしか分かれていない体が三つに分かれているように見え、ほんとうは四対もある脚が三対しかないように見えるアリグモ。北斎に相似して、虫たちのモドキカタは唯一無二のオリジナリティに溢れている。