ただ今フランスのマルシェあちらこちらで縦縞の赤肉メロンが山盛りだ。自然界が生んだデザインはじつに美しい。赤肉にくるりと生ハムを巻けば、口福ともいうべき大人の欲望が満たされる。

公開されるエディスト記事は、毎月30本以上!エディスト編集部メンバー&ゲスト選者たちが厳選した、注目の”推しキジ” をお届けしています。見逃した方はぜひこちらの記事でキャッチアップを。
今回は、2025年6月に公開された記事の中から選ばれたオシ記事9選+αをご紹介します。
【多読アレゴリア:身体多面体茶論】奥深い声の世界、茶人は赤ちゃんに還る
編集学校の稽古は、通常、オンラインでのテキストのやり取りです。こういったリアルの稽古、しかも大声を出すようなものは非常にめずらしい。カラオケでなく、アカペラで歌う。ごまかしのきかない状態で自分の歌声を披露するとは、なんと本気の稽古でしょう! ぎこちない歌いっぷりから、赤ちゃんの泣き声レベルの豊かな声量をめざす。自然体を取り戻す方法が、こまかくレポートされています。静かな職場で声を潜めているせいか、だんだん声が出にくくなっているのを気にしており、身体多面体茶論のみなさまにならって、しっかりと大きな声を出してみたくなりました。─ 原田 淳子
1.編集稽古の「問感応答返」は終わらない~55[守]第2回創守座
2.べらぼう絢華帳 ~江戸を編む蔦重の夢~ その二十(番外編)
この3つで揃って言及されているのが「正名と狂言」。かたや編集術レクチャー、かたや大河ドラマの解説。そのどちらでも「正名と狂言」がキーワードになっている偶然である。古代中国の孔子と荘子に起源するモデルがどのように江戸に現代に活用でき、活用されるのかは双方を比べてみるとより深まるのではないだろうか。合わせて、千夜千冊425夜 大室幹雄『正名と狂言』もどうぞ。──吉村 堅樹
「開ける」と「伏せる」は、編集工学ではとても重要で、イシス編集学校の講座プログラムにも「開け/伏せ」が方法的に組み込まれています。「創守座(そうしゅざ)」もその1つで、当期指導陣だけの内緒の勉強会なのですが、なんと学衆のうち数名だけが招待されて、オンライン見学をすることができました。これはコロナ禍2020年から始まった、限定的な「開ける」仕組みなのです。
「創守座」の記事は3つあり、イシスの秘儀が開けられていますが、オブザーブ参加した学衆のやりとりまでオープンにしたのは初めてかも知れません。なぜ自分が選ばれたのか。その理由は学衆本人にもまだ伏せられています。知ったことが多いぶん、新たな問いも増えるオブザーブなのです。── 八田 英子
マツコ’s plus one!🐶
「開け伏せ」について松岡正剛校長が触れている千夜千冊 3選
43[花]特別講義からの描出。他者と場がエディティング・モデルを揺さぶる
自分の右目と左目の見え方だって違うのに、他者と自分が見ているものが全く同じな訳がない。頭でわかっていても固定化した見方がはびこる現代において、差異やズレから生まれる気づきを声にしずらい現状がある。書き手の村井宏志師範が「今まで誰も聴いたことがない斬新な講義」と言うように、編集工学研究所デザイナーの穂積晴明方源が第43期ISIS花伝所の入伝式で行った特別講義は、現状に鉄拳を食らわせ、花伝式目【Model:型】の捉え方を更新してくれた。そんな歴史的事件とも言える講義を、進行とQ&Eを担った当事者によって捉え直した当記事は、一直線ではない学びを揺さぶるために「場」に放たれた。何度も読んで交わし合いたい。 ── 大濱 朋子
43[花]特別講義からの描出。他者と場がエディティング・モデルを揺さぶる
梅雨を感じる間もなく、あっという間に季節が移ろった6月。水不足が心配されるなか、エディストでは記事が次々と生まれ、むしろ豊かに潤っています。最近では、各講座のメンバーが連携して主体的に編み上げた記事が続々と公開され、内容もますます充実しています。
今回ピックアップしたのは、イシス編集学校[ISIS花伝所]のメンバーのお一人、村井宏志錬成師範による一本。穂積晴明方源による特別講義「イメージと編集工学」について取りあげた記事です。
この講義で穂積方源は、「エディティング・モデルは決して固定的なものではなく、揺れ動き、変化していくものでもある」と語りました。これを受けて村井師範は、「場に放たれたものは、別様の可能性を発する」と自らの視点を重ねています。
特に印象的なのは、穂積方源が述べた次の言葉です。
「自分がこういう風に見えると思って描いたものが、他の人にとっては全然そう見えないよってことが起こる。その時に重要なのが(他の人に)一回見てもらうということで、(中略)何度も繰り返すことで、新しい見方が出てくるということです」
村井師範は、まさにこの言葉を体現するように、講義を踏まえて自ら感応したことを記事として答えています。その点において、この記事は単なるレポートを超えた、穂積方源への礼節の表明であり、編集工学でいう「問感応答返」における「返」の実践ともいえるのではないでしょうか。そん姿勢に、読後、じんと胸が温かくなるような感動を覚えました…!
ぜひ、イシス編集学校[ISIS花伝所]の他の記事も、ぜひあわせてチェックしていただきたいです!── 上杉 公志
マツコ’s Plus One! 🐶
村井師範とマツコは、19[守]柿八手前教室でご一緒させていただいたんですが、その後、いち早く先に進み、編集をめきめき身につけて行かれたのが村井さんです。それ以後、長年、研鑽をつんでこられたからこそ書けるベテランの記事でした。そういえば、村井さんが自ら執筆された記事が、ひとつありましたよ!
ロールは人を創る――感門団長・村井宏志のISIS wave #35
「記録された事実」と「個人にとっての真実」って違う?SF界の星テッド・チャン『息吹』が描く、記憶に検索エンジンをインストールする未来。どう思う?
編集工学研究所の名物コンテンツ「ほんのれんラジオ」は、いつも楽しみに拝聴しているのですが、これだけ高密度の内容をハイペースで連打されるキャストのみなさんの底力には、つくづく感服させられます。今回取り上げたのはテッド・チャンの小説でしたが、取り上げる機会の少ない「小説」を、たまに取り上げるときの決め手となるのは「問い」の喚起力にある、と仰っていたのが印象に残りました。テッド・チャンこそは、まさに、誰も問うたことのない問いを立てる「問いの達人」と言える人でしょう。思えば「ほんのれんラジオ」もまた、「問いの編集力」にこそ、その魅力の源泉が詰まっているのかもしれません。── 堀江 純一
マツコ’s Plus One!!📚🐛🍈🐜🏢🏠🥒
お気づきになっている方もいらっしゃるかもしれません?!
エディストでは、記事へのコメント投稿を、ただいまテスト運用中なのです。
何かにフェチな方々が、その記事から連想されたモノを写真と軽妙なコメントで贈るという企画。
その名も”物憑衆(ものづきしゅう)”の皆様が、日々、投稿を重ねています。
ぜひチェックしてみてね🐛
堀江さんもそのお一人です~。他には、あの方、この方も、フェチな物憑衆として投稿中。
物憑衆による記事へのコメント一覧はこちら
イシス館書棚見回り「書庫邏隊」いよいよ始動―「2025春の陣」その1
突如現れた書棚見廻り隊「書庫邏隊」(ショコラ隊)の連載が6月からはじまりました。「松岡正剛の愛書精神を継承する弟子一同」が本の目利きとして、イシス館の書棚を再編集し続けるというミッションのもと、シーズンごとのラインナップを遊刊エディストで公開していきます。今回ピックアップしたのは、その選書方針にシビレたからです。フィルターバブルに頼らない、本の選び方として注目したい連載です。── 後藤 由加里
マツコ’s Plus One!📚📚📚
すでに「その2」も登場していますので、併せてお読みください♪
イシス館書棚見回り「書庫邏隊」いよいよ始動―「2025春の陣」その2
最近、よく噂に聞く九天の「三十三冊屋」。すごいメンツが選書に加わっているらしい。
そして、中野組長は現在、「杉浦康平を読む」を受講中。
杉浦デザイン語法を丸呑みして、圧倒的な「九州の千夜千冊」を立ち上げてほしい! ── 金 宗代
マツコ’s Plus One! 📷
九天玄氣組のInstagram、@910genki ぜひフォローをよろしく!
https://www.instagram.com/910genki/?hl=ja一緒に盛り上げてまいりましょー!
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エディスト編集部
編集的先達:松岡正剛
「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。
イシス編集学校のアドバイザリー・ボード「ISIS co-mission」(イシス・コミッション)に名を連ねる9名のコミッション・メンバーたちが、いつどこで何をするのか、編集的活動、耳寄りニュースなど、予定されている動静を […]
イシス編集学校で予定されている毎月の活動をご案内する短信「イシスDO-SAY(ドウ-セイ)」。 梅雨があけた地域も出てきました、いよいよ日本列島に夏到来ですね!イシス編集学校でも熱い夏が始まります。7月のス […]
編集部が選ぶ2025年5月に公開した注目のイチオシ記事9選+α
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田中優子の酒上夕書斎|第二夕『S/Z バルザック『サラジーヌ』の構造分析』ロラン・バルト(2025年6月24日)
学長 田中優子が一冊の本をナビゲートするYouTube LIVE番組「酒上夕書斎(さけのうえのゆうしょさい」。書物に囲まれた空間で、毎月月末火曜日の夕方に、大好きなワインを片手に自身の読書遍歴を交えながら語 […]
イシス編集学校のアドバイザリー・ボード「ISIS co-mission」(イシス・コミッション)に名を連ねる9名のコミッション・メンバーたちが、いつどこで何をするのか、編集的活動、耳寄りニュースなど、予定されている動静を […]
コメント
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2025-07-27
ただ今フランスのマルシェあちらこちらで縦縞の赤肉メロンが山盛りだ。自然界が生んだデザインはじつに美しい。赤肉にくるりと生ハムを巻けば、口福ともいうべき大人の欲望が満たされる。
2025-07-25
九州出身のマンガ家は数多いが、”九州男児”っぽさを前面に押し出している作家といえば、松本零士に小林よしのり、そして長谷川法世ということになるだろう(みんな福岡だが…)。なかでも長谷川法世『博多っ子純情』は、その路線の決定版!
これこれこの感じ。まさにこれが九州男児バイ!(…と、よそ者の目には見える…)
2025-07-22
真夏の夜の日比谷公園。人知れず生まれ出たのは天使か悪魔か。
7月下旬から8月上旬にかけてはセミの羽化の最盛期。日没過ぎに近場の公園を散歩してみたら、生命の不思議にじっと見入るセイゴオ少年に出会えるかも。