「忌まわしさ」という文化的なベールの向こう側では、アーティスト顔負けの職人技をふるう蟲たちが、無垢なカーソルの訪れを待っていてくれる。
このゲホウグモには、別口の超能力もあるけれど、それはまたの機会に。

散りゆく桜にしばし足を止め、さあ行こうと一歩を踏み出す。進級、入学、入社とあらたな場へ向かう4月がはじまった。イシス編集学校でもあたらしい季節がはじまる。第51期・基本コース[守]、第50期・応用コース[破]の開講に向け、指導陣が一堂に会して編集の方法を学び研鑚する場「伝習座」が開かれた。
原田淳子[破]学匠の顔はほころんでいた。伝習座に臨むにあたり事前に課されたお題に、これから教室をうけもつ11名の新師範代たちは身を乗り出して取り組んだ。ただお題に回答するだけではない。それぞれの感想を持ち寄って活発な交わし合いをし、編集学校が大事にする「共読」のうねりが起こったのだという。50[破]の師範代たちを学匠は「すばらしい用意ができる人たち」と賛辞の言葉で迎えた。
同期の師範代同士が横なら、縦のつながりから生まれる用意もある。イシス編集学校は学び手である学衆だけでなく、教え手である師範代も毎期入れ替わるが、人が替わっても師範代の編集力はリセットされない。先達師範代たちの成果がフィードバックされ、地層のように積み上がってスタート地点は毎期確実に上がっている。常に編集を仕掛け、あらたなバージョンを生み出し続けるのがイシス流だ。
では用意を生かすにはどうするか。半年前の伝習座で松岡正剛校長が師範代たちに語った言葉が手渡された。
「こうありたい、こうなりたいという自分だけでいい。不足はあっても、ありたい方向へ向かっていけばいい。“たくさんのわたし”が頼りないなら、”たくさんの他者”になりなさい」
用意を尽くす50[破]はまもなく幕を開ける。
◆第50期[破]応用コースの詳細・申込はこちら。申込〆切は4月10日(月)
福井千裕
編集的先達:石牟礼道子。遠投クラス一で女子にも告白されたボーイッシュな少女は、ハーレーに跨り野鍛冶に熱中する一途で涙もろくアツい師範代に成長した。日夜、泥にまみれながら未就学児の発達支援とオーガニックカフェ調理のダブルワークと子育てに奔走中。モットーは、仕事ではなくて志事をする。
【参加者募集】とっておきのお茶×読書×編集体験!9/13「本楼共茶会」コールドブリューベリーモヒート茶篇
9月13日(土)、松岡正剛プロデュースのブックサロンスペース「本楼」にて、お茶×読書×編集で参加者のみなさまを意外な世界へお連れする「本楼共茶会」(ほんろうともちゃかい)を開催します。7度目となる今回は「コールドブリュー […]
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さあ、お待たせしました!感門之盟のクライマックス「冠界式」のお時間です。新師範代たちの教室名がついに明かされます。発表の瞬間、どんなリアクションをするのか。どうぞお楽しみください!! 家村吏慧子 師範代 ハ […]
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松岡校長が残した「花伝」の書は126通り。生前、花伝所の師範に贈る「花伝扇」に書かれた数だ。相手を思いながらとった筆は、ひとつひとつ違う書を生んだ。「今後はたくさんの【花】と【伝】の文字を組み合せて、扇を渡していきなさい […]
コメント
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2025-09-16
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2025-09-09
空中戦で捉えた獲物(下)をメス(中)にプレゼントし、前脚二本だけで三匹分の重量を支えながら契りを交わすオドリバエのオス(上)。
豊かさをもたらす贈りものの母型は、私欲を満たすための釣り餌に少し似ている。
2025-09-04
「どろろ」や「リボンの騎士」など、ジェンダーを越境するテーマを好んで描いてきた手塚治虫が、ド直球で挑んだのが「MW(ムウ)」という作品。妖艶な美青年が悪逆の限りを尽くすピカレスクロマン。このときの手塚先生は完全にどうかしていて、リミッターの外れたどす黒い展開に、こちらの頭もクラクラしてきます。