「春バテ」という言葉を耳にした。新年度の緊張や頑張りに気候の変動が重なって自律神経が乱れるのだそうだ。新しい環境での疲れには、「こうあらねばならない」「間違ってはいけない」という思いが関係してはいないだろうか。
「ねばならない」を抜け出し、身軽になって初夏を迎えるために、イシス編集学校をおすすめする。
基本コース[守]では38のお題を通して、編集の型を稽古する。型・稽古と聞くと、「型にはまった」「見本通り」と連想がはたらくかもしれないが、イシスの型は「発見」のためのツールだ。
例えば、二軸四方型は、一見SWOT分析に似ている。
好き
3 │ 1
│
得意 ────┼──── 苦手
│
4 │ 2
嫌い
上記の軸を設定すると、それぞれの象限に何を入れたくなるだろうか。
ある師範代経験者は子どもとの対話でこの型を使ってみた。1には水泳が、4には漢字の書き取りが入った。「漢字の書き取りはほめられるけど好きじゃない。学校で得意なことが好きなわけではないんだ。水泳みたいに、苦手だけと好きなこともあるんだ」と気づいた瞬間、学校で学ぶ教科に、通信簿の数字とは違う評価が立ち現れた。
51[守]師範の佐藤健太郎は、編集コーチたちの研鑽の場である伝習座で「回答は情緒でひも解け」と語った。( )があると学衆は正解を探しがちだ。ただ、そうであったとしても( )の中には、学衆それぞれの情緒(情のいとぐち)があらわれている、一人一人の歴史と現在が詰まっている。
どんな気分で、どんなきっかけで( )に入れる言葉を選んだのかを学衆とともに探し、新たな意味を見出そうというのだ。
型は、型にはめて整理するためにあるのではない、型にはまりきることで「ねばならない」の枷をはずし、新しい「私」と意味を発見してほしい。
(文:石井梨香)
イシス編集学校 [守]チーム
編集学校の原風景であり稽古の原郷となる[守]。初めてイシス編集学校と出会う学衆と歩みつづける学匠、番匠、師範、ときどき師範代のチーム。
「カレー」で世界像を結びなおす【51守・用法1から用法2へ】
私たちが当然と思ってきた男女の区別。その分け方を揺るがすかのようにセクシャリティとジェンダーについての千夜千冊が連打されている。51[守]が開講して3週間。「稽古のモヤモヤを身体に刻み込んでいきたい」「普段使っていない […]
開講から1週間経った51[守]では、早くも<勧学会>に「苗床」が生まれつつある。 学衆が自ら「発信するロール」を担った教室もある。吉田麻子師範代の若水尽きぬ教室では、開講翌日の9日に、学衆Mが「こんな情 […]
鯉のぼりと入れ替わるように、51[守]の鯉が跳ね始めた。 [守]に鯉をあしらった上の画像は[守]の新たなアイコンであり、講座記事のプロフィール画像でもある。師範の阿久津健が開講に合わせてデザインした。季 […]
コロナ禍の行動制限から解放され、多くの観光地が賑わうニュースが飛び交った。3年振りに湧いた大型連休明けの初日に開講するのが、イシス編集学校の第51期[守]基本コースである。 連休最終日、休みの終わりを寂しがる世間をよ […]
菖蒲と蓬が軒先に連なり、鯉のぼりと吹き流しが悠々と空を泳ぐ。15週間の51[守]の開講直前、イシス編集学校ではためくのは19色の教室名フライヤーだ。竜を目指す19匹の鯉ならぬ19人の師範代たちが、その跳躍力を総動員して […]