草むらで翅を響かせるマツムシ。東京都日野市にて。
「チン・チロリン」の虫の音は、「当日は私たちのことにも触れてくださいね」との呼びかけにも聴こえるし、「もうすぐ締め切り!」とのアラートにも聞こえてくる。

日刊ゲンダイDIGITALに「本屋はワンダーランドだ!」というコラムがある。先日、イシス編集学校師範の植田フサ子が店主をする青熊書店が紹介された。活気ある商店街の横道にあるワンダーランド・青熊書店を見つけるとはお目が高い。
週刊キンダイも負けてられない!編集がボーボーと湧き出るワンダーランドを紹介しよう。
前回紹介した「リアルサポート」だけではなく55[守]には初めての試みがもう一つある。「マグロワンダフル教室」だ。「学衆全員が近大生」というなんともワンダフルな教室である。
近大といえばマグロ、イナモリといえば魚
近大が32年の歳月をかけて不可能と言われたクロマグロの完全養殖に成功したことは近大生なら誰もが知っているはず。しかし、教室名はこれだけが由来ではない。近大生をぐいぐい引っ張る稲森師範代はなんといっても魚を見るのも食べるのも釣るのも大好き。最近ハマっているのがマグロ釣りというのだからこの人に任せるしかない。”近大の取り組み”と”稲森師範代の数寄”が一種合成されたのがマグロワンダフル教室なのだ。
編集の型はいつでも動いている
全員が学生ということは悩みも近い。就職活動やレポートに追われる学生、TVアニメの「チ。」にハマってる!という話など。そうしたことも編集稽古の中に取り込んで指南として返していく。
就職活動に悩む学生には、
企業ブランドを作ったりするのに、いろいろな発想や気づきが必要になります。企業自身で気がついてない強みの発掘には、注意のカーソルで切り替えましょう。気づきを得るには、視点の切り替えがとても重要なんです。
そして、時には恋愛話もある。
「家族との思い出」《フィルター》を通して、取り出したものは、彼女さんも喜びそうですね。
日常と稽古を分けずに、呼吸をするように型を使い続けて欲しい。稲森師範代の心意気が伝わる指南がシュッと飛んでくる。
飛び出せ!センス・オブ・ワンダー
マグロは速いだけではなく長く泳ぐことでも知られている。15週間の編集稽古ははじまったばかり。クイックなコツをただ知るのではなく、15週間、型をつかい続けることで編集学校を知らない学生とは段違いの編集力が身についていくのだ。
この教室にはセンス・オブ・ワンダーが潜んでいる。センス・オブ・ワンダーとは「神秘や不思議さに目を見はる感性」のことをいう。注意のカーソルを肌身離さず持ち歩き、ありえないフィルターを何枚も持ち出しながら使い込んでいくことで「目を見はる」体験がこの先に待っている。
松岡正剛校長が監修したビブリオシアターという編集的トポスを持つ大学の学生だからこそ、近大INDEXをベースにたくさんの編集力を装備していきながら社会に飛び出していってほしい。
がんばれ!近大生!
アイキャッチ/稲森久純(55[守]師範代)
文/一倉広美(55[守]師範)
週刊キンダイ 連載中!
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コメント
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