【多読アレゴリア:軽井沢別想フロンティア倶楽部】軽井沢のトポスを編む旅へ。

2025/05/02(金)18:28
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あなたは、軽井沢と聞いて何を想像する?
森の静寂、別荘地の古い門、文豪の残した一行、それとも、朝靄に浮かぶ小径の、名もない風景?  

 



軽井沢は、ただの避暑地ではない。
そこには、歴史と自然が織りなす無数の「トポス」―― あなただけの心を震わせる場所が、待っている。

軽井沢別想フロンティア倶楽部は、そんな軽井沢を、あなたの編集力で解きほぐし、自分だけの物語に編み上げる倶楽部です。


◇トポスを探す11週間の旅

軽井沢別想フロンティア倶楽部の核は、「トポス」。
ギリシャ語で「場所」を意味するこの言葉は、あなたが軽井沢で「これだ!」と惹かれる一点を指す。

それは、旧軽井沢の小さな教会かもしれない。
浅間山を望む畑の脇のベンチかもしれない。
あるいは、歴史資料館の古い写真の一枚かもしれない。

 

 

プログラムは、11週間でワンクール。
まずは、あなたのトポスを見つけるところから始まる。
軽井沢の歴史をたどり、自然に耳を澄まし、街角のディテールに目を凝らす。
イシスで学んだ編集の技法を手に、その「場所」を探求していく。


古地図や資料からトポスの歴史をたどり、木々のざわめき、風の匂いからトポスの「声」を拾う。

トポスの断片を言葉で集め、物語の糸を紡ぐ。

日々、あなたのトポスは輝きを増す。
毎週、トポスは深まり、あなただけの軽井沢が形になる。
それは、ただの場所じゃない。
あなただけの視点で編まれた、小さな宇宙だ。

11週間のプログラムで、私たちは軽井沢を「読む」。
そして、仲間と紡いだ道を歩き、紀行文に刻む。

 

 

◇キーブックで、トポスを照らす

 

トポスを紀行文に編む前に、もう一つの鍵がある――「キーブック」。
あなたが選んだトポスに共鳴する本を、自由に選ぶ。
その本が、トポスに新しい光を当てる。

前季の遊民(倶楽部メンバー)の物語をご紹介しよう。
選んだトポスは、鹿島の森。
森の小径に転がる無数のまつぼっくりに心を奪われ、キーブックは、フィボナッチ数列をテーマにした一冊。

『素数夜曲』(吉田武著/東海大学出版会)

 

『素数夜曲』吉田武著/東海大学出版会

 

まつぼっくりの螺旋を観察し、黄金比の魔法を見つけた。

「お母さんが数学の先生だったの。私は全然ダメだったけど」と笑う。

軽井沢の自然と数学のハーモニーを編み上げた紀行文は、仲間を唸らせた。
そんな発見が、この倶楽部には溢れている。

 


◇トポスをつなぐ道、紀行文へ

 

11週間の旅の終盤、仲間とトポスを「道」でつなぐ。
誰かのトポスから別の人のトポスへ。
旧三笠ホテルの裏庭から、星野エリアの古い石垣へ。

その道は、軽井沢の新しい地図になり、紀行文へと表象される。

 

世間の人はまだ誰も知らない新しい道。
どのように歩くのか、歩くことで手に入るものは何か
トポスで見たもの、感じたこと、キーブックから得たひらめきを、言葉で編む。

それは、ガイドブックには載らない、あなただけの軽井沢の物語だ。

◇汁講でトポスを巡る

 

ワンクールが終われば、軽井沢でのリアル汁講が待っている。
仲間と共に、編み上げたトポスを訪ねる。

 

2025年3月2日軽井沢汁講(野鳥の森)ランチは荻野屋の釜飯

 

 

まつぼっくりの小径で、黄金比の話を聞くかもしれない。
古い教会の前で、誰かの紀行文に耳を傾けるかもしれない。

誰かのトポスで、どんな風景に出会うだろう?
どんな話が飛び出すだろう?
そこには、編集学校ならではの発見と笑顔が溢れる時間がある。
世代を超えて交わしあう編集学校ならではのポリフォニーが、

軽井沢の空気の中で響き合い、軽井沢がもっと愛おしくなる。

 

◇なぜ、軽井沢なのか?

 

軽井沢は、編集を人生する者にとって宝の山だ。
明治の宣教師の足跡、大正の文豪が残した一節、そして、現代の私たちが重ねる視点。
浅間山のふもとに広がるこの土地は、歴史と自然が折り重なり、無数の物語の断片が眠っている。
その断片は、編集術によって、あなたの手で輝き出す。

別想の軽井沢、あなたのトポスはどんな物語を紡ぐだろう。

 



◇あなたも、軽井沢の編者になろう

 

軽井沢別想フロンティア倶楽部は、イシス編集学校の仲間はもちろん、外部の方も大歓迎。
20代のフレッシュな感性、70代の深い知恵、どんな視点も、この倶楽部で花開く。

軽井沢だけにとどまらず、いずれ信州のあちこちへと探求の翼を広げていこう。

信州という日本の素晴らしいトポスを皆で別想していこう。

 

2025夏の募集が、いま始まる。

テーマは「さんさん・軽井沢」
「さんさん」というオノマトペからあなたは何を想うだろう。

どんなトポスが生まれるのだろう。

 

 

11週間の旅の果てに、あなたの手元には、軽井沢の新しい物語が生まれる。
そして、軽井沢汁講で、仲間と笑い合いながら、その物語を分かち合う。

ここまで読み通してくれたあなたなら、この冒険の面白さが分かるはず。
軽井沢のトポスは、あなたを待っている。
一歩を踏み出して、自分だけの物語を編もう。

 

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<クラブの構成>
●クラブ運営:守り人 (浅羽登志也 中原洋子 本城慎之介)
●クラブメンバー:遊民
●通常稽古ラウンジ:「本陣」
●コミュニケーション・ラウンジ:「井戸端」


多読アレゴリア2025夏「軽井沢別想フロンティア」倶楽部
【定員】20名
【申込】https://shop.eel.co.jp/products/tadoku_allegoria_2025summer
【開講期間】2025年6月2日(月~2025年8月24日(日)
【申込締切】2025年5月26日(月)
【受講資格】どなたでも受講できます
【受講費】月額11,000円(税込)
 ※ クレジット払いのみ
 ※ 初月度分のみ購入時決済
 以後毎月26日に翌月受講料を自動課金
 例)2025夏申し込みの場合
 購入時に2025年6月分を決済
 2025年6月26日に2025年7月分、以後継続
 ・2クラブ目以降は、半額でお申し込みいただけます。
 ・1クラブ申し込みされた方にはクーポンが発行されますので、そちらをご利用の上、2クラブ目以降をお申し込みください。

【お問合せ】allegoria@eel.co.jpまでご連絡ください


 

2025夏 多読アレゴリアWEEK

募集開始★多読アレゴリア 2025・夏スタート!!!!!!!

 

▼倶楽部撮家

写真仲間求む!編集術でカメラと戯れる【倶楽部撮家】が多読アレゴリアにやってきた

 

▼カオス的編Rec

津田一郎監修クラブ【カオス的編Rec】誕生!科学的読書法に学び、「Qの地図」を描く

 

▼勝手にアカデミア

『鈴木清順エッセイコレクション』x3xREVIEWS

 

▼軽井沢別想フロンティア

軽井沢のトポスを編む旅へ。

  • 中原洋子

    編集的先達:ルイ・アームストロング。リアルでの編集ワークショップや企業研修もその美声で軽やかにこなす軽井沢在住のジャズシンガー。渋谷のビストロで週一で占星術師をやっていたという経歴をもつ。次なる野望は『声に出して歌いたい日本文学』のジャズ歌い。

コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-22

 小学校に入ってすぐにレゴを買ってもらい、ハマった。手持ちのブロックを色や形ごとに袋分けすることから始まり、形をイメージしながら袋に手を入れ、ガラガラかき回しながらパーツを選んで組み立てる。完成したら夕方4時からNHKで放送される世界各国の風景映像の前にかざし、クルクル方向を変えて眺めてから壊す。バラバラになった部品をまた分ける。この繰り返しが楽しくてたまらなかった。
 ブロックはグリッドが決まっているので繊細な表現をするのは難しい。だからイメージしたモノをまず略図化する必要がある。近くから遠くから眺めてみて、作りたい形のアウトラインを決める。これが上手くいかないと、「らしさ」は浮かび上がってこない。

堀江純一

2025-06-20

石川淳といえば、同姓同名のマンガ家に、いしかわじゅん、という人がいますが、彼にはちょっとした笑い話があります。
ある時、いしかわ氏の口座に心当たりのない振り込みがあった。しばらくして出版社から連絡が…。
「文学者の石川淳先生の原稿料を、間違えて、いしかわ先生のところに振り込んでしまいました!!」
振り込み返してくれと言われてその通りにしたそうですが、「間違えた先がオレだったからよかったけど、反対だったらどうしてたんだろうね」と笑い話にされてました。(マンガ家いしかわじゅんについては「マンガのスコア」吾妻ひでお回、安彦良和回などをご参照のこと)

ところで石川淳と聞くと、本格的な大文豪といった感じで、なんとなく近寄りがたい気がしませんか。しかし意外に洒脱な文体はリーダビリティが高く、物語の運びもエンタメ心にあふれています。「山桜」は幕切れも鮮やかな幻想譚。「鷹」は愛煙家必読のマジックリアリズム。「前身」は石川淳に意外なギャグセンスがあることを知らしめる抱腹絶倒の爆笑譚。是非ご一読を。

川邊透

2025-06-17

私たちを取り巻く世界、私たちが感じる世界を相対化し、ふんわふわな気持ちにさせてくれるエピソード、楽しく拝聴しました。

虫に因むお話がたくさん出てきましたね。
イモムシが蛹~蝶に変態する瀬戸際の心象とはどういうものなのか、確かに、気になってしようがありません。
チョウや蚊のように、指先で味を感じられるようになったとしたら、私たちのグルメ生活はいったいどんな衣替えをするのでしょう。

虫たちの「カラダセンサー」のあれこれが少しでも気になった方には、ロンドン大学教授(感覚・行動生態学)ラース・チットカ著『ハチは心をもっている』がオススメです。
(カモノハシが圧力場、電場のようなものを感じているというお話がありましたが、)身近なハチたちが、あのコンパクトな体の中に隠し持っている、電場、地場、偏光等々を感じ取るしくみについて、科学的検証の苦労話などにもニンマリしつつ、遠く深く知ることができます。
で、タイトルが示すように、読み進むうちに、ハチにまつわるトンデモ話は感覚ワールド界隈に留まらず、私たちの「心」を相対化し、「意識」を優しく包み込んで無重力宇宙に置き去りにしてしまいます。
ぜひ、めくるめく昆虫沼の一端を覗き見してみてください。

おかわり旬感本
(6)『ハチは心をもっている』ラース・チットカ(著)今西康子(訳)みすず書房 2025