道ばた咲く小さな花に歩み寄り、顔を近づけてじっくり観察すると、そこにはたいてい、もっと小さな命がきらめいている。この真っ赤な小粒ちゃんたちは、カベアナタカラダニ。花粉を食べて暮らす平和なヴィランです。
夏。大学生は忙しい。
遊んで恋してバイトに励む―そんな古めかしいステレオタイプはもう捨てよう。令和のいま、学生の夏はもっとハードだ。まず、サマーインターン。1週間ほど企業に出向いて、実際に「働く」ことを体験する。就職を見据えた大切なステップだ。日々の授業ではレポート課題が出される。そして7月下旬から8月上旬にかけては、定期試験が待ち構えている。その準備もまた欠かせない。
そんな忙しい夏の日に、第3回「稽古Day」が開催された。ACT-116教室とオンラインのハイブリッドで、前回に続く昼夜の2部構成だ。15時開始の部には4人の学生が、18時半の部では教室に5人が、オンラインで2人が参加した。
挨拶もほどほどにさっそくお題に取り掛かる。学林局から駆け付けた衣笠純子が言う。「最低2題は回答してみよう」。
オンラインで黙々とお題を進める学生がいれば、チャット欄に次々アイデアを書き込む者も。教室では、手書きでじっくり思考を深める学生の横で、アドバイスを受けてどんどん回答を更新する学生もいる。まさに稽古百景。EditCafeに回答が次々アップされる。極めつけは、終了時間の20時を過ぎても居残って、21時過ぎまで粘りの稽古を続けた2人の学生だ。
翌3日は、もはや恒例となったリアルサポートを実施。授業の合間に顔を見せ質問する学生、近大番と一緒にお題に取り組む学生、さらにはゼミのエントリー用作文を見てもらう学生まで登場。編集稽古に境界なし。なんでも来いだ。
リアルサポートで稽古する近大生と南田番
そのリアルサポートに参加できなかった学生から、翌日メールが届いた。
来月の稽古Dayは絶対参加します!
それを見た、編集工学研究所の橋本英人が返信する。
明日も稽古します! のタイプミスかな
学生はすかさず、こう返した。
当たり前すぎて書いてませんでした笑
もちろん今日も個人で稽古します
そして来月の稽古dayも参加します
宜しくお願いします!
稽古熱、じわじわ上昇中。この夏、いちばんアツいのは、もしかしたら55[守]の近大生かもしれない。最後の稽古Dayは8月19日に行われる。
アイキャッチ/稲森久純(55[守]師範代)
文/景山和浩(55[守]師範)
週刊キンダイ 連載中!
週刊キンダイvol.001 ~あの大学がついに「編集工学科」設立?~
週刊キンダイvol.002 ~4日間のリアル~
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コメント
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2025-11-25
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(※大ヒットした「孤独のグルメ」の原作者は「泉昌之」コンビの一人、久住昌之)