ISIS 20周年師範代リレー[第22期ゆう恵朱 世界各国から指南するザ・ナラジアン]

2021/07/18(日)09:36
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2000年に産声をあげたネットの学校[イシス編集学校]は、2020年6月に20周年を迎えた。第45期の師範代までを、1期ずつ数珠つなぎにしながら、20年のクロニクルを紹介する。

◇◇◇

Change! Yes We Can! 史上初の黒人の米国大統領バラク・オバマが2009年10月、ノーベル平和賞を受賞した。「Change!」の掛け声は世界を駆けめぐり、その飛沫(しぶき)は編集学校にも静かに伝わっていた。

 

第22期[守]のゆう恵朱師範代は、外資系企業に勤務し、中国語と英語と日本語を自由にあやつるトリリンガルなコスモポリタン。いや、それをいうなら「ナラジアン」だ(後述)。「風天バーミリオン教室」では、浅羽登志也師範の絶妙なサポートに支えられながら、超多忙を乗り越えて、世界各地の出張先から指南を届けた。さらに35[守]でも「東華西草教室」の師範代として2度目の登板をはたす。

 

師範代にとどまらず、日本と東アジアの未来を考える平城遷都1300年記念事業『NARASIA』(ナラジア)、『Roots of Japans』の翻訳チームのコーディネーターを務めるなど様々なプロジェクトを牽引した。また、「ビジネスで編集工学を!」のメッセージを掲げて次世代リーダー育成塾「ハイパーコーポレートユニバーシティ[AIDA]」にも参加。あまり知られていないが、手帖やノートの工夫編集に凝る、メモ魔でもある。

◎師範代メッセージ◎


 

>あのときメッセージ>

オバマの奏でる「チェンジ」にのり、歴史的圧勝で日本の政権は民主党に。それまでの何かを変えたい、変えなければ、という風の中スタートした稽古に、ISISを立体的に体感する松丸本舗も連なり、感門の頃にはそれぞれ晴れやかに次の天を仰いでいました。

 

>これからメッセージ>

指数関数的変化が平時となる時代に、切実へと向かう人々がつながるAPIとしての編集工学を

 

風天バーミリオン教室  ゆう 恵朱

 


 

●あの日!あの時!千夜千冊!●

〇男は溜息、女は鼻息。男は純情、女は度胸。男は本心、女は本気。

1323夜:プロスペル・メリメ『カルメン』

…2009年10月12日

◎すべては「たまたま」か「まぐれ」だったのだ

1331夜:ナシーム・ニコラス・タレブ『ブラック・スワン』

…2009年11月29日

⦿「たまたま」こそが問題だ

1334夜:イアン・ハッキング『偶然を飼いならす』

…2009年12月13日

Designed by 穂積晴明

 

 

  • 金 宗 代 QUIM JONG DAE

    編集的先達:宮崎滔天
    最年少《典離》以来、幻のNARASIA3、近大DONDEN、多読ジム、KADOKAWAエディットタウンと数々のプロジェクトを牽引。先鋭的な編集センスをもつエディスト副編集長。
    photo: yukari goto

コメント

1~3件/3件

川邊透

2025-07-01

発声の先達、赤ん坊や虫や鳥に憑依してボイトレしたくなりました。
写真は、お尻フリフリしながら演奏する全身楽器のミンミンゼミ。思いがけず季節に先を越されたセミの幼虫たちも、そろそろ地表に出てくる頃ですね。

川邊透

2025-06-30

エディストの検索窓に「イモムシ」と打ってみたら、サムネイルにイモムシが登場しているこちらの記事に行き当たりました。
家庭菜園の野菜に引き寄せられてやって来る「マレビト」害虫たちとの攻防を、確かな観察眼で描いておられます。
せっかくなので登場しているイモムシたちの素性をご紹介しますと、アイキャッチ画像のサトイモにとまる「夜行列車」はセスジスズメ(スズメガ科)中齢幼虫、「少し枯れたナガイモの葉にそっくり」なのは、きっと、キイロスズメ(同科)の褐色型終齢幼虫です。
 
添付写真は、文中で目の敵にされているヨトウムシ(種名ヨトウガ(ヤガ科)の幼虫の俗称)ですが、エンドウ、ネギどころか、有毒のクンシラン(キョウチクトウ科)の分厚い葉をもりもり食べていて驚きました。なんと逞しいことでしょう。そして・・・ 何と可愛らしいことでしょう!
イモムシでもゴキブリでもヌスビトハギでもパンにはえた青カビでも何でもいいのですが、ヴィランなものたちのどれかに、一度、スマホレンズを向けてみてください。「この癪に触る生き物をなるべく魅力的に撮ってやろう」と企みながら。すると、不思議なことに、たちまち心の軸が傾き始めて、スキもキライも混沌としてしまいますよ。
 
エディスト・アーカイブは、未知のお宝が無限に眠る別銀河。ワードさばきひとつでお宝候補をプレゼンしてくれる検索窓は、エディスト界の「どこでもドア」的存在ですね。

堀江純一

2025-06-28

ものづくりにからめて、最近刊行されたマンガ作品を一つご紹介。
山本棗『透鏡の先、きみが笑った』(秋田書店)
この作品の中で語られるのは眼鏡職人と音楽家。ともに制作(ボイエーシス)にかかわる人々だ。制作には技術(テクネ―)が伴う。それは自分との対話であると同時に、外部との対話でもある。
お客様はわがままだ。どんな矢が飛んでくるかわからない。ほんの小さな一言が大きな打撃になることもある。
深く傷ついた人の心を結果的に救ったのは、同じく技術に裏打ちされた信念を持つ者のみが発せられる言葉だった。たとえ分野は違えども、テクネ―に信を置く者だけが通じ合える世界があるのだ。