『キャラ者』は、”マンガ家”だった頃の江口寿史の、(まとまった作品としては)ほぼ最後の仕事。恐るべきクオリティの高さで、この才能が封印されてしまったのはもったいない。
「来年こそはマンガ家に戻ります!」と言ったのは、2016年の本の帯(『江口寿史KING OF POP SideB』)。そろそろ「来年」が来てもいいだろう。

コロナ禍の行動制限から解放され、多くの観光地が賑わうニュースが飛び交った。3年振りに湧いた大型連休明けの初日に開講するのが、イシス編集学校の第51期[守]基本コースである。
連休最終日、休みの終わりを寂しがる世間をよそに、真っ白な教室に師範代から颯爽とメッセージが届いた。編集の型を自在に使えるようする15週間の開幕の狼煙だ。
「困っております」。数日前に、若水尽きぬ教室の師範代、吉田麻子からSOSがあがった。教室のラウンジアイコンがアップできないのだ。ラウンジアイコンは、エディットカフェにログインした学衆を導く旗印である。稽古を進めるために欠かせないしつらいのひとつだ。師範代たちは、各々の教室名に肖って、選りすぐったものを仕立てる。これが掲げられないと具合が悪い。
連休にも関わらず、時を待たずに、方々から助太刀が寄せられる。師範の角山、阿久津に加えて、吉田と同じく用意に取りかかっていた師範代たちからもだ。斜月薫風教室の原田祥子、近場のダイモーン教室の畑本浩伸、五七五クノー教室の一倉広美が馳せた。「実は私も」と同じ問題に直面する師範代がいることも露わになる。数時間後、瑞々しい菱形の文様が若水尽きぬ教室に掲げられた。「今回も、たくさんの助けに感謝の思いは尽きません」という吉田の声が迸った。
一人の事件に、仲間が駆けつけ、編集の機になり、追い風にもなる。イシスの光景は連休中であっても変わらない。51[守]の19教室全ての教室アイコンが揃い踏んだ。茶事において、亭主はその場の出会いを尊び、茶碗はもちろん、菓子、道具の一切、床の間の花や軸、あらゆる構成要素を入念に設える。しつらいが尽くされることにより、亭主のもてなしも、客人のふるまいも、いっそう場に引き出される。稽古の充実への祈りを込めて、師範代が掲げた教室アイコンに護られ、いよいよ51[守]の開講だ。
(文:阿曽祐子)
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コメント
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