創(きず)があるからこその物語。
イシス編集学校 [物語講座]、小濱創師の名前の由来はそこにある。きずを意味する創の字は、創造の創でもある。
物語講座は多様だ。[破]から直接受講する人も、師範代や、ベテランの師範も同じく叢衆として受講する。その中で、14綴で大幅なお題改変を経ての二年目。15綴[物語講座]は師範と師範代のが躍動したと小濱創師は振り返る。
ナウシカ黒蜥蜴文叢(三津田恵子師範代)は、稽古のリズムが不規則だったが、ここぞの集中が素晴らしかった。天守よだか文叢(後藤泉師範代)は個性的な叢衆を後藤師範代がしっかりと受け止めた。はてしない裏庭文叢(小林奈緒師範代)では、リアルタイムではない指南が文叢を動かした。芳一ドン・キホーテ文叢(網口渓太師範代)は師範代が学衆をよく見ていた。叢衆が書く物語だけではなく、文叢自体が物語を作り出していたのだ。
『綴墾巻』は叢衆の物語が詰まっている、この期限りの一冊の本だ。叢衆の渾身の物語を、師範、師範代が一週間がかりで編集を重ねる。「声に出して読んでほしい。また違う物語が生まれてくる」と木村久美子月匠は叢衆に伝えた。回答として放たれた物語は、一冊の本になって新たに生まれ直した。
北條玲子
編集的先達:池澤祐子師範。没頭こそが生きがい。没入こそが本懐。書道、ヨガを経て、タンゴを愛する情熱の師範代。柔らかくて動じない受容力の編集ファンタジスタでもある。レコードプレイヤーを購入し、SP盤沼にダイブ中。
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