字像舎の新刊『いまこそ聴きたい孤高〈マーヴェリック〉の響き~僕が出会ったアメリカ実験作曲家たち』の刊行を記念して、10月23日にISIS FESTA イベントを開催します。
著者は、植物の電位変化データをメロディック・パターンに変換した作曲シリーズ《植物文様》で知られる作曲家の藤枝守さんです。恩師の湯浅譲二さんの勧めで20代で渡米(1982~89年)、アメリカ実験音楽の作曲家たちとの交流を通して音楽に対する思想や哲学、作曲方法に影響を受けた藤枝さんは帰国後、独自の音楽世界を次々に編み出していきます。
本著では藤枝さんと交わったアメリカ実験音楽の作曲家17名を紹介しますが、彼らに共通するキーワードは「孤高〈マーヴェリック〉」であること。社会の風潮やメジャー路線に流されない彼らの音楽に対する姿勢、その生き方は、時を経た今でも強烈なメッセージを放つのです。
刊行記念イベントは、長年交流のある文化人類学者の今福龍太さんとの対談でお送りします。今福さんが主宰する「奄美自由大学」でともに活動したこともある藤枝さんですが、近年では今福さんが制作した映像「松岡正剛 歪んだ真珠」の音楽でコラボレーションしています。2015年9月のイシス編集学校九州支所・九天玄氣組9周年イベント「九州の音なひ」(東京・本楼)では焼酎の発酵音響によるインスタレーションも披露し、好評を博しました。
〈孤高〉と書いて〈マーヴェリック〉と読む。本イベントでは時代に流されない魂の響きについてお二人に存分に語り合っていただきます。
[イベント概要]
■日時:2024年10月23日(水)19:00~21:30(開場 18:30)
■出演:藤枝 守(作曲家)、今福龍太(文化人類学者)
■参加費:リアル参加 4,000円(税込 4,400円)
オンライン参加 3,000円(税込 3,300円)
■会場:編集工学研究所「本楼」(世田谷区豪徳寺)
※オンライン参加の方には後日ZoomのURLをお送りします。
■定員:リアル参加につきましては、先着25名となります。
■参加資格:どなたでもご参加いただけます。
■参加特典:お申込者限定のアーカイブ動画あり(視聴期間1ヶ月程度)
■申込(URL):https://shop.eel.co.jp/products/detail/767
■申込締切:2024年10月22日(火)まで
■お問い合わせ:front_es@eel.co.jp
藤枝 守(作曲家)
[新刊情報]
『いまこそ聴きたい孤高〈マーヴェリック〉の響き
~僕が出会ったアメリカ実験作曲家たち』
著者:藤枝 守(作曲家)
版元:字像舎
刊行:10月中旬(Amazon電子書籍)
【本著で紹介する17人のアメリカ実験作曲家】
ジョン・ケージ(1912~1992)
ハリー・パーチ (1901~1974)
ルー・ハリソン (1917~2003)
モートン・フェルドマン(1926~1987)
テリー・ライリー(1935~ )
ポーリン・オリヴェロス(1932~2016)
デヴィッド・ダン(1953~ )
ロバート・アシュリー(1930~2014)
コンロン・ナンカロウ(1912~1997)
ピーター・ガーランド(1953~ )
ジョン・ゾーン(1953~ )
ダニエル・レンツ(1942~ )
ハロルド・バッド(1936~2020)
フィリップ・グラス(1937~ )
アルヴィン・ルシエ(1931~2021)
グレン・ブランカ(1948~2018)
ジェームス・テニー(1934~2006)
巻頭インタビュー:テリー・ライリー
解説:能勢伊勢雄
巻末:CDガイド
[プロフィール]
◎藤枝 守 (ふじえだ・まもる)
作曲を湯浅譲二やモートン・フェルドマンらに師事。植物の電位変化データに基づく《植物文様》シリーズを展開。著書に『[増補]響きの考古学』、『響きの生態系』など。CDとしてはアメリカのTZADIKから《The Night Chant》など3枚のアルバムがリリース。サラ・ケイヒルのピアノによる2枚組CD《Patterns of Plants》(Pinna Records)が2015年度のニューヨーク・タイムズ紙の推薦盤となる。《ルネサンスの植物文様》や《ガムラン曼荼羅》のアルバムが「レコード芸術」誌の準特選盤となる。最近のアルバムでは、28年ぶりに復刻された《エコロジカル・プラントロン》、高橋悠治との《「電脳カフェ」のための音楽》。
発酵音響による《甕の音なひ》や博多織の機音による《織・曼荼羅》、創作神楽《冬至にうたう阿知女作法》、モノオペラ《八雲の向日葵》、現代神楽「玉垂」などの舞台作品を手がける。2018年に《台湾茶の植物文様》(台湾大学アーティスト・レジデンス・プロジェクト)を発表。最近では「両界ガムラン曼荼羅」(自由学園明日館)、《ピアノとガムランのためのコンチェルトno.2》の初演(サントリー芸術財団委嘱)、「Patterns of Plants」(メルボルンASTRAシリーズ)が開催された。
《オーケストラの修辞学》で第5回入野賞。第7回日本現代藝術奨励賞。アメリカ大使館主催の現代音楽祭「インターリンク」の音楽ディレクターやアメリカ大使館助成による「パシフィック・クロッシング」音楽祭の音楽監督をつとめる。現在、喜界島サンゴ礁科学研究所特別研究員としてサンゴ骨格の水中録音による音響映像作品《珊瑚文様》を制作。2020年まで九州大学大学院芸術研究院教授。九州大学名誉教授。Ph.D. in Music (University of California, San Diego) 。
◎今福龍太(いまふく・りゅうた)
文化人類学者、批評家。1980年初頭よりメキシコをはじめラテンアメリカ各地でフィールドワークに従事。その後、国内外の大学で教鞭をとるいっぽう、2002年に遊動型の野外学舎「奄美自由大学」を創設、主宰している。著書は『クレオール主義』『群島―世界論』『身体としての書物』『ヘンリー・ソロー 野生の学舎』(読売文学賞)『宮沢賢治 デクノボーの叡知』(宮沢賢治賞・角川財団学芸賞)『ぼくの昆虫学の先生たちへ』『言葉以前の哲学 戸井田道三論』『霧のコミューン』など多数。イシス編集学校では『多読ジム・スペシャル 今福龍太を読む』を監修。ISIS co-mission。
※「字像舎」は2023年秋、イシス編集学校九州支所「九天玄氣組」組長の中野由紀昌が主宰する瓢箪座の出版レーベルとして旗揚げしました。命名はイシス編集学校・校長の松岡正剛さん、ロゴデザインは編集工学研究所デザイナーの穂積晴明さんです。
中野由紀昌
編集的先達:石牟礼道子。侠気と九州愛あふれる九天玄氣組組長。組員の信頼は厚く、イシスで最も活気ある支所をつくった。個人事務所として黒ひょうたんがシンボルの「瓢箪座」を設立し、九州遊学を続ける。
イシス編集学校に入門した2000年6月、EditCafeに届いた初めての投稿は「私が校長の松岡正剛です」でした。松岡正剛という人を知らずに入門したので「ふうん、この人が校長か」とさらっと受け止める程度でした。 初めて […]
セイゴオ大絶賛!九天玄氣マガジン『龍』デジタルブック 公開へ
「大義名分は年始挨拶だけど、実態は校長松岡正剛への恋文? それとも直訴状!?」とほくそ笑みながら企画から制作まですべての指揮をとるのは、九州支所「九天玄氣組」組長の中野由紀昌である。九天の年賀作品は、発足した2006年 […]
鹿児島には一風変わったヤツがいる。 男の名は、小川景一。アートディレクター、デザイナー、絵師、唐通事、庭師(修行中)…幾つもの顔を持つ彼は、イシス編集学校九州支所・九天玄氣組の仲間だが、じつは組員とはち […]
恋心ゆらめく「ホンとの話」を司書に託して【目次読書から共読へ】
学校図書館の司書は日々、生徒と本との出会いをとりもつ要(かなめ)として、本と向き合っている。本を介して世界を広げ、深く掘り、考えてみないかと、さりげなく背中を押してくれる。そんな司書たちが一堂に会する場で […]
福岡アジア美術館アートカフェ(福岡市)で2月18日に開催される「ひびきの旅」トークイベントに、イシス編集学校九州支所「九天玄氣組」組長の中野由紀昌がゲスト出演する。ホストは作曲家の藤枝守氏、場を仕立てるのはアートカフェ […]