56守で初登板される皆さまへキワメツキのサカイメ画像を。羽化が迫り、翅の模様が透けて見えてきたツマベニチョウのさなぎ。側面に並ぶ赤いハートマークが、学衆さんたちとの激しく暖かな交換を約束しております。
たまむしメガネ連教室・松田秀作師範代は、黒から緑を帯びたメガネにかけ換え、半解マイカ教室・登田信枝師範代は、占い師のような装いで石を半分に割った。半音タトゥー教室・榎田智子師範代は、その日おろしたばかりのズボンにできた創を見せ、モウソウ縁子さん教室・小林美穂師範代は、手にした灰色の日常世界の写真を破った。
左上:半解マイカ教室・登田信枝師範代、左下:モウソウ縁子さん教室・小林美穂師範代、右:半音タトゥー教室・榎田智子師範代
これは2024年10月5日に行われた、創守座での風景である。
54[守]の師範代たちは自身が作成したフライヤーを手に、15週間の編集稽古を通して出会う世界について全身で語った。A4の紙に収まりきらなかった想いを、つまみ食いしてみる。
■たまむしメガネ連教室・松田秀作師範代
手にしたのは編集の型を通して、世界の見方を変幻自彩に見ることができるメガネ。これを手渡し、日常で使ってもらうことが自分の使命だと宣言する。
■中ゴシABC教室・上原正行師範代
「中」とは新しいものも古いものも、つるつるもケバケバも、漢字もカナもアルファベットもある状態。中腰になって目線をずらし、この姿勢は探し続ける態勢だと話す。
■カタコト黄表紙教室・細井あや師範代
様々な木の色や風合いを活かし、組み合わせて作られる寄木細工の小箱。それを[守]での経験と重ねる。中に入っているのは、それぞれが持つ曖昧な感覚だと言うと、手にした小箱を揺さぶった。
■チリモンどんたく教室・小湊倫子師範代
オンライン参加であった小湊師範代。画面から飛び出るくらいの勢いでお囃子をうたいおどり全身で編集の面白さ表すと、自分の中にある可能性を秘めたモンスターを表象させようと、笑顔で伝えた。
左上:たまむしメガネ連教室・松田秀作師範代、左下:チリモンどんたく教室・小湊倫子師範代、右上:中ゴシABC教室・上原正行師範代、右下:カタコト黄表紙教室・細井あや師範代
創守座のちょうど一週間前、本楼では津田一郎氏による「カオス理論と物語編集」の講義があった。津田氏の語りによって、アルマスキャビアのような存在だったカオス理論が、いくらの醤油漬けくらい、距離が近づくように感じた。同じ場に立ち、語った54[守]師範代たち。彼らの語りもまた、編集なんて関係ないと思う人を、引き寄せる力があった。師範代が加わることによって、引き出されるうま味。彼らと共に味わう54[守]が間もなく始まる。
文・アイキャッチ/中村裕美(54[守]師範)
写真/阿久津健(54[守]師範)・北條玲子(54[守]師範)
◆イシス編集学校 第54期[守]◆
稽古期間:2024年10月28日(月)~2025年2月9日(日)
詳細・申込:https://es.isis.ne.jp/course/syu
イシス編集学校 [守]チーム
編集学校の原風景であり稽古の原郷となる[守]。初めてイシス編集学校と出会う学衆と歩みつづける学匠、番匠、師範、ときどき師範代のチーム。鯉は竜になるか。
かなりドキッとした。「やっぱり会社にいると結構つまんない。お給料をもらうから行っておこうかなといううちに、だんだんだんだん会社に侵されるからつらい」。数年前のイシス編集学校、松岡正剛校長の言葉をいまもはっきりとはっきり […]
花伝所の指導陣が教えてくれた。「自信をもって守へ送り出せる師範代です」と。鍛え抜かれた11名の花伝生と7名の再登板、合計18教室が誕生。自由編集状態へ焦がれる師範代たちと171名の学衆の想いが相互に混じり合い、お題・ […]
これまで松岡正剛校長から服装については何も言われたことがない、と少し照れた顔の着物姿の林頭は、イシス編集学校のために日も夜もついでラウンジを駆け回る3人を本棚劇場に招いた。林頭の手には手書きの色紙が掲げられている。 &n […]
週刊キンダイvol.018 〜編集という大海に、糸を垂らして~
海に舟を出すこと。それは「週刊キンダイ」を始めたときの心持ちと重なる。釣れるかどうかはわからない。だが、竿を握り、ただ糸を落とす。その一投がすべてを変える。 全ては、この一言から始まった。 […]
55[守]で初めて師範を務めた内村放と青井隼人。2人の編集道に[守]学匠の鈴木康代と番匠・阿曽祐子が迫る連載「師範 The談」の最終回はイシスの今後へと話題は広がった。[離]への挑戦や学びを止めない姿勢。さらに話題は松 […]
コメント
1~3件/3件
2025-11-04
56守で初登板される皆さまへキワメツキのサカイメ画像を。羽化が迫り、翅の模様が透けて見えてきたツマベニチョウのさなぎ。側面に並ぶ赤いハートマークが、学衆さんたちとの激しく暖かな交換を約束しております。
2025-10-29
中二病という言葉があるが、この前後数年間は、”生きづらい”タイプの人にとっては、本格的な試練が始まる時期だ。同時に、自分の中に眠る固有のセンサーが、いっきに拡張し、世界がキラキラと輝きを放ちはじめる時節でもある。阿部共実『月曜日の友達』は、そんなかけがえのない瞬間をとらえた一編。
2025-10-28
松を食べ荒らす上に有毒なので徹底的に嫌われているマツカレハ。実は主に古い葉を食べ、地表に落とす糞が木の栄養になっている。「人間」にとっての大害虫も「地球」という舞台の上では愛おしい働き者に他ならない。