自分史をグラフィックにする。
48[破]では、林頭の掛け声によってクロニクル番外お題「全然アートなわたし」が立ち上がる。イシス編集学校は言葉の学校であるが、自分史クロニクルを1枚の紙にグラフィックとしてまとめることにチャレンジした。感門之盟ではオリーブ・ビリーブ教室から私を含めて3名の学衆が「全然アートなわたし」を披露することになった。
インタビューが終わり、緊張が途切れぬまま舞台袖までの記憶はなかった。私たち3人(河野智寿、中川治靖、一倉広美)の前にふらりと校長が現れた。愉快げな声で「白地に黒の絵は力量が要るね」と声をかけられ、イラストへのクロスエディットなお題が飛び込んだ。
「漫画を描いてみたら。ストーリーを作るのがいいからね」
思いも寄らない助言に胸を突かれる。一つ扉が開いたように思った。
クロニクル図をあらためて見ると、それは憧憬の繁茂だった。幹から伸びた小枝も支線も支流も路地も憧れの蕾で撓っていた。枝が指す先には三十年来見上げていた松岡校長があった。流星が引き寄せられて衛星となるように、私は校長を巡る欠片となれたのだろうか。この日の衝撃は甘酸っぱく収斂された黄金色の光子(フォトン)となった。それを記憶の一番突き当たりの丁度良い大きさのポッケにほろりと仕舞うことにした。
いつでも光を感じられる私の宝物だから。
記事: 河野智寿(48[破]オリーブ・ビリーブ教室)
編集:師範代 山本ユキ(48[破]オリーブ・ビリーブ教室)
師範 華岡晃生
華岡晃生
編集的先達:張仲景。研修医時代、講座費用を捻出できず、ローンを組んで花伝所入門。師範代、離を経て、[破]師範に。金沢のエディットドクターKとして、西洋医学のみならず漢方にも造詣が深い。趣味は伝建地区巡り。
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