壁際のテーブルには 160冊の本が所狭しと並べられている。この日ナビを務める山根尚子と7人のテーブルコーチがそれぞれ20冊ずつ持ち寄ったテーブルコーチ文庫だ。『空海の夢』『雑品屋セイゴオ』松岡校長の本がある。『ないものあります』『手をめぐる四百字』『うれしい悲鳴をあげてくれ』思わずめくりたくなる本。『江戸の化物』『ヤクザと憲法』『地球と一緒に頭も冷やせ!』ゾクゾクっとする本。コーチ陣の数寄とフェチが詰まった選本だ。コーチの阿曽祐子が「本に囲まれると本楼みたい」とぽつり。まさしくここはミニ本楼なのだ。
ミニ本楼が現れたのは大阪と京都の中間に位置する大阪府高槻市。JR高槻駅前にある市民交流センター「クロスパル高槻」が会場となった。ワークのテーマは「新感覚!読書ワーク~本を使って、発想力アップ」。本を読むだけでなく、表紙、装丁、目次、触感など本のすべてを使い倒して編集力を鍛えることが目的だ。
18人の参加者は、まず「フェチで自己紹介」で軽くウォーミングアップ。本とともに「フェチ」もこの日の隠しキーワードになっている。
いよいよ本を使ったワークがスタート。自分のフェチに合うと感じたテーブルコーチ文庫から1人3冊を選ぶ。そのうちの1冊を自分に重ねて自己紹介する「ほんとのわたし」。ペアを組んだ相手に合うと思う本を贈り合う「ほんとうのあなた?」。贈られた方は表紙や目次、ページをめくり、どんな自分らしさを感じたかを話す。意外と見立てが当たっていたり、大きく外れていたり、笑い声が起こる。山根のニコニコ笑顔の仕切りで、ミニ本楼はすっかり和やかムード。お菓子の差し入れですっかり打ち解け会話も弾んでいる。
テーブルコーチによる「編集思考素」の説明の後は、いよいよメインワークの「妄想書店」。贈り合った本に私物の1品を1つプラスして新しい本を企画、表紙・目次・帯を仕立てようというものだ。テーブルコーチのアドバイスにも熱が入る。プラス1の私物を次々入れ替えて試すペア。連想を口に出してアイデアを広げるペア。早々にタイトルを決めイラスト入りの表紙を描き始めたペア。時間を延長しながら、ご覧の通りの18人9ペアの「妄想書店」新刊が出来上がった。
尾瀬嘉美さん&前田淳さん『手の中でできる冒険』
山口美咲さん&梶正人さん『触・食・SHOCK』
荒木裕大さん&清水邦厚さん『みんなきょうだい?』
福永法子さん&西野佐弥香さん『STORYで売れ』
村山静香さん&古橋睦之さん『異世界万華鏡』
舟岡沙耶さん&加藤一郎さん『森に学びよく生きる』
中川みちえさん&堀江純一さん『300年後の未来』
井澤満美さん&高潤香さん『すてきになる色めがね』
末藤紀子さん&仲畑純子さん『江戸を歩く』
予定を40分もオーバーするほど熱の入ったワーク。「型に乗せると言葉にしやすくなる」(仲畑さん)などの感想が寄せられた。最後に「編集とは」という山根の質問に清水さんが「編集とはゲノム」と即答。テーブルコーチを驚かす名答が、ミニ本楼の充実の1日を物語っていた。
大阪エディットツアー を担当した最強指導陣
景山和浩
編集的先達:井上ひさし。日刊スポーツ記者。用意と卒意、機をみた絶妙の助言、安定した活動は師範の師範として手本になっている。その柔和な性格から決して怒らない師範とも言われる。
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