何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

テスト・課題・就活には編集力が一番効く
学校のテスト結果に先がけて、55[守]番選ボードレール「一種合成」の講評が揃った。5日間にわたり届いた10本のほとんどに近大生の名前があった。やはり今期はひと味違うのだ。学衆の頑張りと師範代の指南はもちろんのこと、南田桂吾の存在が大きい。
大学2年生の春に入門し、[守][破][離]の講座を駆け抜け、花伝所を通過したのち、51[守]51[破]師範代を務めた近大のスターだ。
今期は先輩として近大番ロールを担う。番ボー期間中は毎日メッセージを届けた。学生はとにかく忙しい。しかし、それは当時の南田も同じ。 どんな想いでここまで続けることができたのか聞いてみた。
――入門のときから離まで行きたいと考えていました?
南田:最初は日々の活動に役立てられるように頑張ろうってくらいでしたが、気がつけば離まで誘い込まれてしまっていました。
――でも、忙しい学生生活の中でなかなか続けていくのって大変でしたよねぇ。なにか目標があったのかしら
南田:何も知ろうともしない編集を止めた大人たちにずっと失望していて、もしかしたら編集工学はそんな世界を変えられるのかもしれないという希望をみせてくれたのが、当時[守]の梅澤師範でした。
――これまでの大人たちとは違う人が編集学校にはいた。南田さんも、そういう大人になりたいと思ったんですね。編集工学に魅了され[離]まで駆け抜け、師範代まで進んだのはそういう仲間を増やしたいと思ったからですか。
南田:松岡正剛の火を継ぐ者として必要だと思ったからです。[離]を経て師範代になるときでした。[離]の期間の時、ちょうど20歳だったので年齢的にも誰よりも長く火を絶やさず灯し続けられる、灯し続けなければならないと思っていました。梅澤師範がそうしてくれたように、次に継ぐ人を増やす必要があるとも思い、校長の代として師範代になり編集工学の輪を広げる最前線に立つため離論を書いている最中に[花]に入伝申し込みをしました。
――離論は[離]の最後に退院後の抱負を記すものですもんね。代となる覚悟ができたということですか。
南田:そうです。今、自分より若い世代の編集に興味をもった近大生にほんの少しでもこの編集意志を継いで実利的な自身の編集力アップからはじめて、それぞれの生きる道でそれを発揮していってほしいなと思います。あわよくば深みを志す人が一人でもいてくれたらなと思っています。
続けてきた理由は知識やノウハウだけではなく、意外にも松岡校長や師範、師範代など先達への憧れがあったからだという。憧れは古語の”あくがる”に由来し「在るところを離れてさまよい、心を奪われる」という意味を持つ。お題に回答するときも、どこか松岡校長に届けたい、憧れの師範に驚いてもらいたい気持ちがあったのだろう。
南田は近大を卒業後、人間とテクノロジーの将来社会における関係を多様に実践するために、東京大学大学院へ進学している。先達の背中を追って稽古に取り組んでいるうちに型が手に馴染み、レポートやプレゼン、企画も、研究も、仕事にも活かせるようになっていくのだ。
7月2日は稽古Day。近大番として東京から駆けつけてくれるそうだ。
近大生にとっては、編集学校の師範代という確固たる背中だけではなく、近畿大学の兄貴という背中もある。
沢山の背中を追いかけて、稽古稽古!
アイキャッチ/稲森久純(55[守]師範代)
文/一倉広美(55[守]師範)
週刊キンダイ 連載中!
週刊キンダイvol.001 ~あの大学がついに「編集工学科」設立?~
週刊キンダイvol.002 ~4日間のリアル~
イシス編集学校 [守]チーム
編集学校の原風景であり稽古の原郷となる[守]。初めてイシス編集学校と出会う学衆と歩みつづける学匠、番匠、師範、ときどき師範代のチーム。鯉は竜になるか。
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これまで松岡正剛校長から服装については何も言われたことがない、と少し照れた顔の着物姿の林頭は、イシス編集学校のために日も夜もついでラウンジを駆け回る3人を本棚劇場に招いた。林頭の手には手書きの色紙が掲げられている。 &n […]
週刊キンダイvol.018 〜編集という大海に、糸を垂らして~
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2025-10-02
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