こちらは「マンガのスコア」のアーカイブコーナーです。
これまで掲載された「マンガのスコア」のリンク付きリストを一覧にするという趣旨なのですが、ただ並べるだけでは芸がないので、少し趣向を変えてみました。
題して【クロニクル風「マンガのスコア」リスト】です。
まずは、各作家につき一冊ずつ代表作を割り振ってみました。
「マンガ史的に重要な作品」という要素も加味しましたので、一般的な意味での代表作とは微妙にずれているケースもあります。
その上で、各作品の発表年(又は連載開始年)をもとに作家の順番を並べ替えてみました。
今までの連載では、できるだけランダムになるように、無茶苦茶な順番で書いてきたのですが、こうして並べ直してみると、なにか時代の流れのようなものが見えてきますね。
作品を渉猟する一助となれば幸いです。
☆☆戦後マンガのあけぼの☆☆
1946年 長谷川町子『サザエさん』(LEGEND41)
1948年 手塚治虫『ロストワールド』(LEGEND01)
1953年 杉浦茂『猿飛佐助』(LEGEND31)
長谷川町子『サザエさん』⑰姉妹社
手塚治虫『ロストワールド宇宙編』ふゅーじょんぷろだくと
杉浦茂『おもしろブック版猿飛佐助』青林工藝舎
☆☆トキワ荘と劇画工房 マンガの揺籃期☆☆
1956年 辰巳ヨシヒロ『黒い吹雪』(LEGEND11)
1956年 横山光輝『鉄人28号』(LEGEND18)
1959年 白土三平『忍者武芸帳』(LEGEND21)
1960年 水野英子『星のたてごと』(LEGEND05)
1961年 水木しげる『河童の三平』(LEGEND29)
1961年 石ノ森章太郎『竜神沼』(LEGEND36)
1962年 赤塚不二夫『おそ松くん』(LEGEND19)
1962年 平田弘史『血だるま剣法』(LEGEND32)
1965年 園山俊二『ギャートルズ』(LEGEND35)
横山光輝『鉄人28号』秋田書店
水野英子『星のたてごと』朝日ソノラマ
白戸三平『忍者武芸帳』小学館クリエイティブ
☆☆「ガロ」「マガジン」少女マンガ カンブリア大爆発期☆☆
1966年 梶原一騎『巨人の星』(LEGEND51)
1967年 ちばてつや『あしたのジョー』(LEGEND26)
1968年 本宮ひろ志『男一匹ガキ大将』(LEGEND22)
1968年 つげ義春『ねじ式』(LEGEND02)
1968年 さいとう・たかを『ゴルゴ13』(LEGEND39)
1969年 藤子不二雄A『ひっとらぁ伯父サン』(LEGEND08)
1969年 藤子・F・不二雄『ミノタウロスの皿』(LEGEND09)
1970年 林静一『赤色エレジー』(LEGEND25)
1972年 萩尾望都『ポーの一族』(LEGEND07)
1972年 永井豪『デビルマン』(LEGEND20)
1972年 山上たつひこ『喜劇新思想大系』(LEGEND27)
1976年 竹宮恵子『風と木の詩』(LEGEND14)
1976年 諸星大二郎『生命の木』(LEGEND34)
1977年 松本零士『銀河鉄道999』(LEGEND24)
1978年 大島弓子『綿の国星』(LEGEND23)
つげ義春『ねじ式』青林工藝舎
ちばてつや『あしたのジョー』⑪講談社
萩尾望都『ポーの一族限定BOX』小学館
☆☆ニューウェーブと「ジャンプ」 深化発展期☆☆
1978年 高橋留美子『うる星やつら』(LEGEND40)
1978年 吾妻ひでお『不条理日記』(LEGEND30)
1979年 いがらしみきお『ネ暗トピア』(LEGEND13)
1980年 大友克洋『童夢』(LEGEND38)
1980年 鳥山明『Dr.スランプ』(LEGEND03)
1980年 山岸凉子『日出処の天子』(LEGEND33)
1981年 丸尾末広『少女椿』(LEGEND45)
1981年 江口寿史『ストップ!!ひばりくん!』(LEGEND44)
1982年 宮崎駿『風の谷のナウシカ』(LEGEND37)
1982年 楳図かずお『わたしは真吾』(LEGEND16)
1983年 杉浦日向子『百日紅』(LEGEND47)
1986年 荒木飛呂彦『ジョジョの奇妙な冒険』(LEGEND42)
高橋留美子『うる星やつら』⑭小学館
鳥山明『Dr.スランプ』④集英社
大友克洋『童夢』双葉社
☆☆爛熟と多様化☆☆
1988年 近藤ようこ『水鏡綺譚』(LEGEND04)
1988年 かわぐちかいじ『沈黙の艦隊』(LEGEND46)
1989年 岡崎京子『pink』(LEGEND12)
1989年 吉田戦車『伝染るんです。』(番外編)
1990年 安彦良和『虹色のトロツキー』(LEGEND43)
1993年 岡野玲子『陰陽師』(LEGEND28)
1993年 松本大洋『鉄コン筋クリート』(LEGEND49)
1993年 鳩山郁子『スパングル』(LEGEND50)
1995年 高野文子『棒が一本』(LEGEND15)
1998年 井上雄彦『バガボンド』(LEGEND17)
1999年 浦沢直樹『20世紀少年』(LEGEND48)
2006年 山本直樹『レッド』(LEGEND06)
2006年 吉田秋生『海街diary』(LEGEND10)
2009年 駕籠真太郎『フラクション』(番外編)
2016年 吾峠呼世晴『鬼滅の刃』(番外編)
近藤ようこ『水鏡綺譚』筑摩書房
岡崎京子『pink』マガジンハウス
安彦良和『虹色のトロツキー』潮出版社
☆☆連載終了後に掲載された番外編☆☆
2018年 阿部洋一『それはただの先輩のチンコ』
2020年 魚豊『チ。』
2021年 トマトスープ『天幕のジャードゥーガル』
☆☆マンガのスコアを語る舞台裏編☆☆
◆なお、掲載順リストについては、「編集者紹介」からたどったコチラを見ていただくのがよいかと思います。最新版からの「降順」で表記されているので、後ろからたどることになります。
◆自室の書架にあるものの中から、連載の順番に沿って一作家一冊ずつ単行本を並べてみました。吾峠呼世晴と杉浦日向子の単行本は一冊も持っていないので省略。
堀江純一
編集的先達:永井均。十離で典離を受賞。近大DONDENでは、徹底した網羅力を活かし、Legendトピアを担当した。かつてマンガ家を目指していたこともある経歴の持主。画力を活かした輪読座の図象では周囲を瞠目させている。
山田風太郎『人間臨終図巻』をふと手に取ってみる。 「八十歳で死んだ人々」のところを覗いてみると、釈迦、プラトン、世阿弥にカント・・・と、なかなかに強力なラインナップである。 ついに、この並びの末尾にあの人が列聖される […]
文章が書けなかった私◢◤[遊姿綴箋] リレーコラム:堀江純一
デジタルネイティブの対義語をネットで検索してみると、「デジタルイミグラント」とか言うらしい。なるほど現地人(ネイティブ)に対する、移民(イミグラント)というわけか。 私は、学生時代から就職してしばらくするまで、ネット […]
桜――あまりにもベタな美しさ◢◤[遊姿綴箋] リレーコラム:堀江純一
今回のお題は「桜」である。 そこで、まず考えたのは、例によって「マンガに出てくる桜って、なんかなかったっけ」だった。(毎回、ネタには苦労しているのだ) しかし、真っ先に浮かんでくるのは、マンガよりも、むしろ映画やア […]
【追悼】鳥山明先生「マンガのスコア」増補版・画力スカウター無限大!
突然の訃報に驚きを禁じ得ません。 この方がマンガ界に及ぼした影響の大きさについては、どれだけ強調してもしすぎることはないでしょう。 七十年代末に突如として、これまでの日本マンガには全く見られなかった超絶的な画力とセンスで […]
今月のお題は「彼岸」である。 うっ…「彼岸」なのか…。 ハッキリ言って苦手分野である。そもそも彼岸なんてあるのだろうか。 「死ねば死にきり。自然は水際立っている。」(高村光太郎) という感覚の方が私にはしっくりく […]