花をうるおす師範たちへの贈り物 師範頌授与【83感門】

2024/03/16(土)20:00
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 83感門1日目は、桜の花も開花しそうなほど暖かな日和となった。師範代はイシスの花と呼ばれているが、その花もうるおいと支えがあってこそ咲き誇れる。そんな師範代をうるおす存在が師範たちだ。


 師範・番匠・評匠・遊筆・学匠を二期以上務めた者たちに贈られる「師範頌」は、通称Mグッズと呼ばれている。感門之盟ごとにさまざまなグッズが編集されてきたが、今回は83感門のメイン・ヴィジュアルをあしらったTシャツが贈られた。デザインを担当したのは、編集工学研究所の方源(デザイナー)穂積晴明。「エディット・タイド」というタイトルから、「新しいタイド(潮流)を起こす態度とは?」と問い、アンディ・ウォーホルの「日用品を異化する(日用品を「芸術」にする)」という姿勢に肖った「Brillo Box」をオマージュしたものとなっている。

 

83感門の師範頌を紹介する八田英子律師

 

 83感門Day 1では、守の師範・番匠・遊筆・学匠を二期以上務めた11名が師範頌を受け取った。
 ロールがさまざまあり着替えられる中、同じロールを連続して二期以上続けたのは初めての体験、52守のチーム力を感じたと語った稲垣師範。三期連続で師範を務めた角山師範は、だからこそ繰り返しちゃいけないと考えて臨んだという。師範たちも、52守という船で新しい潮流に乗り、態度を見せてきたのである。

 

左から相部礼子師範、稲垣景子師範、角山祥道師範、阿久津健師範、石黒好美師範、佐藤健太郎師範、景山和浩番匠、若林牧子遊筆。鈴木康代学匠はプレゼンターも務めた。

 

 師範頌は師範たちのみが受け取れる非売品のグッズであるため、このTシャツを入手することはできないが、なんと今回、このメイン・ヴィジュアルをあしらったトートバッグを購入できるチャンスが用意された。期間限定の受注販売で、購入期限は2024年3月末まで。急いでチェックしてみよう!

 


アイキャッチ・ビジュアルデザイン:穂積晴明 
写真:福井千裕 

  • 米田奈穂

    編集的先達:穂村弘。滋賀県長浜出身で、伝統芸能を愛する大学図書館司書。教室名の「あやつり近江」は文楽と郷土からとられた。ワークショップの構成力に持ち前の論理構築力を発揮する。

コメント

1~3件/3件

川邊透

2025-07-01

発声の先達、赤ん坊や虫や鳥に憑依してボイトレしたくなりました。
写真は、お尻フリフリしながら演奏する全身楽器のミンミンゼミ。思いがけず季節に先を越されたセミの幼虫たちも、そろそろ地表に出てくる頃ですね。

川邊透

2025-06-30

エディストの検索窓に「イモムシ」と打ってみたら、サムネイルにイモムシが登場しているこちらの記事に行き当たりました。
家庭菜園の野菜に引き寄せられてやって来る「マレビト」害虫たちとの攻防を、確かな観察眼で描いておられます。
せっかくなので登場しているイモムシたちの素性をご紹介しますと、アイキャッチ画像のサトイモにとまる「夜行列車」はセスジスズメ(スズメガ科)中齢幼虫、「少し枯れたナガイモの葉にそっくり」なのは、きっと、キイロスズメ(同科)の褐色型終齢幼虫です。
 
添付写真は、文中で目の敵にされているヨトウムシ(種名ヨトウガ(ヤガ科)の幼虫の俗称)ですが、エンドウ、ネギどころか、有毒のクンシラン(キョウチクトウ科)の分厚い葉をもりもり食べていて驚きました。なんと逞しいことでしょう。そして・・・ 何と可愛らしいことでしょう!
イモムシでもゴキブリでもヌスビトハギでもパンにはえた青カビでも何でもいいのですが、ヴィランなものたちのどれかに、一度、スマホレンズを向けてみてください。「この癪に触る生き物をなるべく魅力的に撮ってやろう」と企みながら。すると、不思議なことに、たちまち心の軸が傾き始めて、スキもキライも混沌としてしまいますよ。
 
エディスト・アーカイブは、未知のお宝が無限に眠る別銀河。ワードさばきひとつでお宝候補をプレゼンしてくれる検索窓は、エディスト界の「どこでもドア」的存在ですね。

堀江純一

2025-06-28

ものづくりにからめて、最近刊行されたマンガ作品を一つご紹介。
山本棗『透鏡の先、きみが笑った』(秋田書店)
この作品の中で語られるのは眼鏡職人と音楽家。ともに制作(ボイエーシス)にかかわる人々だ。制作には技術(テクネ―)が伴う。それは自分との対話であると同時に、外部との対話でもある。
お客様はわがままだ。どんな矢が飛んでくるかわからない。ほんの小さな一言が大きな打撃になることもある。
深く傷ついた人の心を結果的に救ったのは、同じく技術に裏打ちされた信念を持つ者のみが発せられる言葉だった。たとえ分野は違えども、テクネ―に信を置く者だけが通じ合える世界があるのだ。