ISIS FESTAスペシャル10/6(日)開催!今福龍太『霧のコミューン』生者から死者へ 死者から生者へ

2024/09/13(金)18:55
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文化人類学者、批評家、三線の唄者、吟遊詩人、たくさんのわたしを体現するISIS co-mmisionの今福龍太さん。昨夏の多読ジムSP「今福龍太を読む」は、今も記憶に新しいでしょうか。読了式での松岡正剛校長との対談は、遊刊エディストの記事にもなっています。今福さんの著作を取りあげた千夜千冊1085夜『クレオール主義』を読まれた方もおられるかと思います。

 

その今福さんが7月、満を持して『霧のコミューン』を上梓されました。パンデミック、戦争、気候変動、テクノロジーの暴走といった現代社会の抱える問題に促され、あるいは反時代的な作家の死、内省的な詩人たちの慎ましやかな声に触発され、折々に綴ってこられた文章が編まれています。

 

 霧とはなにかが消え去ってゆく名残りであり、その意味で実存の証拠でもあり、さらにはそこからなにかが出現する生成の予兆でもある。

――― 『霧のコミューン』より

 

石牟礼道子やヴァルター・ベンヤミン、ルイーズ・ブリュックらをひもときながら、微かな兆しを察知する。言葉を紡ぎ、生の模様を浮かびあがらせてゆく。今福さんの深い思索は、霧のなかを揺蕩うかのようです。

 

緒言

Prologue
小鳥もカタルーニャ語でさえずる街で  バルセロナ 叛コロナ日記

I
負のメフィストフェレス  広島のバラク・オバマ
〈対岸〉からの思想的挑発  フアン・ゴイティソーロ追悼

II
遠漂浪(とおざれ)きの魂、震える群島  石牟礼道子の億土から
アジアのなかの沖繩  川満信一への手紙

III
微気象のくにで  すべてのグレタ・トゥーンベリに
マスクの時代の仮面  問いつづける身体のために

IV
霧のなかのルイーズ・グリュック  寡黙な声のコミューン
〈白い日〉と歴史  戦火から遠く離れて

Epilogue
霧のコミューン  生成と予兆

Coda
希望の王国

『霧のコミューン』目次

 

このたび、刊行を記念してISIS FESTAスペシャルを2024年10月6日(日)に開催する運びとなりました。本イベントでは、『霧のコミューン』にちなんで今福さんみずから編集された「霧の映像」も公開されます。文字ではなく映像だからこそ伝わることもある。声でしか伝えられないこともある。この機会にぜひ、今福さんの佇まいを近くに感じながら、その声と世界に触れてみてください。

 

映像といえば、かつて今福さんは松岡校長に一篇の作品を贈られたこともありました。

(画像は、セイゴオちゃんねるのNEWSより)
「松岡正剛 歪んだ真珠」produced by 今福龍太

 

「志を同じくする編集学校と共闘していきます」
今福さんのISIS co-mmision就任メッセージは、この一節で結ばれています。

さっそく「共闘」が動きだしています。多読ジムの後、装い新たにはじまる多読アレゴリア。そのクラブのひとつ「群島ククムイ」の構想にあたり、今福さんは惜しみない助言と提案をくださっています。本を傍らに、12月に予定されている多読アレゴリアの開講も楽しみにお待ちください。

 


ISIS FESTA スペシャル

《今福龍太『霧のコミューン』生者から死者へ 死者から生者へ》

■日時:2024年10月6日(日)14:00-17:00
■参加費:リアル参加4,000円(税込4,400円)
       オンライン参加3,000円(税込3,300円)
■会場:編集工学研究所「本楼」(世田谷区豪徳寺)
     ※オンライン参加の方にはZOOMアクセスをお送りします。
■定員:リアル参加につきましては、先着20名となります。
■参加資格:どなたでもご参加いただけます。
■参加特典:お申込者限定のアーカイブ動画あり(視聴期間1ヶ月程度)。

■申込:https://shop.eel.co.jp/products/detail/759

■申込締切:2024年10月5日(土) 12:00まで

■お問い合わせ:front_es@eel.co.jp


 

<今福龍太さんプロフィール>
文化人類学者、批評家。1980年初頭よりメキシコをはじめラテンアメリカ各地でフィールドワークに従事。その後、国内外の大学で教鞭をとるいっぽう、2002年に遊動型の野外学舎「奄美自由大学」を創設、主宰している。著書は『クレオール主義』『群島―世界論』『身体としての書物』『ヘンリー・ソロー 野生の学舎』(読売文学賞)『宮沢賢治 デクノボーの叡知』(宮沢賢治賞・角川財団学芸賞)『ぼくの昆虫学の先生たちへ』『言葉以前の哲学 戸井田道三論』など多数。

 

  • 渡會眞澄

    編集的先達:松本健一。ロックとライブを愛し、バイクに跨ったノマディストが行き着いた沖縄。そこからギターを三線に持ち替え、カーネギーで演奏するほどの稽古三昧の日々。知と方法を携え、国の行く末を憂う熱き師範。番匠、連雀もつとめた。