豪徳寺の本楼には、菩提樹の立花が生けられていた。一週間前、松岡校長の四十九日に、贔屓の花屋から届けられたものだ。葉は枯れていても、膨らんだ蕾みに生を感じる。そんな10/6(日)の本楼の舞台で、いみじくも「生者から死者へ、死者から生者へ」と題された、今福龍太氏による『霧のコミューン』発刊記念イベントが開催された。
霧は気象現象であると同時に、メタファーでもあるということを忘れたくない
うっとりして、ぼうっとして、合理性の外側に放り出されたとき、霧は分別に対する問い直しを鋭く迫る
我々は決断を間違えて考えている。日々の小さな、ちょっとしたモードの違い、あるいは存在のあり方の違いのようなものを決然と受けとめ、諾い、そこに入っていく。そういう小さな、かすかな変身の決断が、最も重要で必要なもの。
松岡正剛の死を大きな分断と捉えたくない。彼を感じながら話をしたい。死が私たちに与えてくれる、ほんのわずかなものを忘れたくない。われわれはイタリックの感覚を忘れていはしまいか?
たくさんの編集的自己を抱えていた松岡校長、生者から死者へのモードチェンジはその顕れの一つなのかもしれない。その面影はISISの編集を益々加速させていく。「振り落とされないよう、センサーを開けなさいね」と低い声が耳に響いた。
イシスネオバロックを掲げた編集学校は、ISIS co-mission、伝習座ニュースタイルと続いて、12月に多読ジムを多読アレゴリアとしてリニューアルさせる。
今福氏を監修に迎えたクラブ・群島ククムイも誕生するので、ファンの方は早速申し込んでほしい。先着順なのでお早めに。
謎かけ、秘密が大好きという今福氏にサプライズをしかけたり、しかけられたり。一緒になって、子供時代の夕暮れ時を思い出して遊び尽くそう。
群島ククムイシスターズのみなさん。左から西村慧、渡會眞澄、阿曾祐子。
壇上のディスプレイにはGato Azul謹製の「変容の山」が並ぶ。一冊づつ手仕事で作られる美しい装丁。その奥には『リングア・フランカへの旅』も見える。昨年の多読SP今福龍太を読むでは、この本をキーブックに六つの島宇宙の航海に乗り出した。多読アレゴリアではどんな冒険がまっているのか期待が高まる。
映像の中で使用されていた「植物文様」の作曲家・藤枝守氏と今福龍太氏の対談が、豪徳寺・イシス編集学校で開催される。こちらもお見逃し無く!
■日時:2024年10月23日(水)19:00~21:30(開場 18:30)
■出演:藤枝 守(作曲家)、今福龍太(文化人類学者)
■参加費:リアル参加 4,000円(税込 4,400円)
オンライン参加 3,000円(税込 3,300円)
■会場:編集工学研究所「本楼」(世田谷区豪徳寺)
※オンライン参加の方には後日ZoomのURLをお送りします。
■定員:リアル参加につきましては、先着25名となります。
■参加資格:どなたでもご参加いただけます。
■参加特典:お申込者限定のアーカイブ動画あり(視聴期間1ヶ月程度)
■申込(URL):https://shop.eel.co.jp/products/detail/767
■申込締切:2024年10月22日(火)まで
■お問い合わせ:front_es@eel.co.jp
西宮・B・牧人
編集的先達:エルヴィン・シュレーディンガー。アキバでの失恋をきっかけにイシスに入門した、コンピュータ・エンジニアにして、フラメンコ・ギタリスト。稽古の最中になぜかビーバーを自らのトーテムにすることを決意して、ミドルネーム「B」を名乗る。最近は脱コンビニ人間を志し、8kgのダイエットに成功。
【多読アレゴリア:OUTLYING CLUB】少数なれど熟したり。はぐれ者で行こう!
多読アレゴリアWEEK開催中!!!!! 12月2日のオープンに向けて、全12クラブが遊刊エディストを舞台に告知合戦を繰り広げます。どのクラブも定員に届き次第、募集終了です。すでに締切間近のクラブもいくつかあるので、希望の […]
ISIS co-mission 対談 武邑光裕X林頭吉村 ~ 僕らがメディアを取り戻すために 【84感門】
4月にISIS co-missionメンバーに就任した武邑光裕氏と学林局林頭 吉村との対談が、感門之盟1日目の最後を飾った。遊刊エディストに連載中のコラム「新・メディアの理解」をテーマに、その意図するところを掘り下げた。 […]
退院式もいよいよ大詰め。典離・特別賞受賞者の発表を前に、感門之盟司会リレーのバトンは最終組に手渡された。2010年~2014年のアイコンとして選ばれたのは村井宏志・三津田知子のペア。 本日はキリッと締まった着物姿 […]
【第84回感門之盟】居合わせることの大切さ 〜 吉村林頭OPメッセージ
松岡校長の逝去からおよそひと月。遊刊エディストには、多くの人から寄せられた追悼文が、毎日途切れることなく掲載されている。ISIS編集学校設立25周年に当たる2024年。番期同門祭と銘打った第84回感門之盟は、校長健在時 […]
読み手は書き手を内包する~41[花]敢談儀 ようそこ先輩:吉居奈々師範
NEXT ISIS 6つの編集ディレクションは4番目に「編集は、『ものごとを前に』すすめる」と掲げている。無事に花伝所を放伝しても、自分に師範代が務まるかと、不安から登板に二の足を踏む放伝生もいる。しかし編集学校はどん […]