百合の葉にぬらぬらした不審物がくっついていたら見過ごすべからず。
ヒトが繋げた植物のその先を、人知れずこっそり繋げ足している小さな命。その正体は、自らの排泄物を背負って育つユリクビナガハムシの幼虫です。

週刊キンダイ、先週で終わったと思った方、多いのではないでしょうか。
門をすぎれば、次の門が開きます。
忙しき人に効きたる進破かな
55[守]卒門者を対象とした破ガイダンスが8月27日に実施された。近大生は4人が参加。ガイダンスのあと「稽古にどのくらい時間がかかるか」という質問があった。001番は時間制限5分だったが、破への準備お題である用法4、最後の2番は時間制限がない。破は一体どうなっているのだ?と、思うのは当然のこと。 原田学匠が「時間はいくらでもかけられます。文章を書くということに終わりはありません。どこで終わるかを自分で決めるのです。」と、破講座に潜む面白さをほのめかす。
「時間制限がない」ということは無限に書くということではなく、どこで止めるかを自分で決めていいということなのだ。渦中に入ってみると、いつの間にか忙しい方が書けるようになっていく。これはぜひ、体験してみてほしい。
型を破りて術に入る
文体編集術、クロニクル編集術、物語編集術、プランニング編集術、4つの編集術は、松岡校長のTHE仕事術。守で学んだことの実践編だ。“術”とは「何回も行って自分のものとなった能力。手仕事の能力。学問。わざ。」のこと。破講座では、守で身につけた型を、最初はぎこちなく使い、だんだん滑らかに体が覚えていって、自然に術となっていく。
たとえば、プランニング編集術。就活を終え、働く人へのロールチェンジをしつつある近大生にとって、これから向かう仕事の方法だと想定する人も多いだろう。しかし、それだけではない。プランニングとは企画すること。企画は、もっと日常にごろごろと転がっている。
サークル、ゼミ、会社のプロジェクトといったものだけでなく、恋人にラブレターを書くことも、昼ご飯を何にするか考えることも、目標に向かって戦略を立てることも、企画です。
(近大番 南田桂吾)
破講座を始めると、書くことが知文の、お昼ご飯がプランニングの、生きることが物語の、それぞれ稽古になっていくのだ。
4位一体の編集術
旅する年表
破ガイダンスでは白川番匠が「物語編集術をやりたいと進破する人は多いが、クロニクル編集術をやりたいと最初から言う人は少ないです。しかし、突破した後に何が楽しかったかを聞いてみると圧倒的にクロニクル編集術と答える人が多い」と話すと、破講座の経験者はみな頷いた。クロニクル編集術の材料は年表。歴史上の事件を年代に従って書き並べた表は、動かすことはできないと思っている人が多い。世界のことも、日本のことも、そして、自分においてもだ。
すこしお堅い印象の年表だが、クロニクル編集術にかかれば、足が生えて自由に旅することができるようになる。
年表、それは歴史の沈黙に対して自分で声をかけられる生きたアニメーショ ンなのである。
マグロワンダフル教室の9人をはじめ、55[守]は12人の近大生が卒門した。うち5人が進破を決めている。[破]でも新たな伝説を。まだ枠は残っている。
アイキャッチ/稲森久純(55[守]師範代)
文/一倉広美(55[守]師範)
週刊キンダイ 連載中!
週刊キンダイvol.001 ~あの大学がついに「編集工学科」設立?~
週刊キンダイvol.002 ~4日間のリアル~
イシス編集学校 [守]チーム
編集学校の原風景であり稽古の原郷となる[守]。初めてイシス編集学校と出会う学衆と歩みつづける学匠、番匠、師範、ときどき師範代のチーム。鯉は竜になるか。
歴史が動いた。2025年8月24日23時59分、55[守]の近大生の卒門率が57.1%に達した。5割を越えたのは6年ぶり。とりわけ、近大生だけのマグロワンダフル教室では「うわぁぁぁぁぁ!!!これで卒門ですぅぅ(´;ω; […]
注目の近大出身アスリート 甲子園では高校野球が佳境を迎えている。21日はベスト4が激突。55[守]の卒門日8月24日には優勝校が決まっているはずだ。 高校野球の開催期間、甲子園を球児に明け渡して1カ月近 […]
夏の甲子園はじまりました 第107回 全国高等学校野球選手権大会が8月5日に開幕した。このまま順調に進めば、決勝は8月23日。55[守]の卒門日は24日、甲子園も守講座も熱気あふれる日々が続きそうだ。 […]
映画『国宝』が連日大ヒット記録を更新している。その原作は吉田修一氏による同名の長編小説で、3年間歌舞伎の黒衣をまとい、楽屋に入った経験を活かして書き上げた。どうしたら歌舞伎っぽくなるか、この作品の「らしさ」を出せるかと […]
青空に鮮やかな5本のライン 夏の日差しがまぶしい青空に、白いスモークが5本の線を引いていく。航空自衛隊のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」が、大阪上空を飛んだのは7月12日・13日だった。大阪・関西万博の会場を […]
コメント
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2025-09-02
百合の葉にぬらぬらした不審物がくっついていたら見過ごすべからず。
ヒトが繋げた植物のその先を、人知れずこっそり繋げ足している小さな命。その正体は、自らの排泄物を背負って育つユリクビナガハムシの幼虫です。
2025-08-26
コナラの葉に集う乳白色の惑星たち。
昆虫の働きかけによって植物にできる虫こぶの一種で、見えない奥ではタマバチの幼虫がこっそり育っている。
因みに、私は大阪育ちなのに、子供の頃から黄色い地球大好き人間です。
2025-08-21
橋本治がマンガを描いていたことをご存じだろうか。
もともとイラストレーターだったので、画力が半端でないのは当然なのだが、マンガ力も並大抵ではない。いやそもそも、これはマンガなのか?
とにかく、どうにも形容しがたい面妖な作品。デザイン知を極めたい者ならば一度は読んでおきたい。(橋本治『マンガ哲学辞典』)