何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

公開されるエディスト記事は、毎月30本以上!エディスト編集部メンバー&ゲスト選者たちが厳選した、注目の”推しキジ” をお届けしています。見逃した方はぜひこちらの記事でキャッチアップを。
今回は、2025年5月に公開された記事の中から選ばれたオシ記事9選+αをご紹介します。
なぜ[破]を受講するとどんな文章でも書けるようになるのか?――[守]番匠の[破]再受講体験記
編集学校の指導陣として大活躍の石黒好美さんが[破]を再受講されたという、好奇心をくすぐる話題性抜群のニュースを、ご本人が生き生きとした体験記に仕立てた記事です。真摯な取り組みゆえに滲み出るユーモアのスパイスを利かせながらの、臨場感たっぷりのドキュメンタリーに、一気に引き込まれました。この記事の面白さは、魅力的なメタファーで展開していく筆力もさることながら、師範代とのやりとりを通した石黒さんの気づきのプロセスが、じつに緻密に描かれているところにあると思います。読み手は、おのずと受講の醍醐味と極意を、石黒さんとともに味わうことができるのです。すばらしい発見の過程で、[守][破]で学ぶ内容や編集術の骨法を巧みに紹介しているのも驚きでした。─丸 洋子
なぜ[破]を受講するとどんな文章でも書けるようになるのか?――[守]番匠の[破]再受講体験記
今期、[守]講座で番匠ロールを務める石黒好美さんが、昨シーズン、10年ぶりに[破]講座を再受講されました。この記事では、石黒さんご自身のおもいや気持ちもまじえつつ、[破]講座の稽古プロセスについて、編集術や型の学びも含めて丁寧に綴られています。濃密かつ貴重な内容であり、苛烈でありながら瑞々しい石黒さんの講座での学びを、ここまで共有してくださったことについて、深い感謝の気持ちが湧いてきました。
以前、松岡正剛校長が「まず今やれることをすべて出し切る。そこから編集が始まる」と話されていたことがありましたが、まさに石黒さんは稽古でもこの記事のライティングでも、その姿勢を体現してくださったのだと感じます。
[破]講座に関心がある方はもちろん、編集稽古に取り組むすべての方に、ぜひ読んでいただきたい推し記事です!
──上杉 公志
マツコ’s Plus one! 🐶
マツコのイチオシ、過去の体験記
その1.ああ、それでもジャイアンは歌う――46[守]新師範代登板記 ♯1
#角山ジャイアン祥道さん初師範代の体験記。これ、初めての師範代をやりながら日々綴るというスゴ技でした。アーカイブもあります。
その2.【エアサックス加藤の三度目の突破01】編集天狗と突破を誓う!
#吉村林頭が天狗に扮して心と力を尽くした【破】体験記。エアサックス加藤さんに天狗の心は届いただろうか。
#小倉加奈子析匠が[離]指導陣時代に綴った記録。門外不出といわれる[離]の日常をふせながら開ける挑戦でもあった。
近畿大学から毎期20人、イシス編集学校の特待生が選ばれている。しかし、これまではなぜか卒門率が悪い。そんな呪いを打ち破ろうと、この春に開講とともに始まったのが新企画「週刊キンダイ」。[守]師範陣がドキュメンタリーで追いかける記事は、「いつもの近大生」から「驚きの近大生」へ変化する事件を生むかもしれない。3年前の未来予想を引っ張ってくるところも心憎い演出である。── 吉村 堅樹
55守開講の12時間をスナップショットした記事も痺れた。リズムよく、流れるように読めるけれど、点をつないで描く絵のように、細やかな配慮がにじんでいる。タイトルの575調べもおしゃれだ。
白南風やきりきり鷗落ちゆけり 角川源義 ── 吉居奈々
なんといっても「ミドルシニア」に目が釘付けになりました。おそらくエディストで初出の言葉「ミドルシニア」。記事の登場人物は今期55[守]で活躍している3人のミドルシニア師範代+ミドルシニア師範。ですが、実はこの記事のライター&デスクである若林同朋衆&景山師範もミドルシニアだという。よって、ミドルシニアの、ミドルシニアによる、ミドルシニアのための初めてのエディスト記事なんです!── 後藤 由加里
ご存じNHK大河「べらぼう」のアレゴリア的見方を伝える連載も、早20回を達成。見どころは初登場大田南畝の「狂歌」と『日本的文芸術』的ながら、目のつけどころは南畝のお召し物「鰻つなぎ文様」に釘付けな『全然アート』。文も芸もサブカルもをマゼマゼした目利きは、さすが「大河ばっか!」ペア。その「大河漬」で『ことば漬』の日々の熱は、ここんとこ離脱していた大河も、ついでに朝ドラさえまた観ようかな、と思わせるカブキっぷりでした。大阪弁の南畝はアカンけど、この多軸編集こそアレゴリア!── 大音 美弥子
あれ・れご・ごり・りあ〜今こそ「アレゴリア」を見直したい【第二回工冊會】レポート
【多読アレゴリアTV】2025夏・キム代将が推す!アレ、レゴ、ゴリ、リア4部門のオススメクラブ
多読アレゴリア2025夏が6/2にスタートした。「多読アレゴリア」は松岡校長がこだわってつけたネーミングだ。おそらく千夜千冊1813夜アンガス・フィッチャー『アレゴリー』に「アレゴリア」の意味の秘密が潜んでいる。それを読みとくには「アレ」「レゴ」「ゴリ」「リア」の4つに分けると何かが見えてくる。工冊會でそういう話をしたら、その日の夕方に安田晶子さんのJUST記事があがっていた。は、早い! JUSTチーム、おそるべし! 夜は夜でアレゴリアTVの撮影があった。そこでは「アレ」から「リア」まで、それぞれ4つのおすすめクラブを紹介した。武田・一倉コンビとナイスフォローと山内くんの編集のおかげで、なんとかまとまりました!── 金 宗代
千夜千冊1813夜アンガス・フィッチャー『アレゴリー』より引用
”かくて、ひるがえってもう一度言っておくが、「別の話し方をする」(allos+agoreueim)というアレーゴリアの本来のはたらきは、生命情報体としてのわれわれが形成したり表現したりしたことにエピジェネティックでコンティンジェントな「別様の可能性」がありうるということを刻んでおくための編集技法だったということなのである。なんとなくはわかってもらえただろうか。” ── 松岡正剛 校長
【多読アワード】仮説を立てる心は科学である(畑本ヒロノブ)◎【忠】の宝珠
三冊筋プレスファンの一人、毎シーズン、発表が楽しみです。今回は[古典編]とのことで、みなさん『ヨブ記』やら『愚管抄』とか、よくもまあ読みましたね、スゴイ!エントリーした勇者に「仁義礼智忠信孝悌」の八徳大珠を贈って評しているのも心憎い。「中宮定子に捧げる挽歌」は美貌セレクトで読ませるし、「仮説を立てる心は科学である」はM好みお馴染み三冊をつなぐ粒たちの物語仕立て。そういえば、北斎の「神奈川沖波裏」でサーフィンしていた師範代もいました。やっぱ「本は三冊で読む!」に限りますね。── 田中 晶子
以上、2025年5月(+α)の記事から、エディスト編集部の”イチオシ” を厳選してお届けしました。みなさんのオシは、見つかりましたか?
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エディスト編集部
編集的先達:松岡正剛
「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。
イシス編集学校で予定されている毎月の活動をご案内する短信「イシスDO-SAY(ドウ-セイ)」。 10月は開講ラッシュの月。基本コース[守]、応用コース[破]、師範代養成コース[花伝所]、技法研鑽コース[遊] […]
【プレスリリース】「思考の武器、表現の食器、発想の楽器」を手に入れる。生成AI時代を生き抜く「編集力」を38の思考の型で鍛える基本コース第56期[守]、10月27日に開講。
株式会社編集工学研究所(本社:東京都世田谷区、代表取締役社長:安藤昭子)が運営するイシス編集学校は、インターネット上で24時間いつでもどこでも「編集術」を学べる学校として、2000年に開校、25周年を迎えました。 […]
第89回感門之盟「遊撃ブックウェア」(2025年9月20日)が終了した。当日に公開された関連記事の総覧をお送りする。 イシス校舎裏の記者修行【89感門】 文:白川雅敏 本を纏う司会2名の晴れ姿 […]
イシス編集学校のアドバイザリー・ボード「ISIS co-mission」(イシス・コミッション)に名を連ねる9名のコミッション・メンバーたちが、いつどこで何をするのか、編集的活動、耳寄りニュースなど、予定されている動静を […]
第88回感門之盟「遊撃ブックウェア」(2025年9月6日)が終了した。当日に公開された関連記事の総覧をお送りする。 なお、今回から、各講座の師範陣及びJUSTライターによる「感門エディストチーム」が始動。多 […]
コメント
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2025-10-02
何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)
2025-09-30
♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。
2025-09-24
初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。