イシスの学びは渦をおこし浪のうねりとなって人を変える、仕事を変える、日常を変える――。
日・韓・中・インドネシアでコミックを発行する漫画家であり、デザインも手掛けるマルチクリエイターであり、2匹の猫を飼う愛猫家であり、良きパパ。それが今野知さんだ。
イシス受講生がその先の編集的日常を語る、新しいエッセイシリーズ。編集学校で何を得たのか。何が変わったのか。第7回は、誰もが思う疑問を今野知さんが率直に綴る。
■■稽古は自己との対話だった
稽古で何を得たのか? これは守・破・物語講座を終えた僕にとって、疑問だった。
文章を書く技術や思考スキルは上がった。卒門後は稽古を役立てようと「あの型で文章を書いてみよう」とか「資料まとめにこの型を使おう」とか躍起になっていた。でもいつしかそんな気持ちは薄れ、稽古後1年経った今では、型を使わなくなってしまった。
それでも稽古に意味は感じている。楽しかった思い出に浸りたいわけでも、時間とお金を無駄にしていないと強がりたいわけでもない。理由はわからないが、稽古あっての今があるという気持ちだけは間違いない。
このエッセイに四苦八苦している僕を見た妻が「あなたは前より落ち着いたよね」と言った。僕はそれだと思った。
僕は嫌なことがあると、脳内で勝手にその後の展開を悪い方に想像してしまう癖があった。起こってもいない負の物語だ。稽古を始めた頃の僕は、それが原因で心に傷を負い不安定になっていた。
稽古は、自分と対話をするものが多かった。それが結果としてカウンセリングとなり、落ち着きを取り戻せたのだろう。
これが僕の稽古によって起こった変化だ。旅が己を見つめる良い機会となるように、僕には稽古が旅そのものだったのかも知れない。
▲今野さんは、子供が生まれてから、定期的にわが子をスケッチしている。パパ×漫画家のインタースコア。今野さんの日常は稽古そのものだ。
■編集後記■
今野知さんのエッセイは随分前から進行していたのですが、公開の順番の都合でボヤボヤしているうちに、別企画のインタビューに掲載を追い抜かれる羽目に。無念……。
文・写真提供/今野知(46[守]角道ジャイアン教室、46[破]ほろよい麒麟教室)
編集/角山祥道、羽根田月香
エディストチーム渦edist-uzu
編集的先達:紀貫之。2023年初頭に立ち上がった少数精鋭のエディティングチーム。記事をとっかかりに渦中に身を投じ、イシスと社会とを繋げてウズウズにする。[チーム渦]の作業室の壁には「渦潮の底より光生れ来る」と掲げている。
流通の本来を再編集する――浅沼正治のISIS wave #32
イシスの学びは渦をおこし浪のうねりとなって人を変える、仕事を変える、日常を変える――。 流通業界一筋の浅沼正治さんは、46歳の時にイシス編集学校で学んだことで、流通システムの見方ががらっとかわったという。 […]
イシスの学びは渦をおこし浪のうねりとなって人を変える、仕事を変える、日常を変える――。 2021年の秋、指導員の資格を持つほどスキー好きの夫に連れられ、新井隆子さんは北海道・ニセコに移住した。そこでの驚きの […]
ISIS waveで渦を増やしたい――チーム渦◎座談会 vol.3
イシスの学びは渦をおこし浪のうねりとなって人を変える、仕事を変える、日常を変える――。 受講生のエッセイシリーズ「ISIS wave」の連載30回&アーカイブ化を記念したチーム渦座談会。3日連続公開の最後を飾るのは、 […]
ISIS waveで書き手もうずうず――チーム渦◎座談会 vol.2
〝イシス編集学校と社会をつなげる〟を合言葉に、2023年3月から始まった、イシス編集学校受講生がエッセイの書き手となる「ISIS waveシリーズ」。 「チーム渦」の面々――花伝所から遊刊エディスト記者に進んだ羽根田 […]
ISIS waveは渦を起こす――チーム渦◎座談会 vol.1
〈渦潮の底より光生れ来る〉 俳人出口善子氏の句を掲げ、遊刊エディストの渦潮の底より「チーム渦」は生まれ出でた。〝イシス編集学校と社会をつなげる〟を合言葉に、2023年3月から「ISIS waveシリーズ」を連載し、編集 […]