コロナ禍から3年 本楼でやっと会える。47守破特別汁講開催

2023/03/30(木)19:00
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コロナにより、出会いの場が制限されて、早三年。だからこそ、人と繋がる事はとても大切な事になった。

 

いっせいに配信されるテキストのお題に、学衆は文字で回答を返す。その回答には、師範代からの指南が再び文字で返される。イシス編集学校はオンラインの学校で、「編集稽古」は文字だけで行われる。「文字だけのやりとりとは思えない」とは、学衆からよく聞く感想だ。お互いの回答を読み合いながらの4ヶ月は、考え方やものの見方が大きく変わり、ともに学んだ仲間たちとの絆はかたい。

 

コロナが流行する前までは、汁講と呼ばれる歓談の場で、初めて、師範代や教室の皆と会えるのだが、47期はコロナの蔓延により、汁講も、卒業を祝う感門之盟も、全てリモート開催になってしまった。実際に会うことはできない、だが、リモートならではのダントツがあるはず。イシス編集学校の師範代は、編集を諦めなかった。

 

リモート開催では場所の制約がない。日本各地にいる学衆をオンラインでつなぎ、全員参加のワークを考えた。普段のお題回答は読む、書くだけだが、画面にフリップを出し、師範代が話をしながら、師範がチャットにお題を出す。出てくる回答にその場でずばりと指南を返す師範代。ライブな編集稽古に盛り上がり、歓談はあっという間に時間が過ぎた。しかし、リモートで届けることができなかったものが一つある。それが本楼の空間だ。二万冊あまりの日本に関する本が、壁にも柱にも造られた本棚にみっしりと詰まっている。まるで生き物と対峙するかのような空間だ。松岡正剛校長の数寄の至極、本楼は感門之盟が行われるハレの場であり、特別な場所なのだ。

 

コロナ禍が始まり三年、マスクを外す機会も増えた今、本楼で、47守破限定の合同汁講「ふきよせ会」を行う。
ふきよせとは、紅葉や落ち葉、さまざまな葉が風に吹かれて、運ばれ、集まってくること。それにちなんで、数種類のお菓子を、彩り豊かに詰め合わせたものを「ふきよせ」という。
卒門、突破によって散っていった[守][破]の学衆たちが、47守破師範代有志の起こした風により、桜の花びらが集う花筏のように本楼に集まる、季節外れのふきよせの見立てだ。

ふきよせ会は4月9日開催。
お題を通して、心を寄せた仲間たちの一年半ぶりの「初めまして」が本楼に響き合う。

 

「47守破限定 特別合同汁講 ふきよせ会 詳細」

日時  :2023年4月9日(日)14:00~17:00
内容  :本楼ツアーや本の交換会のほか、おやつを食べながらの歓談。
参加費 :2,000円(税込)
     お支払いは当日現地で行います。
場所  :本楼
限定人数:30名

当日の持ち物
 ・参加費:2,000円
 ・「睡れるお宝本交換会」用の本:1冊
  参加者同士で本の交換会を行います。ご自宅にある、積読本や、オススメ本をご持参ください。
  誰の手元にいくかはわかりませんが、本の中(表紙裏など)にメッセージをご記入ください。

お申し込みはこちらから 


https://forms.gle/LUUee7cSSVcifgg2A

 

 

扉を開けると…

 

井寸房。 本楼への扉は4月9日に開く。

 

  • 北條玲子

    編集的先達:池澤祐子師範。没頭こそが生きがい。没入こそが本懐。書道、ヨガを経て、タンゴを愛する情熱の師範。柔らかくて動じない受容力の編集ファンタジスタでもある。レコードプレイヤーを購入し、SP盤沼にダイブ中。

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コメント

1~3件/3件

川邊透

2025-07-01

発声の先達、赤ん坊や虫や鳥に憑依してボイトレしたくなりました。
写真は、お尻フリフリしながら演奏する全身楽器のミンミンゼミ。思いがけず季節に先を越されたセミの幼虫たちも、そろそろ地表に出てくる頃ですね。

川邊透

2025-06-30

エディストの検索窓に「イモムシ」と打ってみたら、サムネイルにイモムシが登場しているこちらの記事に行き当たりました。
家庭菜園の野菜に引き寄せられてやって来る「マレビト」害虫たちとの攻防を、確かな観察眼で描いておられます。
せっかくなので登場しているイモムシたちの素性をご紹介しますと、アイキャッチ画像のサトイモにとまる「夜行列車」はセスジスズメ(スズメガ科)中齢幼虫、「少し枯れたナガイモの葉にそっくり」なのは、きっと、キイロスズメ(同科)の褐色型終齢幼虫です。
 
添付写真は、文中で目の敵にされているヨトウムシ(種名ヨトウガ(ヤガ科)の幼虫の俗称)ですが、エンドウ、ネギどころか、有毒のクンシラン(キョウチクトウ科)の分厚い葉をもりもり食べていて驚きました。なんと逞しいことでしょう。そして・・・ 何と可愛らしいことでしょう!
イモムシでもゴキブリでもヌスビトハギでもパンにはえた青カビでも何でもいいのですが、ヴィランなものたちのどれかに、一度、スマホレンズを向けてみてください。「この癪に触る生き物をなるべく魅力的に撮ってやろう」と企みながら。すると、不思議なことに、たちまち心の軸が傾き始めて、スキもキライも混沌としてしまいますよ。
 
エディスト・アーカイブは、未知のお宝が無限に眠る別銀河。ワードさばきひとつでお宝候補をプレゼンしてくれる検索窓は、エディスト界の「どこでもドア」的存在ですね。

堀江純一

2025-06-28

ものづくりにからめて、最近刊行されたマンガ作品を一つご紹介。
山本棗『透鏡の先、きみが笑った』(秋田書店)
この作品の中で語られるのは眼鏡職人と音楽家。ともに制作(ボイエーシス)にかかわる人々だ。制作には技術(テクネ―)が伴う。それは自分との対話であると同時に、外部との対話でもある。
お客様はわがままだ。どんな矢が飛んでくるかわからない。ほんの小さな一言が大きな打撃になることもある。
深く傷ついた人の心を結果的に救ったのは、同じく技術に裏打ちされた信念を持つ者のみが発せられる言葉だった。たとえ分野は違えども、テクネ―に信を置く者だけが通じ合える世界があるのだ。