目玉入道、参上。
体を膨らませ、偽りの目玉(眼状紋)を誇張して懸命に身を守ろうとしているのは、カイコの原種とされるクワコの幼虫。クワコの繭から取れるシルクは、小石丸のそれに似て細く、肌触りがよいらしい。
夏の日差しがまぶしい青空に、白いスモークが5本の線を引いていく。航空自衛隊のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」が、大阪上空を飛んだのは7月12日・13日だった。大阪・関西万博の会場を中心に、各地でその姿を見ることができた。
「万博でブルーインパルスを見てきました」
うたしろ律走教室の近大生は、回答の冒頭にさっそく書き込んだ。「とてもかっこよくて思わずため息が出ました」。感動すると人は伝えずにいられない。
番選ボードレールという山を越えた55[守]。オール近大生のマグロワンダフル教室は、大躍進の7人エントリー。師範代・稲森久純が、一人一人に声を掛ける「ダイレクトメール作戦」が功を奏した。他の教室からも2人がエントリー。計9人。マグロも元気だが、近大生が生き生きしている。
近畿各地の夏祭りに出掛けているというヤキノリ微塵教室の近大生は「お祭り男」。祇園祭でゴミ拾いを手伝っていると、テントをものすごいスピードで畳む大人に遭遇し、思わず「格が違う」と感じたそうだ。街の達人はどこにでもいる。しかし達人の方でも、大学生の所作に舌を巻いているかもしれない。イシスの教室での年齢を超えた出会いのように。
6機のブルーインパルスが描く5本の線
このような声も増えてきた。
「テスト前ですが、体は動かすようにしています」
「テスト前で色々なものに追われていますが、夏休みのために頑張っています」
テスト前…そう、近大生にはもうひとつの大きな山があった。定期試験だ。7月28日~8月5日の日程で行われる。55[守]は用法4が始まったばかりだが、大事な試験には集中してほしい。しかし、ここまで積み上げてきた編集稽古。必ず帰ってきて卒門してほしい。そんな願いを込めて、かつて試験を乗り越え卒門した近大受講生の言葉を、過去記事からピックアップしてみた。まずは52[守]の3人に登場してもらおう。
カミ・カゲ・イノリ教室の水上さんはこう話していた。
回答をためこまないこと。分からないなりにも書けたところまでで出すのが大事。師範代はめちゃめちゃ優しくて、どんな回答にも絶対にきっちり向き合って指南してくれるから。
貯めずに出す。これが何より大事。全部できていなくても書けたところだけ出してもいい。試験期間の息抜きに、少し回答するだけでも構わない。
教室の効果について語ってくれたのは、千離万象教室の中村さんだ。
教室の仲間との交流も楽しんでほしい。おすすめの本を紹介してもらったり、大学生活だけでは出会えない人との関係づくりもできますよ。
試験のことを話題にすれば、師範代や仲間からのエールがきっと届くはずだ。
パズル蒸着教室の佐々木さんは、これからの時代は編集が大事だと力を込めた。
“編集”って、最初はすぐには役立たない知識だと思うかもしれないけど…、世の中のあらゆる事情がめまぐるしく変動する時代に、「地」の異なる他者の価値観を知る能力は、新しい知を生み出す力になると思います。これからますますイシス編集学校の重要性は高まっていくと思う。
知が問われる試験も、新しい知を生み出す編集もどちらも大切。特に編集は、これから社会に出ていく近大生にぜひ身に着けてほしい。
続いて47[守]どんでんコマンド教室で近大生初の師範代になった中村慧太さんの言葉に耳を澄まそう。
お題をこなすだけではなくて、「師範代を驚かせる」とか「1日3題」とか自分でゲームを作るように稽古すると楽しめました。
回答のルールは自分で作ることもできる。1日10分はお題を考える、1日1題は回答するとか。編集稽古をルル3条してみよう。
師範代は回答が送られてくると喜ぶから安心して送ってほしい。(回答が遅れて)謝りたい気持ちもわかるけれど、謝らなくて大丈夫。謝るなら「早く送っちゃってごめんなさい」と別パターンをぜひ!
遅れたからって必要以上に臆することはない。むしろ師範代は回答を喜んでくれる。師範代経験者が言うのだから間違いない。さらに中村さんは守を終えて、自分に起こった変化を感じたという。
周りからは「話し方が変わった」と言われましたね。雑談のオチを《BPT》で考えたり、就活の面談でも自分の強みと欲しい人材を《ベース》と《ターゲット》において対策をしたりしました。
日常に編集の型が入ってくる。思考の癖を知り、得意手を作ることができれば、セルフプロデュースだって可能だ。勉強や就活、バイトなど、あらゆる場面で役立てることができるようになるはずだ。
4人の先輩の言葉でエネルギーチャージを。そして青空に鮮やかな航跡を描くブルーインパルスのように、自由に、しなやかに、力強く軌跡を描いてほしい。試験、応援しています。
アイキャッチ/稲森久純(55[守]師範代)
文/景山和浩(55[守]師範)
週刊キンダイ 連載中!
週刊キンダイvol.001 ~あの大学がついに「編集工学科」設立?~
週刊キンダイvol.002 ~4日間のリアル~
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編集学校の原風景であり稽古の原郷となる[守]。初めてイシス編集学校と出会う学衆と歩みつづける学匠、番匠、師範、ときどき師範代のチーム。鯉は竜になるか。
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コメント
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2026-03-17
目玉入道、参上。
体を膨らませ、偽りの目玉(眼状紋)を誇張して懸命に身を守ろうとしているのは、カイコの原種とされるクワコの幼虫。クワコの繭から取れるシルクは、小石丸のそれに似て細く、肌触りがよいらしい。
2026-03-10
平和に飛び交うモンシロチョウも、地球史スケールでは、ほんの少し前に日本にやって来たばかりのパイオニアらしい。押さえきれない衝動に駆り立てられて彼方に旅立つ人たちの原型は、海をわたる蝶なのかもしれない。
2026-03-05
かつて「大人マンガ」というジャンルがあった(詳しくは「マンガのスコア 園山俊二」参照)。この周辺には、ファインアートと踵を接する作家たちが数多く存在する。タイガー立石もその一人。1982年、工作舎から刊行された『虎の巻』は、まさしくオトナのためのマンガの最極北。いいお酒といっしょにちびちび味わいたい。