かつて「大人マンガ」というジャンルがあった(詳しくは「マンガのスコア 園山俊二」参照)。この周辺には、ファインアートと踵を接する作家たちが数多く存在する。タイガー立石もその一人。1982年、工作舎から刊行された『虎の巻』は、まさしくオトナのためのマンガの最極北。いいお酒といっしょにちびちび味わいたい。
週刊キンダイ、先週で終わったと思った方、多いのではないでしょうか。
門をすぎれば、次の門が開きます。
忙しき人に効きたる進破かな
55[守]卒門者を対象とした破ガイダンスが8月27日に実施された。近大生は4人が参加。ガイダンスのあと「稽古にどのくらい時間がかかるか」という質問があった。001番は時間制限5分だったが、破への準備お題である用法4、最後の2番は時間制限がない。破は一体どうなっているのだ?と、思うのは当然のこと。 原田学匠が「時間はいくらでもかけられます。文章を書くということに終わりはありません。どこで終わるかを自分で決めるのです。」と、破講座に潜む面白さをほのめかす。
「時間制限がない」ということは無限に書くということではなく、どこで止めるかを自分で決めていいということなのだ。渦中に入ってみると、いつの間にか忙しい方が書けるようになっていく。これはぜひ、体験してみてほしい。
型を破りて術に入る
文体編集術、クロニクル編集術、物語編集術、プランニング編集術、4つの編集術は、松岡校長のTHE仕事術。守で学んだことの実践編だ。“術”とは「何回も行って自分のものとなった能力。手仕事の能力。学問。わざ。」のこと。破講座では、守で身につけた型を、最初はぎこちなく使い、だんだん滑らかに体が覚えていって、自然に術となっていく。
たとえば、プランニング編集術。就活を終え、働く人へのロールチェンジをしつつある近大生にとって、これから向かう仕事の方法だと想定する人も多いだろう。しかし、それだけではない。プランニングとは企画すること。企画は、もっと日常にごろごろと転がっている。
サークル、ゼミ、会社のプロジェクトといったものだけでなく、恋人にラブレターを書くことも、昼ご飯を何にするか考えることも、目標に向かって戦略を立てることも、企画です。
(近大番 南田桂吾)
破講座を始めると、書くことが知文の、お昼ご飯がプランニングの、生きることが物語の、それぞれ稽古になっていくのだ。
4位一体の編集術
旅する年表
破ガイダンスでは白川番匠が「物語編集術をやりたいと進破する人は多いが、クロニクル編集術をやりたいと最初から言う人は少ないです。しかし、突破した後に何が楽しかったかを聞いてみると圧倒的にクロニクル編集術と答える人が多い」と話すと、破講座の経験者はみな頷いた。クロニクル編集術の材料は年表。歴史上の事件を年代に従って書き並べた表は、動かすことはできないと思っている人が多い。世界のことも、日本のことも、そして、自分においてもだ。
すこしお堅い印象の年表だが、クロニクル編集術にかかれば、足が生えて自由に旅することができるようになる。
年表、それは歴史の沈黙に対して自分で声をかけられる生きたアニメーショ ンなのである。
マグロワンダフル教室の9人をはじめ、55[守]は12人の近大生が卒門した。うち5人が進破を決めている。[破]でも新たな伝説を。まだ枠は残っている。
アイキャッチ/稲森久純(55[守]師範代)
文/一倉広美(55[守]師範)
週刊キンダイ 連載中!
週刊キンダイvol.001 ~あの大学がついに「編集工学科」設立?~
週刊キンダイvol.002 ~4日間のリアル~
イシス編集学校 [守]チーム
編集学校の原風景であり稽古の原郷となる[守]。初めてイシス編集学校と出会う学衆と歩みつづける学匠、番匠、師範、ときどき師範代のチーム。鯉は竜になるか。
『関西汁講~型を身体に通す・京都まち歩き~』再演【56[守]】
参加者の脳内がカオス状態にさしかかりつつあった56[守]向け特別講義の最終局面で、登壇者の津田一郎さんから最後のメッセージが放たれた。 「Needs」ではなく「Wants」に向かえ 「Needs」は既に誰もが必要と […]
イシスが「評価」の最前線だ(後編)--対話から生みだす(56[守])
イシス編集学校[守]コースには、既存の価値観におもねることなくユニークな「評価」を繰り出す目利きの集団、同朋衆がいる。前編に続いて、同朋衆の「評価」の秘訣を解き明かしていく。 ◆評価者は対話する 「番ボ […]
イシスが「評価」の最前線だ(前編)--才能をひらくために(56[守])
いま「評価」がますます貧しくなっている。衰えて細っている。 「いいね!」の数や再生数の多さばかりがもてはやされ、「あなたにぴったりですよ」とニュースもエンタメも今日の献立も転職先も、次から次へとAIが選んでくれる。 […]
世間では事業継承の問題が深刻化しているが、イシス編集学校では松岡校長の意伝子(ミーム)を受け継ぐ師範代になるものが後を絶たない。56[守]では、初の”親子”師範代、スクっと芍薬教室の原田遥夏師範代が誕生した。まもなく卒門 […]
春のプール夏のプール秋のプール冬のプールに星が降るなり(穂村弘) 季節が進むと見える景色も変わる。11月下旬、56[守]の一座建立の場、別院が開いた。18教室で136名の学衆が稽古していることが明らかに […]
コメント
1~3件/3件
2026-03-05
かつて「大人マンガ」というジャンルがあった(詳しくは「マンガのスコア 園山俊二」参照)。この周辺には、ファインアートと踵を接する作家たちが数多く存在する。タイガー立石もその一人。1982年、工作舎から刊行された『虎の巻』は、まさしくオトナのためのマンガの最極北。いいお酒といっしょにちびちび味わいたい。
2026-03-03
桃の節句に、桜の葉が好きなモモスズメ。飼育していると、毎日、たくさんの糞をするが、それを捨てるのはもったいない。こまめに集めて珈琲フィルターでドリップすれば、桜餅のかほりを放つ芳しき糞茶のできあがり。
2026-02-24
昆虫観察には、空間の切り取りに加えて、時間軸を切り裂くハサミをタテヨコ自在に走らせるのもおすすめ。この天使のようなミルク色の生き物は、数十分間の期間限定。古い表皮を脱ぎ捨てたばかりのクロゴキブリです。