黒板に一瞥をくれ、松岡正剛が色紙遊びを始めた。
「これを」「7ヶ所くらいあるといい」「直線のほうがいい」カッターを手に、色紙を切り出す。45[守]伝習座の前夜のことだった。
2m×50cmの黒板に点在する、21枚の教室名札。
カッターは八田英子律師の手に渡る。生み出される紙の閃光。夜空にきらめく教室名の星座群が、原色でみるみる彩られてゆく。
「タテばっかりじゃなくてヨコも」「あいだのほうがいいんじゃない」
律師のデザインセンスが試される。
「岡本太郎的ですね」
田中晶子所長は目を細めた。一気に華やぐ教室名たち。教室札は所長お手製なのだ。
色紙は”仮留め”されている。ビデオチェックの手を止め、校長が黒板の前に立つ。
「あのピンクのツルみたいなやつ、もっとまわりこませて」
1枚1枚に指示を入れる。八田律師がいったんはがし、2cm左にずらす。
「もうちょい上」「よし。これで固めよう」
色紙の裏側にテープのりを引っ張り、黙々と貼りつける八田律師。
切った校長・貼った律師。
師範代を迎え撃つ準備は整った。
(写真:後藤由加里)
本来、学林堂に吊り下げられる教室札。この伝習座のため、例年より早めに制作された。ベニヤを2枚重ねる手間が掛かっている。穴開け前の出来たてほやほや。
梅澤奈央
編集的先達:平松洋子。ライティングよし、コミュニケーションよし、そして勇み足気味の突破力よし。イシスでも一二を争う負けん気の強さとしつこさで、講座のプロセスをメディア化するという開校以来20年手つかずだった難行を果たす。校長松岡正剛に「イシス初のジャーナリスト」と評された。
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