この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

多読アレゴリアWEEK開催中!!!!!
12月2日のオープンに向けて、全12クラブが遊刊エディストを舞台に告知合戦を繰り広げます。どのクラブも定員に届き次第、募集終了です。すでに締切間近のクラブもいくつかあるので、希望のクラブに絶対入りたいという方はお早めの申込をオススメします!!!!!
身体の再編集で遊ぼう、我々は身体をここまで多面的に見たことがあるか!
身体は生まれたときから我々につきまとう。
しかし我々は、実は身体についてほとんど知らない。
身体はあらゆる地のもとで違った姿を見せる。
目的であり、手段であり、モノであり、コトである。
連続しており、断続している。
知覚体であり、メディアである。
身体多面体茶論は、身体の共読を通じて身体を巡る様々な編集を行うという野心的な場を提供します。
そして、自分なりの身体観をつくりあげるための場をしつらえる!のが本クラブです。
生物学者である中村桂子さんの著書『生命誌とは何か』には、こう書かれています。
人間の好奇心が、物の見方、つまり「観」という形で知として体系化されていった対象は、まず宇宙と人間でした。・・・宇宙はマクロコスモス、人間はミクロコスモスと捉えられていたのです。
我々は自分の身体についてあまりにも無知です。なぜなら、我々の注意はどうしても身体の外側にあるマクロコスモスに向けられがちなところがあるからです。それはいけません、勿体ない。
本クラブを機会に人間であるミクロコスモスに注意を向け、身体についての世界観、そして自分なりの身体観をつくっていこうじゃありませんか。
では、そのためにはどうするのか?
本サロンでは注意のカーソルを「身体」に向け、様々な本や体験を通して「身体を多読」していきます。「身体を多読」とは、われわれの「身体」を介して読む、ということです。
一即多、多読として多くを読み、それを共読として各個人が読んだ体験を共有する。そして、みんなが共有できる「多面的な身体観」を作り上げます。
ではなぜ、みんなが共有できる「多面的な身体観」を目指すのか。
中村桂子さんは、現代はみんなが共有できる世界観が持ちにくいといいます。ゆえに、
「新しい神話」をつくる必要がある、生きる喜びを大切にするための世界観をつくりあげたい、そのためには、自然・人間・人工の関係を明確にする必要がある
自然・人間・人工の関係を明確にする、その手段の一つとして「人間」を「人間の身体」と読み替えて新たな関係を構築します。そして「人間の身体」から「多面的な身体観」を作り上げることで、みんなが共有できる世界観ができると考えています。
「多面的な身体観」を作り上げるためのアプローチとして、XYZの3軸で毎シーズン進めていきます。
◆今シーズンの3軸と課題図書◆
X軸=進化 ・・・生きものとしての身体を知るという視点
中村桂子著『生命誌とは何か』講談社学術文庫
Y軸=美食 ・・・文化・文明を生み出した身体を知るという視点
ガイ・クロスビー著『美食を求める人類の旅』ニュートンプレス
Z軸=資本主義 ・・・資本主義のもとで取引される身体を知るという視点
カウシック・スンター・ラジャン著『バイオキャピタル』青土社
多読アレゴリア「身体多面体茶論」では、XYZの3軸で編集工学の視点から「身体」を多面的に読み解いていきますヨ。というと難しそうですが、まあ、エクササイズしたり、美味しいもの食べたり、投資したりするので、いたって「身体的」なんです(笑)。
誰もが一生つきあう「身体」について、日々新たな気づきが得られるワクワクドキドキなサロンをしつらえていきます。
みなさんの参加を茶論一同、くびを長~くしてお待ちしてます。
多読アレゴリア「身体多面体茶論」
【定員】20名
【開講日】2024年12月2日(月)
【申込締切日】2024年11月25日(月)
【受講費】月額11,000円(税込)
*2クラブ目以降は、半額でお申し込みいただけます。
1クラブ申し込みされた方にはクーポンが発行されますので、そちらをご利用の上、
2クラブ目以降をお申し込みください。
【開催期間】2024冬 2024年12月2日(月)~2025年2月23日(日)以後順次決定
お申し込みはこちらから
https://shop.eel.co.jp/products/detail/765
文:身体多面体茶論一同
アイキャッチ画像:身体多面体茶論×山内貴暉
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身体多面体茶論①:「身体」を斬る(導入編)
千夜千冊パラダイス:Coming soon
音づれスコア:Coming soon
エディスト編集部
編集的先達:松岡正剛
「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。
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コメント
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2025-06-10
この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。