待ち合わせは4月29日(土)13:30、JR代々木駅西口。在来線を乗り継いで、新幹線で、飛行機で、全国あちこちから子どもイシスメンバーである6人の子どもと9人の大人が集まった。
子どもイシス初の「遠足エディッツ」のテーマは「ゲーム」。
編集的社会見学として、漢字バトルカードゲーム「カンジモンスターズ」を開発したタンキュー株式会社(東京都渋谷区)を訪問した。大人と子どもまぜこぜで遊び、代表の森本佑紀さんにゲーム開発物語を聞く。その後、豪徳寺イシス本楼に移動、ワークとトークで交流を深めた。
ゲームをおもしろくするためルル三条とは?
編集し、さらにその「編集」を世に出すために必要な方法とは?
上原ゴウ君(5歳)いわく、「超楽しかった! ぜんぶ楽しかった!」な一日の写真レポ前編(タンキュー編)をお届けする。
*後編(イシス編)はこちら
■走る! 遊ぶ!
13:45 タンキュー株式会社に到着
子どもたち、エディッツの会やミーティングの肩越しに話してきたけれど、直に顔を合わせるのは初めて。
駅で会って、歩き出したとたん、ゴウ君(5歳)、年中のケント君(4歳)が走り出す。猛烈なビル風にのってスピードアップする二人を小4のカヨちゃんが「あぶないよー」と追いかける。
「早く!」大人より先に、子どもがタンキュー株式会社の扉を開けに、階段を駆け下りていった。
14:00 まずは一戦! デモンストレーション
「カンジモンスターズで遊ぶのはまったく初めて」の二人が、ゲーム開発者のモリソンこと森本佑紀さんに、直接手ほどきを受けながらデモ戦を行う。
ゲームのルル三条(ロールとツールとルール)を体に入れる。
カンジモンスターズは、3枚の「神カード」と20枚の「マナ(真名)カード」を組み合わせてバトルする。
モンスターの力とデザインは、白川漢字学がモチーフになっている。
基本の動きは、「ひく」→「つける」→「はつどう」。神カードに所定の色・数のマナを付けると、効果を「発動」できる。
カードと組み合わせの一例
「色」で付けるので、漢字を知っている、知らないに関わらず遊べる仕組みになっている
例えば、「残(ザン)」は、「戈(カ)」と「歹(ガツ)」をつけると、「あいての山札を6枚へらす」という効果を発動する。
相手のマナをゼロにしたら勝ち。カイヨワの分類でいえば、運・賭けのアレアと、競争のアゴーンを組み合わせたゲームだ。
■大人も 子どもも
14:20 あちこちで勝負
野村英司vs長島順子
石井梨香vs 景山カフウ
カンジモンスターズは「組み合わせ」がキモ。
神カードを慎重に選ぶケイスケ君。
14:40 チャンピオン戦テーブルでの激闘
吉野ケイスケvs景山卓也
大人は笑顔、子どもは真剣。
子どもが本気で遊んでいる時には、笑顔はでないのだということを知る。
デュエルマスターズでカードゲームの腕を磨いていたケイスケ君、奮闘するも、遊戯王で遊んでいたという景山卓也が勝利し、この後3回防衛する。
14:40 黒膜衆に弟子入り
「映ってる!」
激闘の同じ時間、部屋の反対側では、長島ケントと上原ゴウが助っ人・黒膜衆の山内貴暉のカメラに興味津々。
いきなり「教える」-「教わる」の関係になる。
15:10 チャンピオンテーブル・ラストの一戦
景山卓也vs景山カフウ
上原ゴウがマイクで実況する。
15:04 景山カフウ、初代チャンピオンに決定
親子対決を制し、王者の微笑みをみせるカフウ君。
名古屋から「しるこサンド」、奈良からは「大仏」の金太郎あめ、九州からは黒砂糖。
全国各地からご当地おやつを持った。
15:10 モリソンのゲーム開発物語
なぜ、どうやって、漢字バトルゲーム「カンジモンスターズ」は生まれたのか。
根っこは、代表のモリソンの「勉強が大嫌いだった」子ども時代にあった。
モリソンは大学生になって初めて「学ぶことのおもしろさ」に気が付き、いきなり本を読みまくるようになったという。
『白川静 漢字の世界観』(松岡正剛、平凡社新書)の冒頭、「文字は世界を憶えている」が「雷鳴の一撃」となり、カンジモンスターズ誕生のきっかけとなった。
カンジモンスターズのパッケージデザインは「Q」がモチーフになっている
どんなに暗く見えてたとしても、Q(問い)のレンズを通して見れば、世界はおもしろいモノに満ちている。
すべての子どもたちに、Qのレンズをゲームという形で渡したい。
あらゆる学問、たとえば網野史観もゲームに編集できるというモリソンは語った。
15:48 好きなカードを持って記念撮影
「信(シン)」「友(ユウ)」「品(ヒン)」「比(ヒ)」「例(レイ)」「残(ザン)」……めいめい、好きな神カード、マナカードを選び、記念撮影を行った。佐々木千佳局長は「言(ゲン)」。
このあとモリソンも誘って、いざ本楼へ!
◇遠足エディッツ写真レポ・イシス編(後編)につづく
文:松井路代
写真:山内貴暉、子ども支局
information
◆カンジモンスターズは、下記サイトおよびAmazon等のストアで入手可能。
https://www.kanjimonsters.com/
◆子ども編集学校プロジェクトサイト
https://es.isis.ne.jp/news/project/2757
◇(随時更新中)フェイスブックページ
https://www.facebook.com/kodomo.edit
◆お問合せ:kodomo@eel.co.jp
イベントや子どもフィールドに興味がある方は、お問い合わせください。
活動主体:イシス子ども支局
神尾美由紀、長島順子、景山卓也、上原悦子、得原藍、浦澤美穂、吉野陽子、松井路代、石井梨香、野村英司
学林局長 佐々木千佳
イドバタ瓦版組
「イシス子どもフィールド」のメディア部。「イドバタイムズ」でイシスの方法を発信する。内容は「エディッツの会」をはじめとした企画の広報及びレポート。ネーミングの由来は、フィールド内のイドバタ(井戸端)で企画が生まれるのを見た松岡正剛校長が「イドバタイジング」と命名したことによる。
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