ISIS 25周年師範代リレー [第49期古谷奈々 超速編集のスピードスター]

2024/09/28(土)08:30 img
img

2000年に産声をあげたネットの学校[イシス編集学校]は、2025年6月に25周年を迎えます。第52期の師範代までを、1期ずつ数珠つなぎにしながら、25年のクロニクルを紹介します。

 

◇◇◇

学生時代ウィンドサーファーだった古谷奈々師範代は、36[花]放伝生代表として「波や風と対話するように、教室でも対話を起こしたい」と感門之盟で宣言した。ウィンドサーフィンでは、水面の体感速度は2倍以上と言われる。だが、古谷師範代の速度は体感ではない。編集稽古における速度とパワーは学林局でもお墨付き。イシスのスピードスターは、爽やかな風をまといながら守師範代として大海原に泳ぎでた。

本業では、中川政七商店で販売部部長をつとめる古谷師範代。奈良を拠点に、全国約60店舗を巡っている。出張先であってもネット上の教室には境界も時差もない。朝昼夜と教室に顔を出し、海外在住学衆から寄せられた深夜回答であっても、早朝指南で編集稽古のリズムを作った。

 

校長松岡正剛から授かった教室名は「にじゆら発色教室」。にじゆらとは染色工芸に由来する。コロナ禍で閉塞感のある日々から抜け出したいと編集学校の門を叩いた古谷師範代は、[守]の編集稽古で揺れ動く思考を楽しめるようになったという。

 

[守][破]師範代登板後に担った[花]錬成師範では、花伝生の課題を察知した的確な指導で田中晶子花伝所長を唸らせた。錬成師範を経て、Hyper Editing Platform[AIDA]、世界読書奥義伝16[離]を連続受講し、にじみとゆらぎを胸に抱きながら学びを深め続ける古谷師範代の躍動は、周りを巻き込みながらひたむきに編集の大海を目指していく。

◎師範代メッセージ◎


 

>あのときメッセージ>

感染者数の増減につられ浮き沈みする自分のモードを変えてくれたのは教室名だった。

校長がくれた「発色」のおかげで、にじみもゆらぎも味わいを増してゆく。

自ずとまだ色にならない何かの動向を追いかけていた。

 

>これからメッセージ>

49[破]の藍染発する教室は、「発する」という校長から私へのお題であった。

16[離]に向けて、入院中の校長は病室から「呼吸は言葉」だと言った。言葉に詰まる時こそ、呼吸の力を借りて、言い得ぬ何かを発していきたい。

 

にじゆら発色教室 古谷奈々

 


 

●あの日!あの時!千夜千冊!●

◯ロシアのウクライナ侵攻から2ヶ月、千夜千冊で初めての言及

1797夜 チャールズ・クローヴァー『ユーラシアニズム』
…2022年4月29日

◎記念すべき1800夜はファッションデザイナーたちが華やかに飾った!

1800夜 スザンナ・フランケル『ヴィジョナリーズ』

…2022年5月31日

⦿この一夜から49[守]と並走するように仏教千夜が連打される

1802夜 末木文美士『日本仏教入門』
…2022年7月7日

▼ISIS 25周年師範代リレー

第49期 古谷奈々:超速編集のスピードスター

第48期 畑本ヒロノブ:深掘りをつづける編集工学の継続者
第47期 中村慧太:急成長する近大のハニカミ王子
第46期 角山祥道:ちょっと頼れる「映画に出てくる方の」ジャイアン
第45期 梅澤光由:編集工学の求道者
第44期 佐藤裕子:すわ、御一新!20年目のすさびぶり
第43期 阿曽祐子:どろんこ遊びのごとく学び遊ぶ
第42期 網口渓太:令和のイシス的バーチャルアイドル
第41期 山田細香:苦行を足場に、見晴台へ
第40期 後田彩乃:物語ることは生きること
第39期 内海太陽:スーツと袴と作業着と ビジネスと古武道の求道者
第38期 大塚宏:牛歩む野辺のひろしや後の月
第37期 山田泰久:編集学校NPOネットワークの先導役
第36期 藤田小百合:愛と気っぷで富山を編集王国に
第35期 福田恵美:圧倒的オラリティが織りなすネットワーク
第34期 奥本英宏:頼れる兄貴はマショウの男
第33期 竹内裕明:本家本元のISIS祭でビジネス編集
第32期 長田陽子:エディストの原型はこの人のもんどりにあり
第31期 敷田信之:義に厚く、知に熱い。野武士のようなメディアマン
第30期 竹川智子:編集工学で”知の倍返し”を
第29期 田端弥生:編集の国に住み着いたアリス
第29期 石原卓也:穏やかさに潜む一種合成の魅力
第28期 真武信一:編集工学はライフワーク
第27期 鵜養保:飄々と方法をぶつけ合う神出鬼没の実験者
第26期 川野貴志:至宝が照らすイシスの10年
第25期 小坂真菜美:「胸の津波」を引き受けて
第24期 渡會眞澄:境界を見つめるラディカル・ウィル
第23期 白木賢太郎:10周年に誕生したレジェンド教室
第22期 ゆう恵朱:世界各国から指南するザ・ナラジアン
第21期 大泉智敬:全身投企する師範代夫婦
第20期 松永真由美:編集を重ねる“感”チェロ奏者
第19期 浅羽登志也:鳴り止まないセッション
第18期 福嶋秀樹:黒革の手帖にしたためた編集的方法
第17期 古田茂:編集第一線で変革期を支える
第16期 大武美和子:暖簾の奥からのぞくウィットあふれる女将
第15期 塩田克博:編集バッカス一時代を築く
第14期 竹島陽子:難波モードで腕がなる
第13期 成澤浩一:一本芯が通った兄貴な師範代
第12期 平山智史:ビジネスを再編集する国際派
第11期 伊藤真由美:指南とは学衆をいきいきとさせるもの
第10期 保坂恭史:編集的自由に向かうビジネスマン師範代
第9期 土井内英子:2期連続で走り抜ける
第8期 鈴木元一朗:編集の型でトップをとったレジェンド
第7期 古川柳子:デジタル化時代の師範代登板
第6期 立岡茂:つらなる熱烈回答ツリー
第5期 島津昌代:教室横断!讃岐大汁講
第4期 堀口裕世:初の師範代面談を経て
第3期 武沢護:唯一の走破者
第2期 川崎隆章:一字一句うちこんだお題
第1期 山田仁:てんやわんやの船出

 

 

アイキャッチデザイン:穂積晴明・山内貴暉

 

  • 後藤由加里

    編集的先達:石内都
    NARASIA、DONDENといったプロジェクト、イシスでは師範に感門司会と多岐に渡って活躍する編集プレイヤー。フレディー・マーキュリーを愛し、編集学校のグレタ・ガルボを目指す。倶楽部撮家として、ISIS編集学校Instagram(@isis_editschool)更新中!

  • 9月末締切!編集熊手Tシャツ(限定受注販売)【84感門】

    イシス編集学校25周年番期同門祭を記念した「編集熊手Tシャツ」が期間限定販売中です。申込は9月末まで、締め切り前のお申し込みをお急ぎください。   ◇    第84回感門之盟 25周年番期同門祭(9 […]

  • 松岡正剛写真を展示します [9/10(火)〜15(日) 東京 渋谷]

    校長松岡正剛の写真を渋谷で展示します。 「原点 – 記録・断片・まなざし」と題して、書斎での執筆風景をメインに、5年間の記録を約30点の写真で構成しました。      写真展は、東京写真 […]

  • 【追悼】松岡正剛の断片を追いかけて 10shot

    きっかけは、世界読書奥義伝第十三季 離の退院式だった。2019年11月、DNPホールで開催された退院式には、エディストカメラマンとして参加していた。ファインダー越しに何度も心が震えた。離ってやっぱりいいな。その時の印象 […]

  • 多読ジム×倶楽部撮家 第4弾《一人一撮 edit gallery『資本主義問題』》

    一枚の写真には、いくつもの選択が詰まっています。「写真は創造ではなく、選択であるとはよく言われる指摘である」とは中平卓馬の言葉。中平は「一枚の写真も、それは選択の結果である」とも言います。何かを撮影しようと思ったら、5 […]

  • 別日本に向かって – 近江ARS TOKYO 裏舞台の10shot

    近江ARS ―― その姿が、いよいよTOKYOでお披露目される。    滋賀県大津市のびわ湖ホールで開催された近江ARSキックオフ「染め替えて近江大事」から2年強。近江ARS TOKYOは「別日本があったって […]