【Archive】54[守]クロニクル ー月の幕間ー

2025/03/22(土)18:55 img
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夜空にあるはずの見えぬ玄月を思いながら、走り続けた54[守]。さまざまに姿を変える月の幕間(まくあい)に、変容し続ける稽古模様を見せてくれた。

月に憧れ、月に見守られた54[守]を遊刊エディストの記事とともに振り返る。


◆月は照る◆

 

2024年9月15日、十三夜の月の日に、第84回感門之盟で、20名の師範代の教室名が発表された。教室名を授かってからが師範代の編集の始まりだ。教室フライヤーの制作を経て、教室のワールドモデルを創り上げ、師範代自身が輝き始める。54[守]より[守]の研鑽の会は創守座と名付けられ、指導陣と師範代は、丁々発止のやり取りで、[守]の型を磨く。

満月まで、あと少し。

創守座 康代学匠の挨拶

BPTと変分原理 ー54[守]師範が見た伝習座ー  
山崎智章(54[守]師範)

教室名から始まる編集も楽しもう――54[守]教室名発表【84感門】 
米田奈穂(JUSTチーム)

欠けながら満ちてふくらむフライヤー ―54[守]教室名フライヤー制作 
一倉広美(54[守]師範)

うま味を引き出すミソは師範代―54[守]創守座・フライヤー語り― 
中村裕美(54[守]師範)

米も54[守]も爆上がり中
中村裕美(54[守]師範)

創守座、建立す――54[守]開講前夜
角山祥道(54[守]師範)

回答に触発され、創発へと向かえ ―54[守]創守座―
佐藤健太郎(54[守]師範)

師範代たちは物語を編む・読む・進む――54[守]創守座ルポ
山口奈那(53[守]師範代、チーム渦記者)

柱の傷もメトリック ―54[守]創守座―
北條玲子(54[守]師範)

42[花]虹の向こう〜54[守]創守座〜

大濱朋子(42[花]錬成師範)

 

◆三位一体の満ち欠け◆

 

2024年10月28日の開講日は有明月。
新月に向けて、徐々に闇に身を消すが、それは新たな満月のため。イシス編集学校の編集メソッドは、変容を起こす。それは学衆だけでなく、師範代や師範にも、さざなみのようにかわる力を与える。

 

新時代到来? シンお笑い大惨寺からシン師範代誕生!
豆炭、渦角

バンドネオンのため息――54[守]師範数奇がたり
北條玲子(54[守]師範)

主語がなくなるまで歩け――54[守]師範数奇がたり

佐藤健太郎(54[守]師範)

 

◆元師範代の母◆


54[守]では、多重奏のように、幾つもの物語が紡がれていった。今季は、元師範代の母が、息子の受講を見守りエディストに記事を書き続けた。のびのびと番ボーの稽古をする息子とハラハラと見守る母の気持ちの絶妙な交差は読者を引き込む。

 

元・師範代の母が中学生の息子の編集稽古にじっと耳を澄ませてみた #04――のんびり

 

学衆ごとに、教室ごとに、笑いも涙も物語に変わる。

12月21日、更待月。夜がふけてから月が出る様子そのままに、第一回番ボーの講評が始まった。同朋衆の数寄を凝らした評価の言葉に、唸り、歓声、拍手、落胆、再起の決意。教室の声は響き、鳴り止まなかった。

 

元・師範代の母が中学生の息子の編集稽古にじっと耳を澄ませてみた #01――かちゃかちゃ

元・師範代の母が中学生の息子の編集稽古にじっと耳を澄ませてみた #02――ちくたく

元・師範代の母が中学生の息子の編集稽古にじっと耳を澄ませてみた #03――さくっ

 

◆晦日の一座建立◆

 

新月は満月に向かうためのゼロポイント。
第二回創守座は、この日に開催された。第一回の時と面構えの違う師範代を頼もしく見つめながら、54[守]は大きな差し掛かりを得た。

創守座 集合写真

 

12月30日 有明月

松岡校長の動画「インターメッセージ」を54[守]で同時視聴し、特別講義を行う、現“在”美術家でライブストリーミングチャンネル・DOMMUNE主宰の宇川直宏さんの方法に迫った。このインターメッセージ同時視聴ののち、稽古は加速し、ある企画が生まれ、感門でお披露目されることになる。

 

「書くこと」へ向かえ――54[守]第2回創守座   
佐藤健太郎(54[守]師範)

”問感応答返”は終わらない――54[守]第2回創守座   
54[守]番匠 阿曽祐子

「たくらみ」に満ちた世界定めへ ―54[守]創守座―  
佐藤健太郎(54[守]師範)

松岡正剛を現在化せよ――54[守]の晦日    
北條玲子(54[守]師範) 

元・師範代の母が中学生の息子の編集稽古にじっと耳を澄ませてみた #05――うんうん
元・師範代の母が中学生の息子の編集稽古にじっと耳を澄ませてみた#06――いらいら

 

◆編集工学2.0×生成AI◆

 

AIなど触ったこともない学衆から、仕事で毎日使う学衆まで、宇川さんの課題、教室名をAIを使った画像で表すことに夢中になった。教室の「らしさ」スクリプトにいれこんだら鬼子母神も戦隊も飛び出す画像の制作に、参加者は『知の編集術』の言葉の目録、イメージの辞書、ルールの群れを目の当たりにした。

次々と学衆&師範代の生成AI作品が公開されていく

 

特別講義の課題すべてに、宇川さんからその場で講評が届けられた

 

編集工学2.0×生成AIで「別様の可能性」に向かうー―イシス編集学校第54期[守]特別講義●宇川直宏の編集宣言レポート 
石黒好美(54[守]番匠)

 


◆ミメロギアの[守]◆


第2回番ボーの締切は三日月夜だった。お月様も眠たい目を開け、回答をチラリとみてはクスリと笑ったことだろう。[守]では番ボーで学衆が才の花を咲かせる。第一回番ボーの経験をふまえ推敲の力に気づき、高速の回答指南ラリー、重厚な指南と回答の交わし合いが教室を揺るがせた。

 

元・師範代の母が中学生の息子の編集稽古にじっと耳を澄ませてみた #07――「ガタンゴトン」

元・師範代の母が中学生の息子の編集稽古にじっと耳を澄ませてみた #08――「びしゃ」

元・師範代の母が中学生の息子の編集稽古にじっと耳を澄ませてみた #09――「ひらり」

 

2月9日(日)卒門    十三夜

卒門当日、締切の3日前に卒門を決めた学衆は固唾を飲んで教室を見つめ、22時ジャストに回答を送り込む学衆。ここまで共読を重ねた学衆と師範代の思いは渦巻き、十三夜に満月のような笑顔が溢れた。114名が卒門を果たし、互いの健闘を寿いだ。


3月15日(土)感門之盟     更待月

香川、大阪、日本各地から学衆が集い、本楼は熱気に包まれ感門之盟 当日を迎えた。この日は[守][花]の合同開催。放伝した花伝生や、新たに教室名を得た師範代の姿を見て、卒門は終わりではなく、始まりでもあることに気づく。

晦日の一座建立で生まれた「いろは型かるた」はこの日に初お目見えとなった。


【86感門】「いろは型かるた」制作秘話

上杉公志 JUSTチーム

 

「編集を続けてください」田中優子学長メッセージ【86感門】  
畑本ヒロノブ(JUSTチーム)

第八六回感門之盟・オープニングは総合司会メッセージーー【86感門】  
安田晶子(JUSTチーム)

たくさんのキャラクターを持つ師範代へ渡されたのは?ーー54[守]先達文庫授与【86感門】
安田晶子(JUSTチーム)

ワニもネズミもトリもいる?!54[守]師範頌授与【86感門】
安田晶子(JUSTチーム)

イキイキ!うごめく!春を待つ魚たちの饗宴ーー54[破]”出世魚”教室名発表【86感門】
安田晶子(JUSTチーム)

86感門】校長の気配は本楼に(鈴木康代学匠メッセージ)
今井早智(JUSTチーム)

 

◆月が見ている◆

 

卒門の後も、54[守]の勢いは止まらない。講座期間中に、学衆と師範代が、遊刊エディストにエッセイを書いた。これからも続々と54[守]の仲間たちが遊刊エディストに姿を表すだろう。

 

守のお題で一席――尾崎公洋のISIS wave #44
尾崎公洋(54[守]やぶこぎ博物教室)

ゆらぎと創発が結ぶ旅路――松田秀作のISIS wave #45
松田秀作師範代(54[守]たまむしメガネ連教室)

 

 

編集への憧れを胸に、再び旅立つ54[守]。その姿を、ずっと月が見守っている。

 

構成・文/北條玲子(54[守]師範)

アイキャッチデザイン/阿久津健(54[守]師範)

アイキャッチ写真/後藤由加里(倶楽部撮家)

  • イシス編集学校 [守]チーム

    編集学校の原風景であり稽古の原郷となる[守]。初めてイシス編集学校と出会う学衆と歩みつづける学匠、番匠、師範、ときどき師範代のチーム。鯉は竜になるか。