【多読アレゴリア:終活読書★四門堂(死生堂改め)】四つの門から入れ!

2024/11/28(木)16:00
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 死生を巡りあれやこれやとアレゴリア、「終活読書★死生堂」は、「終活読書★四門堂」という名前にアップデートしたというご報告です。

 

 全ては仮の世、ならぬ仮留めよろしく、プロセス編集、自省問答をするなかで寓意ならぬ合意した次第。「死」という言葉の重みは少なからず多読の道行きを逡巡させるのではという思いからの再編集でした。

 

 「死」の言い替え、「死」は何に使えるという「守」の編集術さながら、生と死を分ける境界というニュアンスを「門」に集約させてみました。察しのよいみなさまは、仏教の始祖ゴーダマ・シッダールタが太子だった頃に王城の東西南北の四つの門から出遊したというエピソードを連想するのではないでしょうか。

  •  
  •  ・東門から出ると、杖にすがる老人に出会い、
  •   生あれば老あることを悟る
     ・西門から出ると、病人に会い、生あれば病あることを知る
     ・南門から出ると、死人に会い、生あれば死あることを知る
     ・北門から出ると、高徳の沙門に出会い、出家修行の志を立てる

 

 お釈迦様にあやかり、多読アレゴリアのお題から人生に対する目を開き、みなさまには出家していただきたいというのがネライではありませんが、「病」「老」に起因するだけでなく、誰もが避けられない「死」という必然に、人は何のために生きるのか、多読プログラムを媒介に考えを深め、思いをシェアできる機会となれば幸いです。

 

花はその盛りのピークで死を孕む(塚田有一)

 

 多読アレゴリアの門は、冬の私(大音美弥子)、春の詩(塚田有一)、夏の思(赤羽卓美)、秋の視(野嶋真帆)、と交代しながら四人の門人がナビゲートします。

 

   「死」の先なんか誰もしりませんよ。
  ソクラテス曰く「誰もが死を味わってないのに誰もが最大の悪で
  あるかのように決めつける」
  エピクロス曰く「我々のあるところに死はない。死のあるところに
  我々はいない」
  セネカ曰く「生は適切に活用すれば十分に長い」
  僕はその全てに賛成です。

  
  すっ、全て二千年近くも前の異教徒の言葉だろ!
  救世主が誕生する前の暗愚な連中だ!
  奴らには絶対神も救いもない!
  そんな言葉が何になる!

 

  感動できる!
   ・・・・
  たぶん感動は寿命の長さより大切なものだと思う。  
  だからこの場は、
  僕の命にかえてでも、この感動を生き残らす。


  ラファウとノヴァクの会話『チ。 ー地球の運動についてー』より

 

さぁ、この先の感動にむけて、ポ チ ッと、
ご参集ください!
 

文 :赤羽卓美

花 :塚田有一

写真:塚田愼一

     


多読アレゴリア「終活読書★四門堂」
【定員】40名
【開講日】2024年12月2日(月)
【申込締切日】2024年12月1日(日)
【受講費】月額11,000円(税込)
*2クラブ目以降は、半額でお申し込みいただけます。
1クラブ申し込みされた方にはクーポンが発行されますので、そちらをご利用の上、2クラブ目以降をお申し込みください。
【開催期間】2024冬 2024年12月2日(月)~2025年2月23日(日)以後順次決定

お申し込みはこちらから
https://shop.eel.co.jp/products/detail/765


 

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音づれスコア:Coming soon

  • 野嶋真帆

    編集的先達:チャールズ・S・パース。浪花のノンビリストな雰囲気の奥に、鬼気迫る方法と構えをもつISISの「図解の女王」。離の右筆、師範として講座の突端を切り開いてきた。野嶋の手がゆらゆらし出すと、アナロジー編集回路が全開になった合図。

コメント

1~3件/3件

若林牧子

2025-07-02

 連想をひろげて、こちらのキャビアはどうだろう?その名も『フィンガーライム』という柑橘。別名『キャ
ビアライム』ともいう。詰まっているのは見立てだけじゃない。キャビアのようなさじょう(果肉のつぶつぶ)もだ。外皮を指でぐっと押すと、にょろにょろと面白いように出てくる。
山椒と見紛うほどの芳香に驚く。スパークリングに浮かべると、まるで宇宙に散った綺羅星のよう。

川邊透

2025-07-01

発声の先達、赤ん坊や虫や鳥に憑依してボイトレしたくなりました。
写真は、お尻フリフリしながら演奏する全身楽器のミンミンゼミ。思いがけず季節に先を越されたセミの幼虫たちも、そろそろ地表に出てくる頃ですね。

川邊透

2025-06-30

エディストの検索窓に「イモムシ」と打ってみたら、サムネイルにイモムシが登場しているこちらの記事に行き当たりました。
家庭菜園の野菜に引き寄せられてやって来る「マレビト」害虫たちとの攻防を、確かな観察眼で描いておられます。
せっかくなので登場しているイモムシたちの素性をご紹介しますと、アイキャッチ画像のサトイモにとまる「夜行列車」はセスジスズメ(スズメガ科)中齢幼虫、「少し枯れたナガイモの葉にそっくり」なのは、きっと、キイロスズメ(同科)の褐色型終齢幼虫です。
 
添付写真は、文中で目の敵にされているヨトウムシ(種名ヨトウガ(ヤガ科)の幼虫の俗称)ですが、エンドウ、ネギどころか、有毒のクンシラン(キョウチクトウ科)の分厚い葉をもりもり食べていて驚きました。なんと逞しいことでしょう。そして・・・ 何と可愛らしいことでしょう!
イモムシでもゴキブリでもヌスビトハギでもパンにはえた青カビでも何でもいいのですが、ヴィランなものたちのどれかに、一度、スマホレンズを向けてみてください。「この癪に触る生き物をなるべく魅力的に撮ってやろう」と企みながら。すると、不思議なことに、たちまち心の軸が傾き始めて、スキもキライも混沌としてしまいますよ。
 
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